話題の『NO(一酸化窒素)』【山梨 漢方 温泉入浴指導員 沢田屋薬局】
【健康づくり支援 厚労省、認定制度導入へ】
厚生労働省が『かかりつけ薬局の機能強化』ということについて取り組んでいるのをご存知でしょうか?その内容は地域住民の健康相談に応じる薬局を『健康づくり支援薬局』(仮称)として認定して地域の健康拠点としていきたいというものです。それにより地域の健康促進をはかり医療費の抑制に繋げたいという思いがあるようです。
【医療は発達したが病人は全く減っていない現実】
今までは病院での治療、薬局に関しては処方箋調剤に関することを中心に行ってきた厚労省がにわかに『地域の健康相談』ということを言い始めました。
こうした問題に厚労省が取り組む背景は、これだけ医療が発達したにもかかわらず、入院や外来、歯科なども含めて患者数が減少していない、医療費が増え続けているという問題があります。
どれだけ検査の精度があがっても、手術の技術が向上しても、新しい薬が開発されても、病人が減らないことには医療費は削減できません。ジェネリック医薬品を使えと皆様のところにもハガキや電話が市役所から行っているかもしれませんが、全体的な医療費の割合を考えたら、ジェネリックにしたところで焼け石に水です。
むしろ、検査、薬、手術が増えていくことでどんどん医療費が膨れ上がっています。これに介護保険も入るわけですから削減に本腰を入れなければ本当に国の保険制度、医療制度、介護制度が破綻します。
【認定制度は当たり前の機能が失われている現在の薬局への警鐘】
そこで白羽の矢をたてられたのが『薬局』です。白羽の矢というよりも、そもそも薬局とはもともと地域の身近な医療を担う『健康よろず相談所』だったはずです。
現在ほど『何かあればすぐ病院』という風潮になる前、私は昭和50年生まれですが、私が幼いころの薬局はまだそんな場所だったと記憶しています。ちょっと体調が悪い時は『くすりやさんで聞いておいで』という感じで近所の薬局に行き相談して、市販薬で対応できるのか?医療機関を受診したほうがいいのか?生活上で注意することは何か?そんなアドバイスをしてきたのが薬局だったはずです。
医療機関への受診勧告は街の薬局の大きな役割の1つでした。しかし現在は、調剤しかできない調剤薬局や物販中心のドラッグストアなど相談を応需できる体制にない業態が薬局のほとんどをしめており、本来なら当然薬局に備わっているべき相談機能が失われている為、わざわざ認定という制度をとらなければいけないところに現在の薬局のおかれている立場が現れていますし、薬剤師や登録販売者の意識や薬業人としてのレベルとモラルの低下が見られます。そのため健康相談をしている薬局が目新しく見えるという逆転現象が起きてしまっているのです。すべての方が相談を望まれているわけではないですが、どこので相談してよいか?困っている方が圧倒的に多いのが現実だと思います。
【なぜ健康相談をする場所が薬局なのか?】
それでは以前はそのような機能を持っていたとはいえ、健康相談をする場所がなぜ薬局や薬店なのでしょうか。病院でもいいのではないかと思う方もいると思いますが、基本的には病院は『病気になってから行く所』です。99%の方は病気になってしまったり、具合が悪くなってから病院を訪れます。しかし薬局は具合が悪くなって薬を買いに行くところであると同時に、具合が悪くなくても、毎日服用する保健薬やスキンケア関連品、雑貨など健康な人も足を運ぶ場所ですから気軽に訪れることができるし、相談もしやすいので未然に病を防ぐきっかけを作りやすいのです。
次回もこのテーマでお伝えします。
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