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関博文

不動産の幅広いニーズに応える不動産総合管理業者

関博文(せきはくぶん) / 不動産コンサルタント

有限会社創発コーポレーション

コラム

東京都杉並区内で起きた既存マンション容積率不足の摩訶不思議

2017年5月18日

テーマ:管理組合業務代行

コラムカテゴリ:住宅・建物

WEB雑誌に東京都杉並区内のマンションで容積不足になった記事を見かけた。容積不足になった理由はマンション敷地3000㎡の内、1700㎡が借地であったが、所有者の経済的破綻で当該土地の底地が競売に出され、不動産会社が取得し、その土地の一部420㎡を転売され、戸建て住宅が建築されたためとの事であった。
戸建て住宅の建築確認を交付したのは民間の検査機関であったそうだが、記事を読むにつれて可笑しい事に気が付いた。既存マンションが容積不足に陥ったことは、敷地3000㎡に対する建築時には許容容積率を全部使用して余剰容積率がないと思われたからだ。
記事では民間の検査機関が特定行政庁に提出した戸建て住宅の概要書で既存マンションの容積率が不足してしまう事に杉並区役所は気が付いて不動産業者に二度に亘り勧告し、民間の検査機関に建築確認の交付を保留するように指示したとの事であった。しかし、底地を取得した不動産会社は勧告を無視して420㎡の土地を関連会社に売却し、その後に戸建て住宅販売会社に売却し、その同販売会社は民間の検査会社に戸建て住宅建築確認を申請して建築確認の交付を受け、戸建て住宅6棟を完成した。この時に民間検査会社は住宅設計は適法であったとの判断で建築確認を交付したとの事だが、既にマンション建設で使用してしまって容積率がない土地なのに適法と言う判断は何処から来たのか理解できない。この様なことが認められるならば、マンションの敷地を分筆してそこに新たに別な建物を建築することは可能となってしまう。勿論、容積率が残っている場合にはその範囲で建築するのは問題ないと思われるが、容積率不足と指摘された既存マンションなので、当然に敷地分割しても建物を建築できる容積は残されていない筈だ。何が適法として民間検査機関が建築確認を交付したのか理解に苦しむ。

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