不眠症の原因と快眠のための七ヶ条【山梨 漢方 沢田屋薬局】
前回より僕らにとって最高の養生である
『睡眠』
そのの大切さについて改めてお届けしております。
睡眠トラブル、不眠症というと寝付きが悪い
『入眠障害』
だけをつい思い浮かべてしまいますが、それだけでなく
夢を多く見たり(多夢症)
途中で何度も目が覚めたり(中途覚醒)
など様々な症状があります。
そんな睡眠トラブルの症状の中でも意外と多いのが
『朝の寝起きがメチャクチャ調子悪い』
という方です。
【朝メチャクチャ調子が悪くなる原因とは?】
眠れているのだから睡眠トラブルじゃないでしょ?と思われがちですが、朝スッキリ起きれない、というのは夜ぐっすり眠れないのと同じぐらい問題があります。
朝メチャクチャ調子が悪く、時間が経過するごとに徐々に調子が良くなってきて、夕方から夜になると一番元気になる、なんて方が実は結構大勢います。
本来なら寝ている間にカラダを癒し、脳を休めて、一番充電がしっかりされていてる時間帯ですから朝が一番元気が良く、体も動かせるはずですよね。
もちろん寝起きすぐはまだ寝ぼけていることもあるますから、当然起きてしばらく経過してからですが、少なくても朝7時ぐらいに起きれば30分〜1時間もすればある程度エンジンがかかり元気になりますよね。
そんな元気があって当たり前の朝なのに、寝起きが一番しんどいというのはなぜでしょうか?
原因の一つは睡眠の質の低下です。
例えば、寝ている間に夢をよく見る人は頭が休まってない睡眠なのでこのような傾向がよく見られます。
中医学では『多夢症』などと呼び体からの弱りのサインと考えます。
多夢症は様々な原因で起きますがストレスだけでなく、血液がたっぷりない方、貧血まで行かなくても『隠れ貧血』と言われるような状態だと起こりやすいので、月経前や月経中になると夢をよく見たり、睡眠の質が低下しやすい方はもしかしたらこのタイプかも知れません。
薬膳では血を増やす『赤色&黒色』の食材や色の濃い野菜をしっかり取ると血が増えると考えます。
赤身のお肉、魚介類、海藻類などを積極的に取りましょう。
【食いしばりも朝弱い原因の一つ】
夢をよく見る、に続いて紹介する睡眠の質が低下する原因は
『食いしばり』
です。
食いしばりは寝ているときでも首から肩、顎に掛けて力が入ってしまっている状態、筋肉が過緊張になっており、ずっと寝ながら力んでしまっている状態です。
当然ずっと力が入っていれば起きたときでも疲れが取れず、寝てはいるけど体の疲れなんかは取れません。
食いしばりが起こりやすい方は中医学では
『気の巡り』
が悪いタイプ。
ストレスフルで日中もイライラしやすい『気滞タイプ』に多く見られます。
気滞タイプの方はできるだけ日中ストレスを発散できるように
体力がある方はしっかり汗をかく運動をしたり、サウナなどに入ったりして心身のデトックスを行いましょう。
汗をたくさんかくとつかれてしまうような方は激しい運動ではなく、ゆっくりウォーキングをしたり、ヨガを自分のペースで良いのでゆっくり行ってストレスで縮まったカラダを伸び伸びと緩めましょう。
食養生では香りのよい野菜や果物、ハーブ類などを使ったものを積極的に取りましょう。
【食べ過ぎ&飲み過ぎも朝だるい原因に】
また、朝だるい人に多い中医学的な体質は、日頃から食べ過ぎ飲み過ぎの
『痰湿タイプ』
の方にも多く見られます。
このタイプの方は遅くまで食事をしていたり、食べる量が多く、消化吸収にエネルギーを使うので、疲れが取り切れず朝からだるくなります。食べ過ぎ飲み過ぎだけでなく胃腸が弱い方にも起こりやすいので、日頃からの食事内容に気をつけましょう。
【中高生にも多い・朝起きれない『起立性調節障害』】
朝から元気がでない原因についていくつか紹介をしましたが、これ以外でも体内時計が狂ってしまっている人も当然ですが朝から元気が出ません。
海外旅行などから帰ってきた直後であればしばらくすれば治りますが、夜勤がある、仕事が不規則で1日のリズムが変わりやすい、そんな方はかなり体内時計が狂いやすいので、意識的に整えることが大切です。
特に夜勤明けの過ごし方が大切なのですが、正直こればっかりは人により調子が良くなる過ごし方が様々なので、いろいろな方法を試してみてください。
基本的には朝日を浴びることで体内時計が正常に動きやすくなります。朝日を浴びて15時間後ぐらいに睡眠ホルモンのメラトニンが分泌されて
『夜だから寝なさいよ』
という指示が脳からでるので朝日を浴びる、という非常にシンプルな養生法ですが体内時計を整えるには有効な手段なので上手に活用しましょう。
朝日が入らない遮光カーテンなどを使っているようでしたら日がある程度入るレースのカーテンなどを活用しましょう。
☆睡眠リズムの乱れも原因の一つ『起立性調節障害』とは?☆
そして睡眠トラブルとはちょっと異なりますが、朝スッキリ起きれない不調の一つに思春期の小学校高学年から中高生ぐらいまでに多い原因が『起立性調節障害』があります。
簡単に言えば成長期の体の変化で朝起きた時に血圧がしっかり上がらないので朝起きれなくなる不調です。
原因は自律神経の乱れや、中医学的には女の子だと初潮が始まり血の巡りが乱れてしまうことが原因と考えたりしますが、
兎にも角にも様々な原因で朝起きても血圧がうまく上がらず、カラダにスイッチが入らいない状態になってしまいます。
そのかわり徐々にカラダのエンジンがかかってくるので、午後から夕方ぐらいになると元気が出てきて、その時間の様子を見ると『何だ元気じゃないか?』と思われるのですが、朝は本当に体が言うことを聞かない、とってもつらい症状なのです。
これは中高生だけでなく、大人でも自律神経が乱れている人や血の巡りが悪い人には起こりやすい不調です。
自律神経を整える養生はいろいろありますが、大人も中高生ぐらいの子どもたちも
深呼吸や入浴、軽めの運動、香りの良いお茶やハーブ、酸味を活用した料理などで自律神経のバランスを整えてあげましょう。
また、当然ですができるだけ寝る時間、起きる時間を規則正しくして、体内時計がずれないように気をつけましょう。中学生ぐらいになると急に夜更かしを始めるので生活リズムにも気をつけてあげましょう。
女の子や胃腸が弱く元気や血液がたっぷりないタイプの虚弱体質のお子さんであれば多夢症のところで紹介した血を補う養生もおすすめです。
【睡眠は生命に関わる大切な養生】
最後はちょっと脱線をしましたが、2回にわたり睡眠に関する内容をおとどけしました。
前回のnoteでお伝えしたとおり、睡眠は僕らにとっては呼吸することの次に命に関わる養生と言っても過言ではありません。
良い睡眠は良い朝を迎え、良い朝は良い1日を。良い1日は良い人生を産みます。
熱帯夜で寝苦しい日が続きますが、寝る時の室温はできるだけ心地よくするなど環境の工夫もできる限り行って良い睡眠をとり、元気に夏を乗り切りましょう。
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