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☆体臭がクサくなる原因とは?中医学ではカラダの弱りもニオイで現れると考える
前回より、夏になると日本有数の猛暑地域になる山梨県だからこそ気になる『臭いトラブル』
体臭などの対策についてお届けしております。
前回は
・体臭など臭いトラブルの原因=不潔、ばかりではない
・臭いは感覚なので感じ方に個人差がある
などをお伝えしました。
前回の内容をご覧いただくと、今回の内容がより楽しめると思います。
https://mbp-japan.com/yamanashi/sawataya/column/5134201/
体臭などの臭いの原因は不潔だけが理由でない、とお伝えしましたが、入浴をしっかりしていなくて体臭がクサくなる方はまずはしっかりとカラダを清潔にすることが大切ですが
それ以外の方、カラダを清潔に保っているはずなのにニオイがするという方は何が原因なのでしょうか?
☆キレイにしているのに『臭う』その原因とは?
中医学では五臭(五香とも言います)と言って体臭や口臭などをカラダの機能を5つに分類した五臓(肝・心・脾・肺・腎)に当てはめてそれぞれ特徴的は5つの臭いがあると考えます。
簡単に説明すると五臓それぞれの場所が弱るとそこに当てはまった臭いがする、という物です。
ちなみに
肝は臊(そう)・・・顔が油っぽく獣肉のような生臭さがすると肝の異常
心は焦(しょう)・・・こげくさい臭いがすれば心の異常
脾は香(こう)・・・香ばしいニオイがつよければ脾の異常
肺は腥(せい)・・・魚のような生臭さがすれば肺の異常
腎は腐(ふ)・・・腐ったような臭いがすれば腎の異常
このように分類されていますが、現代人の場合はこのような臭いを嗅ぎ分けるのは非常に難しいとおもいますが中医学ではこのようにカラダの弱りで様々な臭いが発生すると考えたのです。
一般的な現代人の生活をしていればそれほど臭いがきつくなることはあまりないと思います。それでも体臭が臭くなってしまうということはカラダの弱りのサインということなので、体調を整えることで体臭を抑えることは可能と考えます。
次に具体的な体臭対策について考えて見たいと思います。
不潔にしてるわけじゃないのになぜ我々はカラダの臭いに悩まないと行けないのでしょうか?
改めてですが体臭の仕組みについて考えていきましょう。
ニオイの元は生理学的に考えると当然ですが『汗』です。
僕らの人間のカラダからは2種類の汗が出ると言われています。
一つは『エクリン腺』と言われる場所からの発汗でその成分は約99%は水です。
それ以外だと塩化ナトリウム、カリウム、カルシウムなどのミネラルに乳酸、アミノ酸などが含まれています。
汗が出る場所は全身で、とくに手のひらや足の裏に多いと言われており、体温調節のために発汗されることが主な役割です。
汗の特徴としては体温が上がった時や精神的に緊張したときなどに出ることが多く、発汗直後は無臭ですが、汗に汚れがつき時間が経過すると菌が繁殖してニオイが発生すると言われています。
発汗したあとにカラダを清潔にしないとエクリン腺からの汗も体臭の原因となります。
そしてもう一つの汗が『アポクリン腺』からの汗です。
アポクリン腺からの汗は主にわきの下、性器周辺から出ます。主な汗の成分は水、タンパク質、脂質、脂肪酸、コレステロール類、などです。先程のエクリン腺に比べるとかなり食生活などの影響が出そうですね。
発汗の主な目的は性的なアピールなどと言われており、動物のフェロモンに似た働きがあると言われています。なので、男性の体臭は女性の方がより敏感に感じやすいと言われる研究データもあります。
また、アポクリン腺からの発汗は思春期に活動が盛んになると言われています。
アポクリン腺からの汗は特有のニオイがあり、ニオイが強い場合を「わきが」と呼びます。
☆体臭の原因大きな原因は食事
体臭の仕組みを考えた際、不潔にしてるわけじゃなくてもにおってしまう原因はアポクリン腺からの臭いだと思います。
そしてアポクリン腺からどんな汗が出るかと言うと水にタンパク質、脂質、脂肪酸、コレステロール類、などが混じったものですから食事内容が非常に重要だと思います。
食事の内容によって体臭が変わることは外国に行くとよく分かると思います。
これは臭いがクサイとかクサくないとか言う問題でなく、国が変わると食べるものが変わるので、その国に住んでる国民独特の臭いというものがあると思います。
僕がそれをすごく感じたのは中学高校時代です。
僕の通っていた中学と高校はカトリックのミッションスクールだったので校長先生、副校長先生、英語の先生やカトリック倫理(そんな教科もあったんです)の先生はもちろん、男子校で寮に入っていたのですが(そんなこの世の終わりのような環境で多感な時期を過ごしていたんです)その量の舎監の先生も外国人の先生でした。
たまたま僕の学校はカナダ人の先生ばかりだったのですが、その時初めて『あ、外国の人って独特の臭いがあるんだなぁ』と感じました。カナダ人の先生方はみんなおんなじような臭いがしたからです。
これは人種的な違いもあると思いますが、やっぱり食習慣の違いだと思います。
なので同じ日本人でも日々の食生活が乱れていると体臭の大きな原因になると思います。
『肌の調子は食べている物が大きな影響を及ぼす』と以前もお伝えしましたが、それと全く同じことが体臭でも言えるでしょう。
☆臭いがきつくなる人は『実タイプ』が多い?
中医学的にここからは体臭について見ていきたいと思います。
食べ過ぎ飲み過ぎでカラダの中に余計な物がたまり込んでいる、ゴミが多い人は体臭がキツくなりそう、というのはみなさんもイメージができやすいと思います。
気が弱くて、力がなくて、あんまりご飯を食べれないという方は臭いも強く出ないと思います。
食欲旺盛でたくさん食べたり飲んだりするけど運動はしないでカラダの中に余計な物『痰湿』というものがたまってしまって、血液の汚れの原因になると考えます。
まずは日頃から体臭が気になっている人で食べ過ぎ、飲み過ぎがある方は飲食を控えて、カラダの老廃物が排泄できるように運動をしっかりしておきましょう。
よく食べる方は体力に自信がある『実タイプ』の方が多いので、しっかり汗をかくジョギングや自転車漕ぎ、水泳などがおすすめです。
☆熱がこもっていると臭いが出やすい
食べすぎてカラダの中にドロドロしたものが残っているのと同じぐらい体臭の原因になるのが中医学的には『熱』だと思います。
中医学では自然の世界で起こることはカラダでも起こる、と考えます。
皆さん、生ゴミを想像してみてください。冬の生ゴミと夏の生ゴミ、どちらのほうがクサイでしょうか?
効くまでもなくそれは『夏』ですよね。
熱は物を早く腐らせて腐敗臭などを発生させます。
先程紹介したカラダの中のドロドロしたゴミ、痰湿に熱が加わったらどうなるでしょうか?
中医学ではこの状態を『湿熱』と考えてどろどろに熱が加わり非常に臭いなども出やすい状況になると思います。
湿気だけだとそれほど臭いませんが、そこに熱が加わると臭いが発生しやすいと思います。
便でもオナラでも臭い場合は湿熱が強い場合は非常に臭いがキツくなります。
焼き肉など、お肉を食べすぎたあとやお酒を飲みすぎた後はカラダの中に熱がこもり便やオナラが臭くなった経験は皆さんもあると思います。
なので、カラダに余計な熱がこもっている方、暑がりで、すぐに汗が出やすい、眠りが浅い、胃もたれ、お腹が張りやすい、痰が絡みやすい、そんな症状が体臭と共にある方は体の中の余計な熱を冷ます養生をしておきましょう。
おすすめは夏野菜、カラダの中の余計な湿気と熱をとってくれる特徴があります。
トマト きゅうり なす ゴーヤ スイカ など夏が旬の野菜は清熱利水作用を持っている物が多いので、運動でしっかりたまった湿熱を発散させながら、夏野菜を積極的に食べてカラダの余計な湿熱を排泄しましょう。
☆体臭対策は心の健康と体の健康両面から
体臭『ニオイトラブル』についてお届けしました。今回ご紹介した湿熱など食事の乱れが大きな原因ですが、精神的に弱ってしまって警戒心が強くなるあまりニオイに敏感になってしまったり
ストレスフルでイライラして、ちょっとしたニオイにも過敏に反応してしまう場合もあります。
自分のニオイは自分ではなかなか気が付かない場合も多々あります。繰り返しになりますが、昔は不潔な人=体臭がキツイ、というイメージが有りましたが水虫と一緒で決して不潔な人がなるカラダのトラブルではありません。
心の問題か?体の内側の問題か?その両方か?
しっかりと原因を考えて体調管理することでデリケートなお悩みを楽にすることができますので、ニオイが気になる方はぜひご自分の生活習慣と心とカラダの調子を見つめなして見てください。
ニオイトラブルを減らして快適な夏を迎える準備を今からしっかりしておきましょうね。