若年化している尿トラブル・尿もれ・頻尿・前立腺肥大【山梨 漢方 さわたや薬局】
女性の尿トラブルの大きな原因『過活動膀胱とは?』
オシッコトラブルについての健康コラムをシリーズでお伝えしております。
今回は女性の方の尿トラブル原因で常に上位にあげられる「過活動膀胱」についてです。
過活動膀胱は「急に我慢できないような尿意が起こる」「トイレが近い」「急にトイレに行きたくなり、我慢ができず尿が漏れてしまうことがある」などの症状を示す病気です。
過活動膀胱には、脳と膀胱(尿道)を結ぶ神経のトラブルで起こる「神経因性」のものと、それ以外の原因で起こる「非神経因性」のものがあります。
(1)神経因性過活動膀胱(神経のトラブルが原因)
脳卒中や脳梗塞などの脳血管障害、パーキンソン病などの脳の障害、脊髄損傷や多発性硬化症などの脊髄の障害の後遺症により、脳と膀胱(尿道)の筋肉を結ぶ神経の回路に障害が起きると、「膀胱に尿がたまったよ」「まだ出してはいけないよ」「もう出していいよ」「膀胱を緩めるよ(締めるよ)」「尿道を締めるよ(緩めるよ)」といった信号のやりとりが正常にはたらかなくなります。その結果、膀胱に尿が少ししかたまっていなくても尿を出そうとしたり、「締める」「緩める」の連携がうまくはたらかなかったりして、過活動膀胱の症状が出るのです。
(2)非神経因性過活動膀胱(神経トラブルとは関係ない原因)
○骨盤底筋のトラブル
女性の場合、加齢や出産によって、膀胱・子宮・尿道などを支えている骨盤底筋が弱くなったり傷んだりすることがあります。そのために排尿のメカニズムがうまくはたらかなくなり、過活動膀胱が起こります。
○それ以外の原因
☆神経性頻尿(心因性の頻尿)
精神的な問題が原因で、頻尿や尿意切迫感が起こる場合があります。「トイレのことを心配すると尿意を感じる」、「緊張した時にトイレに行きたくなる」は、その一つの例です。また、寝ている時や、リラックスしている時には、症状が起こらないのが特徴です。問診や病院での検査で泌尿器の異常が認められないのも特徴です。
☆クスリの副作用が原因
他の病気の治療のために服用している薬の影響で、尿の量が増えるため、頻尿や夜間頻尿など過活動膀胱に似た症状が現れることがあります。
中枢神経に働く向精神薬、抗不安薬、筋弛緩薬
高血圧治療薬である利尿薬
抗不整脈薬であるβ受容体遮断薬
骨格筋に直接働く筋弛緩薬
消化管の運動を亢進させる薬剤であるコリン作動薬、コリンエステラーゼ阻害薬
これ以外にも原因が特定できない場合もあります。いくつかの原因が複雑にからみあっていると考えられています。
神経因性膀胱対策は原因別で対処を
このように神経因性膀胱は原因により神経のバランスを整えること、筋力をアップすること、ストレスを緩和することなど、様々です。ほとんどがカラダの弱り、漢方的には「未病」と言われる状態からの発病なので、しっかり対策をとれば予防も、症状を楽にすることも可能です。
次回からは漢方的尿トラブル対策法をご紹介したいと思います。
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