食養生に大切な3つの視点とは?
【東洋医学では薬食同源】
今回も多くの方が興味を持っている健康関連の情報
『食』
についてお届けしたいと思います。
様々な健康法や養生法がありますがその中でも大きなウェイトを占めているのが
『食事』
に関することではないでしょうか?
これは今に始まったことでなく、昔の方が今より遥かに重要視されていたと思います。
その証拠に、中医学では食事を活用して不調を改善したり、病気を未然に防ぐ
『薬膳』
は薬によって治療を行う医者よりも、食医と言われる食事で体調管理を行う医者の方が遥かに位が高いとされていました。
薬膳というと、最近はちょっと生薬っぽいものが入っていると
『薬膳〇〇』
という商品名で売っているものを多く目にしますが、本来の薬膳はその方の体調や不調に合わせて食材や調理法を考えて食事でカラダを良くしていくもの、弁証論治という漢方診断で病気の改善に漢方薬を選ぶのと同じように、薬膳では弁証論治を行って『施膳』と言って食事を疾患などに合わせて選ぶのです。
【現在の栄養指導と薬膳の違い】
今でも病院に行ったり、健康診断の指導などで食事の事はよく取り上げられていますが、現在の栄養指導と薬膳の違いとは何でしょうか?
今の栄養指導の基本は、例えば
高血圧の方は塩分を控えよう
脂質異常症の方は脂質を控える
糖尿病の方は糖質を控える
腎臓や心臓に疾患がある方は水分摂取を控える、などの栄養指導が中心だと思います。
これは西洋医学的な考えと栄養学的な観点から指導なので、これはこれで素晴らしいことだし、指導に従って食事を見直すことはとっても大切なことです。
薬膳の考え方はちょっとこれとは異なります。
薬膳は中医学が基本となっているので
『カラダに不足しているものを補う』
『巡りが悪ければ良くする』
『悪いものが滞っていたら出す』
『冷えていれば温める』
『熱がこもっていたら冷ます』
という風にカラダの状態に応じて一人ひとりカスタムするものです。
先程もちょっと触れましたが、ある意味、本当に薬(漢方薬)に近いものなのです。
漢方に限らずアーユルヴェーダなどの東洋の伝統医学では昔から食事でカラダを良くしてきました。
そもそも漢方で使用する生薬やアーユルヴェーダで活用するスパイスやオイルみたいな物も元は食事として口に入れて食べるものが始まりでした。
その中で
『なんかこの葉っぱはすごい苦いけど食べると胃の調子が良くなったぞ』
とか
『この根っこを煮込んだ汁を飲んだら流行病が収まったぞ』
というところから発達したものなので食と薬というのはそういう意味でも東洋医学的には本当に紙一重のものなのです。
【食はその人をあらわす】
そんな食事ですが
『その人を見ればその人が何を食べているかわかる』
という言葉があるぐらい、食はその人を表します。
このnoteでも度々食事に関する情報を薬膳的な考え方などを織り交ぜてお届けしてきましたが、改めて日々の生活で『食養生』を活用することは健康的な生活を送る上でもっとも大切なことの1つです。
前回のフードファディズムの回でもお伝えしましたが、現在は様々なメディアで
『〇〇食べると〇〇病に良い』
という特集が組まれ
普段の会話の中でも
『〇〇はカラダに良いらしいね』
『〇〇食べてからお通じの調子が良いよ』
『〇〇がお肌に良いらしいよ』
など年齢に関係なく(高齢者の方がその割合は加速度的に増えますが)何を食べるとカラダに良いか、という話は常に話題に上がると思います。
僕らも友人とお酒を飲んでいるときなどに
『ワインはカラダに良い』
とか
『ビールよりもハイボールの方が痛風になりにくいからカラダに良い』
など
カラダに悪いお酒を飲みながらでも健康の話をしているという、なんとも笑ってしまうようなことも度々あります(笑)
また、僕は健康に関するセミナーでお話をよくしていますが、何のテーマで講演をしても必ずご質問をいただくことが
『〇〇症には何を食べたら良いですか?』
という質問です。
何か特定の物を食べてそれで疾患が改善すればそんな楽なことはないですが、ついついそれを求めてしまうのが人の性だと思います。
次回は僕らにとってもっとも身近な問題でもあり、健康の基礎となる食事について、僕なりの食養生のポイントをピックアップしてご紹介したいと思います。
そして、引っ張ってしまいましたが、今回のテーマである
『この世でもっともカラダに悪い食事とは?』
ということについてお届けしたいと思います。
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