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沖田将人

動物診療のプロ

沖田将人(おきだまさと) / 獣医師

アレス動物医療センター

コラム

抱っこしてキャン といえば椎間板ヘルニア

2014年2月13日 公開 / 2014年4月28日更新

テーマ:犬の病気

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: ヘルニア 予防ヘルニア 症状

ミニチュアダックスフンドが日本で流行り、イヌの椎間板ヘルニアが非常にメジャーになった印象があります。

 もちろんダックスフンドだけの病気ではなく、シーズー、ペキニーズ、パグ、フレンチブルドッグ、チワワ、パピヨン、トイプードル、ビーグル、コーギー・・・と、あらゆる犬種で起こります。

 テレビの動物病院24時!みたいな番組でも、手術を受けたダックスフンドや、車いすに乗ったダックスフンドが映像として流れることも多いようです。

 そのせいでしょうか、犬の椎間板といえば、下半身不随というイメージが定着してしまいましたが、みんながみんなそのような重篤な症状で発症するわけではありません。
 もちろん治療せずに放置して悪化すれば、下半身不随にまで至ってしまうケースもありますし、ある日突然下半身不随にと急激に重度の症状で発症することもあります。

 ただ、下半身不随のような重篤な症状なにまで至る患者さんは全体の10%程度で、ほとんどの患者ささんはもっと軽い(そしてわかりにくい)症状です。

 どのような症状かというと、『抱っこしてキャン』です。

 ちょっと、抱っこして持ち上げようとしたら、キャン!!と鳴く(痛がる)、という症状が、非常によく見られます。
それ以外でも、部屋の片隅でじっとして、震えている。
 いつもは登り降りできる段差を登らない。

 などの症状もよく見られます。

 ただ、なかなかこの症状で椎間板ヘルニアを疑う飼い主様は少なく、様子を見てしまうことが多いのです。

 軽い症状なら薬などで治療できても、放置して悪化し、下半身不随にまで発展してしまっては、場合によっては手術が必要になることもあります。
 どんな病気もそうでしょうが、早期発見、早期治療が重要なのです。

 ダックスフンドを含めた、ほとんどの小型犬種が椎間板ヘルニアになる可能性があると考えたほうがよいでしょう。
 『抱っこしてキャン』という症状を見たら、持ち方が悪かったかな?などと様子を見ず、まずは主治医の先生に相談してみてください。

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沖田将人(アレス動物医療センター)

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