漢方でスキンケア~肌は内臓の鏡~その8
僕への漢方相談の中でも多い相談の1つが婦人科のトラブルです。月経痛や更年期、不妊など様々ですがその中でも多いのが
『月経不順』いわゆる生理不順です。
本来であれば平均28日周期で起こるはずの周期が25日未満で来てしまったり、35日を超えて来てしまったりすると月経周期の異常と考えます。
人間ですからある程度のズレは仕方のないものです。諸説ありますが、僕は25日〜35日周期のあいだに入っていればそれほど気にしすぎなくても良いと思いますが、できるだけ通常周期プラス・マイナス3日間ぐらい、28日が通常周期の方なら短くて25日、長くて32日ぐらいにしておきたいものです。
生理周期は女性の健康とは切っても切り離せないもの。生理痛とともに悩みが多い症状の1つです。
月経周期が乱れてしまうと生活のリズムも乱れます。
安定した月経周期は良い排卵に繋がり、良い排卵は妊活中の方だけでなく、月経のあるすべての女性にとって健康に過ごすために大切なことなのです。
今回はお悩みの方も多い『生理不順の原因について』お話したいと思います。
生理不順が起こる原因は本当に様々ですが何かしらの原因でホルモンのバランスが乱れてしまい月経周期が乱れてしまうことが原因です。
すごく簡単に考えると問題は2つの場所にあると思います。
1つ目は排卵するための卵を育ててくれる『卵巣』に問題がある場合。
2つ目は卵巣に正常な排卵を促すように指示を出す『神経』に問題がある場合
3つ目は生理をしっかり起こすための『血』の流れに問題がある場合
すごく大雑把に分けるとこの3つに分けられます。
1)卵巣・腎にトラブルがある方の生理不順
漢方では卵巣の働きは『腎』という場所がつかさどると考えます。
そして指示をだす神経は『気の巡り』というものがつかさどると考えます。
腎という場所は精を蔵し、成長、発育、生殖をつかさどる、と考えられており、男性も女性も生殖能力と大きなつながりがあると考えられている場所です。
この腎は冷えや冬に弱るため、血液がたっぷりにないとキチンを機能しません。くしくも西洋医学的な『腎臓』が毛細血管の塊のような臓器で血流が非常に大切なのと近いですよね。
漢方では生理不順の場合はカラダ全体の調子を見ながらこの腎がよわっていれば腎を養う養生法をお伝えして、腎を養う漢方薬を処方したりします。
この腎、有名な話なので聴いたことあるかもしれませんが、女性は7の倍数で成長し、7×4の28歳を境に7の倍数で弱っていくと考えられています。
強い冷え性やむくみ、腰痛、婦人科系のトラブルが多い方、耳鳴りや髪の毛のトラブルなど腎の弱りのサインが生理不順以外でもある方は注意が必要です。
おすすめの症状法としては腎は冷えに弱いのでカラダを冷やさないことが大切です。食事や入浴、衣服など冷え性対策はよく目にすると思いますので基本的なことをご紹介しますが、ご自分の生活習慣で注意が必要なことがあれば気をつけておきましょう。
更年期の時期のようにほてりや多汗症などの熱っぽい症状がある方も腎の弱りが原因であれば根底には冷えがあることが多いので、注意しましょう。
☆腎を養う養生
・食べ物は海の物を多めに、海藻類、魚、貝類などを火を通して温かい状態でできるだけ食べましょう。黒い食材は腎を養うと言われます。
・あたたかい食事を
養生といえば必ずでてくる『温かい物』ですが、腎にはかなり重要です。温かいものを食べるのと同時に冷たいものは控えましょう。
・水分の過剰摂取にご注意を
腎はカラダの水はけを調節してくれます。腎は五臓六腑では膀胱とつながっていると考えられており、カラダの余計な水分を出す働きもあるので『水飲めブーム』と言われる水分をたくさん取ることを推奨する動きもありますが、腎が弱り水が出せないタイプの方はカラダに過剰な水分がたまりむくみや冷えなどに繋がりますので、喉が乾いたら少量ずつ飲むようにしましょう。
2)卵巣に指示を出す『神経・気の巡り』にトラブルがある生理不順
自律神経などの弱りがイコール『気の巡り』ではありませんが、気疲れや疲労、ストレスで自律神経が乱れてしまうとイメージとしては、脳から卵巣にちゃんとホルモンを出す指示が出なくなってしまい、生理周期が乱れます。
女性の方が環境変化やストレスで生理周期が乱れることがあるのはそのためです。
なので、生理不順になってしまった原因やキッカケをよく考えて、ストレス過多や環境変化がキッカケになっている方は漢方的『気の巡りを整える養生』を行って体調を整えましょう。
気の巡りを整える養生、実は前回のコラムでご紹介をしているので、そちらをぜひ参考にしていただきたのですが、繰り返しになってしまいますが、簡単にご紹介しますね。
☆卵巣にキチンと指示を出してもらうための気巡り養生
・ゆっくり微温浴
・日光浴
・深呼吸
・ゆっくりウォーキング
・香味野菜、ハーブ、柑橘類などの香りの良い食べ物
・ゆっくり読書
・趣味や楽しみに没頭する時間を作る など
3)月経を起こすための『血の巡り』にトラブルがある場合
卵巣も子宮も血液がたっぷり無いとちゃんと働いてくれない臓器だと漢方では考えますし、生理学的に考えても子宮や卵巣には良い血流が不可欠ということはすぐにわかると思います。
血の巡りが悪くなる原因は様々なので、ぜひ僕の以前のコラム『漢方的血行不良・瘀血について』のコラムをぜひご覧ください。
https://note.com/sawataya/n/nc6bc5e8b9c52
冷えて血流が悪くなる方
血が不足して流れが悪くなる方
食べ過ぎ飲み過ぎでゴミが多くて流れない方
ストレス過多で流れない方
など漢方では原因別で血の巡りを整えることが可能です。
それだけに養生も様々。冷えて流れの悪い方は腎で紹介した温め養生を、血の不足している方はタンパク質の豊富な食事と胃腸の強化を、食べ過ぎ飲み過ぎで流れが悪い方は運動と食事の節制を、ストレスで流れが悪い方、これも先程出てきた気の巡りの養生などを参考にしていただけたらと思います。
カラダの調子全体を見渡してみて『なぜわたしは血の巡りが悪いのかな?』ということを生理不順以外の付随する症状と複合的に考えると生理不順になってしまっている原因が少しわかると思います。
今回は生理不順についてお届けしました。
『月経不順』と効能効果で書かれている漢方薬ってたくさんありますよね。
大切なのは自分はどのタイプで月経不順なのか?ということを考えることです。
腎(生殖機能系)の弱りなのか?
気の巡り(神経系)の弱りなのか?
血(血行不良)の巡りの弱りなのか?
を良く考えて見ましょうね。
『そんなの自分ではよくわからない』
という方も多いと思います。
そのために漢方の専門家がいますので、興味がある方はぜひ一度漢方の専門家のいるお店で相談をしてみてください。
お近くに専門家のいない方や、僕とのご相談をご希望の方は遠方でもSkypeやお電話、メール等でご相談も可能ですので、下記のリンク等よりお気軽にご連絡くださいね。
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