職業安定法違反(スカウト)と客の関係|紹介を受けた場合
デリバリーヘルスの利用中に本番行為に及んだ依頼者が、当日のうちに警察署からの連絡を受け、後日キャスト側から総額150万円の支払いを求められた事案です。弁護士が警察への状況確認と店舗側との交渉を進めた結果、約半額の解決金75万円で示談が成立し、刑事事件化することなく解決しました。
ご相談の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ご相談者 | Aさん(会社員男性) |
| ご相談のきっかけ | デリバリーヘルス利用時に本番行為に及んだ当日の夜、警察署から携帯電話に着信があった |
| ご相談内容 | キャスト側から総額150万円の支払いを求められ、刑事事件化への不安から相談 |
| 解決結果 | 解決金75万円で示談が成立し、刑事事件化することなく終結 |
ご相談までの経緯
依頼者は会社員の男性で、デリバリーヘルスの利用時にキャストとの間で本番行為(性交)に及び、キャストの同意がないまま体内で射精する結果となりました。キャストは抗議し、店舗からも依頼者に連絡が入るなど、その場でトラブルとなりました。
さらに同日の夜、警察署から依頼者の携帯電話に着信がありました。応答はできなかったものの、依頼者は刑事事件として捜査が進むのではないかと不安を抱き、同日中に当事務所へご依頼いただきました。
弁護士の対応と交渉の経緯
受任当日の夜から弁護士が対応を開始しました。店舗の責任者へ連絡しましたが、店舗側は交渉に応じない姿勢を見せました。並行して警察署にも連絡し、店舗側から相談があり事情を確認するために依頼者へ電話をかけた経緯を把握しましたが、被害届が提出されているかどうかについては回答を得られませんでした。
キャスト本人と直接連絡を取る手段がない状況で、店舗側への接触を重ねることはかえって事態を悪化させるおそれがありました。そこで、警察署への状況確認を続けながら静観する方針を取り、約1ヶ月ごとに依頼者へ状況を報告しました。約2ヶ月にわたり、警察・店舗のいずれからも新たな動きはありませんでした。
その後、キャスト側から当事務所へ連絡があり、交渉が始まりました。キャスト側は性行為への同意についても争う姿勢を示したうえ、性感染症に罹患しその原因が依頼者との行為にあるとして、総額150万円の支払いを求めました。依頼者が医療機関で検査を受けたところ性感染症は陰性でしたが、因果関係を正面から争えば被害届の提出など刑事事件化のリスクが高まりかねない状況でした。
そこで、事実関係をめぐる主張の対立には深入りせず、金額の交渉に注力した結果、請求額の約半額となる解決金75万円で合意に至りました。相手方から本人確認書類の提出を受けたうえで合意書を取り交わし、解決金の支払いを完了。キャスト側からの連絡から約1ヶ月、受任から約3ヶ月で、刑事事件化することなく事件は終結しました。
解決結果と対応のポイント
本件では、次のような結果と対応のポイントが挙げられます。
- 総額150万円の請求に対し、約半額の解決金75万円で示談が成立したこと。
- 相手方の本人確認書類の提出を受けたうえで合意書を締結し、紛争を終局的に解決したこと。
- 警察署から着信があった事案でありながら、刑事事件化に至ることなく解決したこと。
- 受任当日の夜から弁護士が店舗・警察署へ連絡するなど、初動から迅速に対応したこと。
同種のご相談をお考えの方へ
風俗店での本番行為をめぐるトラブルの中でも、本件のように警察が関与している事案は、特に慎重な対応が求められます。性行為自体に同意があった場合でも、同意のない体内射精や避妊への非協力は、不法行為として損害賠償の対象となり得るほか、事情によっては不同意性交等罪の成否が問題となる可能性も否定できません。
警察から連絡があった場合には、初動の対応が重要になります。弁護士であれば、警察へ連絡を取って経緯を確認し、被害届の提出状況などを見極めながら方針を立てることができます。一方で、焦って相手方への接触を重ねることが、かえって事態を悪化させる場合もあります。本件でも、あえて静観する期間を置いたことが、その後の交渉につながりました。
また、性感染症への罹患が主張される事案では、まずご自身も検査を受けて事実関係を確認することが大切です。そのうえで、因果関係を徹底的に争うことが常に得策とは限りません。争いを深めることによる刑事事件化や長期化のリスクを踏まえ、適正な金額での早期の示談を選ぶことが、結果として依頼者の利益にかなう場合があります。
風俗店の利用をめぐるトラブルで警察から連絡があった方、高額な金銭を請求されてお困りの方は、対応を誤る前に、できる限り早い段階で当事務所までご相談ください。


