風俗の後日高額請求・不当請求|客ができる対処法
風俗店を利用した後に、警察署から電話がかかってきた。店やキャストとの間で揉めた覚えがある方もいれば、心当たりがはっきりしない方もいます。いずれの場合も、電話を受けた直後は「逮捕されるのか」「家族や会社に知られるのか」と考えが先に進みやすく、落ち着いて状況を確かめることが難しくなりがちです。
この記事では、警察から連絡が来た風俗トラブルについて、ご相談の場面や公開の法律相談サイトで多く見られる疑問を10問に絞り、回答をまとめました。いずれも一般的な考え方を示すもので、実際の見通しは連絡の内容や経緯、残っている記録によって変わります。
本記事は、2025年6月施行の改正刑法(懲役・禁錮の拘禁刑への一本化)を反映し、2026年11月時点の法令に基づいて記載しています。
連絡の意味と、電話を受けたときの対応
警察からの電話は、風俗店でのトラブルが原因なのでしょうか
警察から連絡が来る理由は一つではありません。風俗店の利用に関係する連絡に限っても、大きく分けると次のような場面が考えられます。
- キャストや店が被害を申告し、利用した客として事情を聞く必要がある場面。
- 店そのものが摘発や内偵の対象になっており、利用客に参考人として話を聞く場面。
- 店にいた他の客や従業員の事件について、関係者として確認したい場面。
公開の法律相談でも、派遣型の店を利用した後に警察署への同行を求められ、店で18歳未満の人が働いている疑いがあるとして調書を取られたという相談が見られます。このように、客自身が疑われているとは限らず、店に対する捜査の一環として話を聞かれることもあります。ただ、電話の段階では警察が用件を詳しく説明しないことも多いため、どの立場で呼ばれているのかは、確認できる範囲で確かめておくことが大切です。摘発の場面については利用した風俗・メンエスが摘発された|客も逮捕・事情聴取されるのかで、他の客の逮捕を知った場合については【風俗トラブル】店にいた他の客が逮捕されたと知った|自分に連絡が来る可能性で解説しています。
本当に警察からの電話なのか、確かめる方法はありますか
警察官を名乗る電話を使った詐欺の手口が広がっており、風俗トラブルの場面でも、店の関係者が警察の名前を出して支払いを迫ることがあります。警察からの連絡は、通常は警察署の代表番号や担当部署の番号など、発信元が分かる形で行われます。番号が表示されない、所属や氏名をはっきり言わない、電話口で示談金や振込の話が出るといった場合は、その場で応じず、いったん電話を切ることを考えてよいでしょう。
確かめるときは、相手が名乗った警察署の代表番号を自分で調べてかけ直し、担当者の部署と氏名を伝えて取り次いでもらう方法が確実です。電話で教えられた番号にそのままかけ直すと、相手の用意した番号につながるおそれがあります。
電話口では、どこまで話してよいのでしょうか
電話の段階で、事件の中身を詳しく話す必要はありません。電話では、次の点を確認して書き留めておくことを優先します。
- 担当者が所属する警察署・部署と氏名。
- 連絡先の電話番号。
- 用件として説明された内容と、自分がどの立場で呼ばれているか。
- 出頭を求められた日時と場所、持参するよう言われた物。
経緯の説明は、記憶を整理してから取調べの場で行えば足ります。電話口で思いついたことを話すと、記憶違いのまま記録に残り、後で訂正しにくくなることがあります。確認の手順は「警察から電話が来た」|折り返す前に確認したい3つのことでも整理しています。
呼び出しと逮捕についての疑問
呼び出しに応じなかったり、日程を変えてもらったりしてもよいのでしょうか
逮捕されていない段階の出頭の求めは任意のもので、刑事訴訟法198条1項ただし書は、逮捕・勾留されていない被疑者は出頭を拒むことができ、出頭した後もいつでも退去できると定めています。とはいえ、正当な理由なく呼び出しに応じない状態が続くと、逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとみられ、逮捕状の請求が検討される事情の一つになりかねません。
仕事や家庭の事情で指定の日に行けない場合は、連絡を絶つのではなく、担当者に連絡して別の日を相談するのが現実的です。日程の調整に応じてもらえることは多く、弁護士から調整の連絡を入れることもできます。詳しくは警察からの呼出しの日程は調整できるのか|仕事との両立をご覧ください。
呼び出されたということは、逮捕されるのでしょうか
呼び出しを受けたことが、そのまま逮捕を意味するわけではありません。逮捕には、罪を犯したと疑うに足りる相当な理由に加え、逃亡や証拠隠滅のおそれといった逮捕の必要性が求められ、刑事訴訟規則143条の3は、明らかに逮捕の必要がないときは裁判官が逮捕状の請求を退けなければならないと定めています。住所や勤務先がはっきりしていて、呼び出しにも応じている場合には、身柄を拘束せずに捜査を進める在宅事件として扱われることも少なくありません。
一方で、申告された内容が重い場合や、被害を訴えた人への接触が心配される場合には、逮捕される可能性も否定できません。逮捕された場合、警察での48時間、検察官のもとでの24時間を経て、勾留が認められれば原則10日、延長されるとさらに最大10日の身体拘束が続くことがあります。分かれ目となる事情は逮捕されるケースと逮捕されないケースの分かれ目|通報から立件までに何が起きるかと在宅事件と身柄事件の違い|風俗トラブルで逮捕を避けるための弁護活動で解説しています。
取調べについての疑問
取調べでは何を聞かれ、どのように答えればよいのでしょうか
風俗トラブルの取調べでは、利用した日時と店、相手とのやり取り、行為の内容、相手の様子、店の担当者との話の経過などを、時間の流れに沿って細かく聞かれることが一般的です。特に、同意の有無や撮影の有無といった点は、どの罪が問われるかに直結するため、繰り返し確認されることがあります。
取調べを受ける人には、自分の意思に反して供述しなくてよい権利があります(刑事訴訟法198条2項)。また、作成された供述調書は読み聞かせや閲覧で内容を確かめ、誤りがあれば訂正を求めることができ、納得できなければ署名・押印を断ることもできます(同条4項・5項)。記憶があいまいな部分を推測で補わず、覚えていないことはそのまま伝える姿勢が大切です。取調べの注意点は「認める調書」を作られないために|風俗トラブルの取調べ対応の注意点に、黙秘の考え方は黙秘したほうがよいのか|黙秘の効果とリスクの整理にまとめています。
身に覚えがない場合でも、取調べに行くべきでしょうか
身に覚えがない場合も、呼び出しを放置するより、事実関係を説明する機会として取調べに応じたほうが、結果として手続が早く落ち着くことがあります。公開の法律相談でも、利用後に店から「本番を強要された」と言われ、否定したまま連絡が途絶えたという相談が見られますが、このような場合でも、時間が経ってから警察から連絡が来ることはあり得ます。
否認する場合は、説明が途中で変わると信用性を疑われやすいため、話す前に利用の経緯を時系列で整理し、店やキャストとのメッセージ、予約や支払いの記録を残しておくことが役に立ちます。口の中の細胞など身体からの資料の提出を求められることもありますが、令状がない限り、応じるかどうかは任意です。扱いについては身体からの資料採取を求められた場合|任意採取と令状をご覧ください。
家族・会社・示談についての疑問
警察から家族や会社に連絡がいくことはありますか
在宅で捜査が進む場合、警察が本人の了解なく家族や勤務先に事件の内容を伝えることは、一般的ではありません。ただ、連絡先として自宅の固定電話を伝えている場合や、郵便物が自宅に届く場合に、家族が気づくことはあります。また、捜査の必要から勤務先に捜査関係事項照会が届くことや、逮捕されて出勤できなくなることで、会社に事情が知られる場合もあります。
家族や会社への影響が心配な場合は、連絡先として自分の携帯電話を伝える、弁護士を窓口にするといった方法を早めに検討しておくと安心です。会社との関係は逮捕されたら会社・学校に連絡はいく?勾留と身分への影響と【刑事事件】会社に捜査関係事項照会が届いた|従業員として知っておくことで解説しています。
店やキャストと示談すれば、警察の手続は終わるのでしょうか
示談が成立すると、キャストが被害届を取り下げたり、処罰を求めない意思を示したりすることがあり、検察官が処分を決める際に考慮される重要な事情になります。ただし、性犯罪は2017年の刑法改正で告訴がなくても起訴できる罪(非親告罪)とされ、2023年の改正で設けられた不同意性交等罪や不同意わいせつ罪も同じ扱いです。示談が成立したからといって、手続が自動的に終わるとは限りません。
また、店の担当者とだけ話をまとめても、被害を訴えている本人の意思が書面に反映されていなければ、刑事手続の上では十分な意味を持たないことがあります。捜査が始まった後の示談は、誰と、どのような内容で合意するかを慎重に組み立てる必要があります。詳しくは示談が成立しても処分が残る場合|示談=不起訴ではない理由と【風俗トラブル】示談金を払ったのに被害届を出された|合意の効果と刑事手続をご覧ください。
弁護士への相談についての疑問
弁護士には、いつ相談すればよいのでしょうか
警察から連絡が来た段階、できれば最初の取調べを受ける前に相談しておくと、選べる対応の幅が広がります。取調べで作られた調書は後の手続で証拠として扱われるため、何をどの順で説明するかを事前に整理しておく意味は大きいといえます。
弁護士に依頼した場合、主に次のような対応が考えられます。
- 呼び出しの理由と今後の見通しの検討。
- 出頭日程の調整や、警察署への同行。
- 取調べでの受け答えについての事前の助言。
- 被害を訴えている人や店との示談交渉。
- 身柄の拘束を避けるための意見書の提出など、捜査機関への働きかけ。
なお、取調べの場に弁護士が立ち会うことは、現在の実務では一般に認められていませんが、取調べの前後や合間に助言を受けることはできます。また、本人が被害を訴えている人に直接連絡を取ると、働きかけとみられて不利になるおそれがあるため、示談の申し入れは弁護士を通じて行うのが基本です。【刑事事件】警察から電話が来た段階で弁護士に相談する意味と性犯罪の示談交渉を弁護人に任せる意味|本人が連絡してはいけない理由もあわせてご覧ください。
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警察から連絡が来たら、まず事実を整理するところから
警察から連絡が来た風俗トラブルでは、電話を受けた直後の受け答えや、最初の取調べでの説明が、その後の見通しに影響することがあります。慌てて店に連絡を取ったり、記憶があいまいなまま説明を始めたりする前に、どの立場で呼ばれているのかを確かめ、手元の記録を整理しておくことが、落ち着いて手続に向き合うための第一歩になります。
同じような状況でも、経緯や残っている記録によって取れる手段は変わります。どこから手をつければよいか判断がつかない段階でも、事実を整理するところからご一緒できます。
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