イライラ対策は自分をわかってあげることが大事
【5月病対策の漢方ってあるんですか?】
前回に引き続き5月病についてお届けします。
5月病は、病院などで正式に使われる病名ではありません。
5月病・医学的には『気分障害』
前回もお伝えしたように、医学的には、新しい環境についていけないことで起きる精神疾患の『気分障害』や『不安障害』と診断されます。
この気分障害には抑うつ感が現れる『うつ病』暗いうつ状態と明るい躁状態を繰り返す『躁うつ病(双極性障害)』うつほど深刻ではないとされますが、長期にわたって不調がつづく『気分変調症』などがあります。
5月病の予防を考える際に大切なのは『どんな人が5月病になりやすいか?』といことです。これを知っておくことで、予防につながると思います。
5月病のタイプと漢方薬
1)元気不足タイプ
元気不足の人は要注意です。漢方の世界では気はすべての基本となるエネルギーのようなものと考えます。その気が少ない人『気虚』(ききょ)と呼ばれる状態の人は体力も無いので気疲れもしやすくストレスに対しての抵抗力が弱くなると考えます。このようなタイプへの代表的な方剤では『補中益気湯』などがあります。
2)気の巡りの悪いタイプ
元気不足の人と反対にこのタイプは『気』は十分にあるのですが、それがきちんと体の中をめぐらない、漢方的には、さまざまな理由で気の流れが滞ると精神的な症状が現れる『気滞』(きたい)と言われる状態ですが、これは詰まったような症状や張ったような症状を訴える方が代表的です。このタイプに使う代表的な方剤は『加味逍遥散』などがあります。
〜燃料不足タイプ?巡りの悪いタイプ?〜
たとえて言うならば『気虚』は燃料が無くて動かないタイプ。だから燃料(気)を補ってあげて改善していきます。『気滞』タイプは、燃料はあるがそれがちゃんとめぐらないので動かないタイプです。滞っているところを通してあげて、流れを良くして改善していきます。
『自分は疲れるとメンタルのバランスを崩しやすい』という方は他の原因もありますが、まず『元気不足か?』『巡りが悪いタイプか?』考えて見るとよいでしょう。
タイプに合っていない漢方は百害あって一利なし
最終的にお薬を選んだりするときはきちんと専門家に相談することをおすすめします。気虚や気滞の漢方薬は数え切れないほどあります。
体質や体調に合ったものを服用しないと、効果がないばかりか、逆に体調を崩す場合がございます。
燃料(気)不足なのに巡らす薬をつかったら、燃料がからの状態でエンジンばかり回してオーバーヒートしてしまいます。
また、燃料(気)はすでにいっぱいあるのに間違えて沢山補給したら溢れかえってしまいますよね?
漢方薬を『症状』だけで選ぶのはやめましょう
箱の裏書の症状で当てはまる症状があっても必ずしもその漢方薬が自分にあっているわけではないので、注意しましょう。
箱の裏書だけで選ぶのは絶対にやめましょう。弁証論治という方法で選ばないと失敗することが多々あります。
メンタルのお悩みには安定剤や向精神薬などに比べると非常に体にやさしい漢方ですが、それだけに正しいものを選びたいですね。正しい5月病対策で元気に春を乗り切りましょう。
さわたや薬局では体質や体調にあった漢方薬をご提案するだけでなく、その方にあった生活習慣の改善法、不調の原因をきちんとご説明いたします。お気軽にご相談下さい。
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