腸の健康〜こんなにあるのか腸の働き!〜【山梨 漢方 さわたや薬局】
☆改めて知っておきたい便秘の定義☆
今月は腸の健康について先月に続きお届けをしております。
『毎日お通じがないと便秘』そう思っている方は多いと思いますが、必ずしもそうではありません。
国際消化器病学会では『慢性便秘』の定義を以下のように定めています。
国際消化器病学会の便秘の定義
1)排便回数が週3回未満
2)硬便が排便時の25%以上(4回に1回以上は硬い便)
3)用指的排便(指や綿棒などを用いて強制的に排便させる行為)が25%以上
4)努責(排便時に強くいきむこと)、残便感、閉塞感がみられる頻度が25%以上
以上の症状が6ヶ月前から少なくとも3ヶ月で基準を満たす場合に慢性便秘としています。
裏返すと週に3回程度の排便でもすっきり感があり、残便感もなく、いきまずにスッキリと良い状態(いわゆるバナナ型などの大吉便・先月のウンチ占い参照)の便が出ていれば便秘とは言えなということなので『毎日でないと、あなた便秘よ〜!』と言うのは大きな間違いなので注意しましょう。
◇注意したい便秘の症状・たかが便秘と思わないで!◇
このような便秘の症状のときはすぐにご相談ください。
・最近急に便秘になってきた。
・変形した便が出るようになった。
・便に血がまじるようになった。
このようなときです。 このような場合は可能性は低くても、直腸癌の心配がありますので、急な便秘やそれにともなう症状があれば早めにご相談ください。
便に血が混じっている場合でも、『たぶん痔かな?』とほうって置かず、痔の治療をしばらく受けていないような場合は1度ご相談いただくほうが安全です。便がでなくなって、強い腹痛が出てきたとき、あるいは吐気が起こってきたときは腸閉塞(イレウス)の心配がありますので注意しましょう。
長期にわたって便秘が続いている場合は習慣性便秘や過敏性腸症候群のことが多いので、排便をスムーズにするために、食事や日常生活習慣の改善が必須です。便秘した原因によって必要な改善策が違うので、闇雲に下剤を服用したりするのはやめましょう。
安全と思われがちな酸化マグネシウム系の便秘薬も長期で服用を続けると高マグネシウム血症になったり漫然とした長期投与が問題になっています。市販薬でも最近はCMなどをよく見るので、こちらも下剤同様自己判断での長期服用にはご注意ください。
またいろいろな病気で医師の処方薬を定期的に服用している場合は薬の副作用で便秘になることがありますのでご相談ください。
次回は便秘と同じく腸の症状の代表格である『下痢』についてお届けします。
腸の健康に関する健康コラムはこちらからご覧いただけます。
腸の健康は体全体に影響を及ぼします。腸の健康相談のご希望の方お気軽にお問合せください。
薬局のHPはこちらから。