JKビジネス・パパ活で相手が18歳未満だったら|客に問われる刑事責任のすべて
風俗店の利用をきっかけにトラブルになったとき、頭に浮かぶ疑問はだいたい似ています。「逮捕されるのか」「いくら払えば終わるのか」「弁護士に頼むといくらかかるのか」「家族や会社に知られてしまうのか」――この4つです。
ところが、いざ調べようとすると、罰金の話、示談の話、逮捕の話がバラバラのページに散らばっていて、自分の状況にどれが当てはまるのかが分かりにくい。不安なまま夜を越し、その間に「今日中に払え」と言われて判断してしまう。そうした流れで相談に至る方が少なくありません。
そこでこのコラムでは、性風俗を利用した男性(客側)の立場から、実際に多い質問を20問にまとめました。各回答は「まず何を確認すればよいか」に絞っています。個別の論点を詳しく知りたい場合は、それぞれのテーマ別コラムをご覧ください。
この記事の使い方|トラブルは「2つの流れ」に分かれている
20問を読む前に、ひとつだけ前提を共有させてください。風俗トラブルは、性質の異なる2つの流れが同時に進むことがあります。
- 刑事の流れ……警察・検察が動く話。被害届、取調べ、逮捕、起訴・不起訴といった手続きが進みます。決定権を持つのは捜査機関や裁判所です。
- 民事(お金)の流れ……店やキャストからの請求の話。罰金・違約金・示談金・慰謝料といった名目で金銭を求められます。決定権を持つのは当事者同士です。
この2つは別物です。店にお金を払っても刑事の流れが当然に止まるわけではなく、逆に刑事で不起訴になっても民事の請求が自動的に消えるわけでもありません。唯一つながるのが「被害者本人との示談」で、被害弁償と処罰感情が刑事処分の判断材料になります。
「自分が今どちらの話をされているのか」を意識しながら読み進めると、以下の20問は整理しやすくなります。
第1章|逮捕・刑事手続についての質問(Q1〜Q5)
Q1. 風俗店を利用しただけで逮捕されることはありますか?
利用したという事実だけでは、客側が罪に問われるのが原則的な想定ではありません。
売春防止法は売春・買春のいずれも禁止していますが、行為そのものに罰則を設けていません。同法が処罰対象としているのは、勧誘、周旋(あっせん)、場所の提供、管理売春といった行為で、これらは主に売る側や店側に向けられたものです。
ただし、これは「何をしても大丈夫」という意味ではありません。相手が18歳未満だった場合(児童買春)や、相手の同意がない性的行為があった場合は、客側が処罰対象となる別の法律の問題になります。年齢と同意は、客側にとって最も大きな分かれ目です。
なお、買う側の処罰規定を設けるかどうかについては、法務省の有識者検討会で議論が続いている段階です(2026年7月時点で結論は出ていません)。
Q2. 店から通報されました。必ず逮捕されるのでしょうか?
通報されたことと逮捕されることはイコールではありません。
逮捕は、法律上の要件を満たし、裁判官の令状審査を経て行われるもので、逃亡や証拠隠滅のおそれといった「逮捕の必要性」が検討されます。実際には身柄を拘束せずに捜査が進む「在宅事件」として扱われることも珍しくありません。
一方で、在宅だからといって軽い扱いというわけでもありません。在宅事件には処分決定までの法定の期限がなく、数か月から1年以上かかることもあります。連絡が途絶えている期間があっても、それは終わったという意味ではない点に注意が必要です。
Q3. 逮捕された場合、何日くらい拘束されますか?
身柄事件では、逮捕から起訴・不起訴の判断まで最長で23日間という枠組みが定められています。
内訳は、逮捕から48時間以内に検察官へ送致、送致から24時間以内かつ逮捕から通じて72時間以内に勾留請求、勾留は原則10日で、やむを得ない事由があるときは最長10日の延長、という構造です。
拘束される期間が長いこと自体が問題ですが、期限が区切られている分、見通しは立てやすいという面もあります。期限のない在宅事件とは、時間の流れ方が大きく異なります。
Q4. 警察から「話を聞きたい」と電話がありました。行かなければどうなりますか?
任意の出頭要請に強制力はありませんが、正当な理由なく応じない状態が続くと、逮捕の必要性が高いと評価される方向に働くおそれがあります。
日程の調整を申し出ること自体は問題ありません。難しいのは、行くか行かないかよりも「行った先で何を話すか」です。取調べでは供述を拒むことができ、調書の内容が自分の記憶と違えば署名・押印を拒むこともできます。これらは法律上認められた権利です。
その場の空気で、事実と違う内容の調書に署名してしまうと、後から覆すのは容易ではありません。出頭前の段階で相談しておく意味は、ここにあります。
Q5. 不起訴になれば前科はつきませんか?
不起訴処分であれば前科はつきませんが、捜査を受けた記録(前歴)は残ります。
前科は有罪判決が確定した場合の記録で、履歴書の賞罰欄や一部の資格制限に関わります。前歴は捜査機関内部の記録で、一般に公開されるものではありません。
注意しておきたいのは、罪名によって「不起訴か、正式裁判か」という構造が変わる点です。不同意わいせつ罪・不同意性交等罪には罰金刑の定めがないため、起訴された場合は略式命令ではなく公判請求となります。示談交渉の重みが増すのは、この構造が背景にあります。
第2章|示談・お金の請求についての質問(Q6〜Q10)
Q6. 店から「規約違反なので罰金100万円」と言われました。払う義務はありますか?
「罰金」は刑罰の名称で、私人である店が科すことはできません。実体は違約金や損害賠償の請求です。
名目が誤っているからといって、支払義務がまったく生じないと即断することもできません。検討すべきは、おおむね次の4点です。
- 事前に合意した内容があるか(利用時の同意事項など)
- 金額や内容が相当と言えるか(著しく過大な定めは公序良俗違反として効力が問題になり得ます)
- その場の合意に任意性があったか(強迫を受けた状態での意思表示は取消しの余地があります)
- 店側に実際の損害が生じているか
いずれも、その場で判断できる性質のものではありません。提示された金額は「請求額」であって、「支払義務が確定した額」ではないという点だけは、押さえておいてください。
Q7. その場で示談書にサインしてしまいました。もう覆せませんか?
いったん成立した合意を覆すのは簡単ではありませんが、検討の余地がなくなるわけでもありません。
示談書は法律上の和解契約にあたり、当事者を拘束します。そのうえで、事実と異なる内容が書かれている場合、合意の前提を誤っていた場合、強迫を受けた状態での署名だった場合、金額や条件が著しく相当性を欠く場合には、効力を争える可能性があります。
大切なのは、サインした書面の控えを手元に残すこと、そして当時のやり取りの記録を消さないことです。争えるかどうかは、その材料が残っているかに左右されます。
Q8. 店に示談金を払いました。これでトラブルは終わりますか?
店に支払っても、被害を受けたとされる本人との清算が成立したことにはなりません。
示談は当事者間の合意です。店と交わした書面の清算条項は、原則としてその書面の当事者に及ぶもので、キャストやセラピスト本人が当事者になっていなければ、後日、本人から改めて請求や被害届が出される可能性が残ります。
また、店が本人に代わって慰謝料の交渉・受領を行うことは、弁護士法が禁じる非弁行為にあたる可能性が指摘されています。実際に2026年2月、風俗店の店長らが弁護士法違反の疑いで逮捕されたと報じられました。誰と、何について合意しているのかは、金額よりも先に確認すべき点です。
Q9. 示談金の相場はいくらくらいですか?
行為の内容によって幅がありますが、公開されている解決事例からは、身体に触れた事案でおよそ30万〜150万円、盗撮で30万〜150万円、本番トラブルで50万〜300万円程度が一つの目安とされています。
幅が広いのは、態様、反復性、相手方が受けた影響(退職や通院の有無)、画像・動画の有無、処罰感情といった要素で大きく動くためです。当初200万〜300万円といった金額を提示されること自体は珍しくありませんが、それがそのまま支払義務の額になるわけではありません。
なお、相場論が意味を持つのは「被害者本人への賠償」の話であって、店からの罰金・違約金請求は、相場の前に支払義務の有無から検討することになります(Q6)。
Q10. 示談が成立すれば、不起訴になりますか?
示談は不起訴を判断するうえで重要な材料になりますが、成立すれば必ず不起訴になるという関係ではありません。
性犯罪は2017年の改正で非親告罪となっており、告訴の取下げや示談があっても、検察官が起訴できる建て付けは残ります。検察官は、事案の性質、態様、被害の程度、被害弁償や処罰感情といった事情を総合して処分を決めます。
そのため実務では、被害弁償に加えて、処罰を求めない意思(宥恕)を示す条項を入れられるかが焦点になります。もっとも、その条項があれば結論が決まるというものでもありません。
第3章|費用・弁護士への依頼についての質問(Q11〜Q15)
Q11. 弁護士に依頼すると、費用はどのくらいかかりますか?
まず押さえていただきたいのは、「弁護士に払う費用」と「相手に払う示談金」は別枠だということです。
弁護士費用は一般に、相談料、着手金、報酬金、日当、実費で構成されます。着手金は依頼時点で発生し、結果によって返還されないのが通常です。報酬金は成果に応じて発生します。
2004年に報酬基準が撤廃されて以降、金額は事務所ごとに異なります。相談の際は、内訳、追加費用が生じる場面、分割の可否、無料相談の範囲を確認しておくと、見込み違いを避けやすくなります。
Q12. 示談金を一括で用意できません。分割は可能ですか?
分割自体は交渉次第で可能ですが、その前に「誰に払う話か」「その額に義務があるか」を確認する順序が重要です。
資金面の選択肢としては、減額交渉、頭金+短期の分割、被害弁償、供託といった段階があります。一括に比べると、分割は刑事処分への影響が限定的になりやすいと言われます。
風俗トラブル特有の事情として、分割にすると完済まで氏名・住所・勤務先といった情報が相手の手元に残り続けます。総額を抑えて一括で完結させるほうが結果的に負担が小さい場合もあり、金額だけで比較しないほうが安全です。
Q13. 弁護士を立てず、自分で交渉してもよいのでしょうか?
法律上、本人が自分で交渉することは可能です。ただし、風俗トラブルでは避けたほうがよい場面がいくつかあります。
刑事の対象となり得る事案で被害者本人に直接連絡を取ることは、それ自体が新たな問題として評価されるおそれがあります。連絡は捜査機関を通すのが原則です。
また、深夜の架電や職場への連絡を伴う交渉では、冷静な判断が難しくなります。代理人が窓口になると、やり取りが書面に残り、期限の管理もしやすくなります。相手方が弁護士を名乗っている場合は、その資格自体を確認する余地もあります。
Q14. 相談するとしたら、どのタイミングがよいですか?
早い段階ほど、選べる手段が多く残っています。ただし「早ければ良い結果になる」という単純な話でもありません。
その場で払う、サインする、身分証を渡すといった行為は、いったん済んでしまうと後から動かしにくくなります。逆に、まだ何も確定していない段階であれば、支払義務の有無を検討する、窓口を一本化する、記録を整えるといった選択肢がそのまま残ります。
「まだ何も起きていないから相談しづらい」と感じる方が多いのですが、何も起きていない段階こそ、打てる手が最も多い時期です。
Q15. 相談では何を聞かれますか?何を持っていけばよいですか?
聞かれるのは主に「いつ・どこで・誰と・何があったか」「相手から何を、いつまでに求められているか」「これまでに何をしたか」の3点です。
持参いただくと話が早いのは、店やキャストとのやり取り(メッセージ・着信履歴)、署名した書面の控え、振込やATMの記録、店名や源氏名などの手がかりです。記憶が曖昧な部分は、曖昧なまま伝えていただいて構いません。
なお、自分に不利な事実こそ、隠さずに伝えていただくほうが結果的に有利に働きます。弁護士には法律上の守秘義務があり、相談内容を外部に伝えることはできません。
第4章|秘匿・生活への影響についての質問(Q16〜Q20)
Q16. 家族に知られずに解決することはできますか?
「知られない権利」が法律で保証されているわけではありません。できるのは、伝わる経路と時期を選べる幅を広げることです。
弁護士に依頼する場合、郵便の送付先や封筒の表記、電話の時間帯や連絡手段、来所の日程などについて希望を伝えることができます。一方で、裁判所や捜査機関から届く書類の宛先までは変えられません。
なお、勾留された場合の通知は、弁護人がいれば弁護人に対して行われ、弁護人がいないときは配偶者や親族などのうち本人が指定する者一人に通知するという構造が刑事訴訟法に定められています。ただし、最長23日間の不在そのものを隠すことは現実には困難です。
Q17. 会社に知られてしまう可能性はありますか?
警察から民間企業へ連絡が行くことは原則としてありません。実際に問題になるのは、それ以外の経路です。
典型的なのは、身柄拘束による長期の欠勤、逮捕時を中心とした報道、そして店側が身分証のコピーから勤務先を把握しているケースです。
私生活上の行為を理由とする懲戒処分は、就業規則の根拠があり、企業の社会的評価を著しく低下させるおそれがある場合に有効とされやすい一方、事案が軽微であったり、不起訴で報道もされなかったりした場合には、処分が無効と判断された裁判例もあります。「知られた=直ちに失職」という単純な関係ではありません。
Q18. 実名で報道されることはありますか?
報道されるかどうかを事前に確約できる制度はありません。
実務上、報道は逮捕の時点に集中する傾向があります。逆に言えば、身柄拘束に至らなかった事案では報道されないことも多くあります。ただし、事件の性質や社会的関心によって扱いは変わるため、一律の見通しを述べることはできません。
いったん報道されると、検索結果として残り続ける問題も生じます。削除の可否は、その内容や経過年数によって判断が分かれます。
Q19. 「家族と職場にバラす」と言われています。これは犯罪ではないのですか?
告知をほのめかして金銭を求める言動は、脅迫罪や恐喝罪の問題になり得ます。ただし、直ちにそう評価できるとは限りません。
被害を受けたとされる側が賠償を求めること自体は、正当な権利行使です。問題になるのは、その手段が社会通念上許される範囲を超えている場合で、深夜の連続架電、根拠のない高額請求、即日支払いの強要といった事情が積み重なると、評価は変わってきます。
すぐに録音やメッセージを保存し、自分から消さないでください。この記録は、支払義務を争う場面でも、警察に相談する場面でも、そのまま材料になります。
Q20. スマホのデータや履歴は消しておいたほうがよいですか?
消さないでください。証拠隠滅と評価されるおそれがあり、多くの場合、逆効果になります。
削除したデータが復元されることは珍しくなく、削除という行為自体が、逃亡・証拠隠滅のおそれの判断や量刑の場面で不利に働く可能性があります。
そして実務的には、そのデータが自分を守る材料であることが少なくありません。何を言われたのか、いつ何を求められたのか、自分がどう応じたのか――記録が残っているかどうかで、主張できる範囲は大きく変わります。
20問に共通する3つの原則
最後に、質問の種類を問わず共通する点を挙げておきます。
1. その場で確定させない
支払い、署名、身分証の提示は、いったん済んでしまうと後から動かしにくくなります。「今日中に」と期限を切られる場面ほど、持ち帰る意味があります。
2. 記録を消さない
やり取り、書面の控え、入出金の記録は、自分の主張を支える材料でもあります。都合が悪いと感じるものも含めて、そのまま残してください。
3. 一人で抱え込まない
風俗トラブルは、性質上、身近な人に相談しにくい問題です。だからこそ、判断材料が足りないまま結論を出しがちになります。まだ何も決まっていない段階での相談が、選択肢を残すことにつながります。
「知られたくない」という気持ちが判断を急がせる――これが、この分野で最も多い失敗の形です。急がされていると感じたときこそ、いったん立ち止まっていただければと思います。


