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谷光高

ゴルフの楽しさを多くの人に伝えるゴルフ場経営者

谷光高(たにみつたか) / ゴルフ場経営者

新有馬開発株式会社(有馬カンツリー倶楽部)

コラム

その名も『Club-Throwing Tournament(クラブ投げトーナメント)』

2015年4月26日 公開 / 2019年1月2日更新

テーマ:ゴルフの歴史やエピソード

コラムカテゴリ:趣味

ゴルフマナーについて、様々な書籍からネタを探していたところ、前代未聞のトーナメントが1936年アメリカのアトランタで開催されていたという内容を目にしました。
そのトーナメントについて、他の書籍や資料やインターネットなどで、他にも記述があるかどうかを探したのですが、全くみつからず、本当に開催されたかどうかは何とも言えませんが、紹介したいと思います。

1936年開催「クラブ投げトーナメント」

ゴルフのエチケットマナーやペナルティーと全く無縁、厳しい掟など全部きれいサッパリ忘れて、思い思いのフォームで自由奔放にクラブを放り投げる、その名も『Club-Throwing Tournament(クラブ投げトーナメント)』が、1936年アトランタにあるドルイド・ヒルズ・ゴルフクラブで催されました。

この破天荒なトーナメントは、当時クラブの所属プロだったハリー・スティーブンスによって発案されたものでした。
『荒れ狂うゴルファーへの戒めのためにも、クラブを投げるという行為がいかに不恰好かを知ってもらう競技をやりたい』という想いから開催実現へとつながったそうです。
トミー・ボルト投げ
こうしてバカバカしいトーナメントが大真面目に開かれることになりました。
そんなスティーブンスの想いをよそに、試合当日には、60人以上ものプロ・アマ問わぬ腕に自慢?の選手たちが特設ティーに集合しました。
この大会の噂を聞きつけたクラブ・メンバーやゴルフ場従業員などの野次馬が大勢詰めかけて、ティーの周りはマスターズを思わす盛況ぶりだったそうです。

どのクラブが一番飛んだ?

ところが、いざ本番となるとなかなか思うようにクラブが飛びません。
最初、選手たちは一応にドライバーを手にしていましたが、あれこれ試してみるうち、アイアンの方がウッドより遠くに飛ぶこと、さらにはパターの方がもっと遠くに飛ぶことが分かってきました。
クラブ投げ
槍投げ、ハンマー投げ、ブーメランといろんな投げ方が試されましたが、ぐるぐる回転させてパっと手を放すのが一番距離を稼げることも分かりましたが、ただし方向性が悪く、クラブハウスのベランダまで飛ばした選手もいたそうです。

競技の結果

さまざまな競技の結果、【高さの部】では、ピッチングウェッジが高さ25mの木の上5mまで舞い上がったジュリアス・ヒューズ氏が優勝しました。
【距離の部】では、右利きのランドルフ・チンマーマン氏が61ヤードも飛ばして優勝しました。【方向性の部】なんていうのもあって、フィリップ・エスリッジ氏が8番アイアンを50ヤード先のピンそば2メートルにからませる正確さを見せました。

【フォームの部】においては、ジェシー・ドレイパー氏にかなう者はなく、当時の新聞記事は「ドレイパー氏は特設ティーに上がるやいなや、いきなり甲高い奇声を発し、膝でクラブを折り曲げた。そしてインディアンの闘いの踊りのように円を描くように跳ねまわり、さらにフレッド・アステアのような軽やかなステップで曲がったクラブを女性にみたててダンスした。それから地面にペタリと膝まずき、クラブを前に置いてイスラム教のような祈りを捧げた。
そしておもむろに立ち上がり、ハンマー投げスタイルで体を回しながら、金切り声を発してクラブを投げ飛ばした。飛距離は20ヤード足らずだったが、フィニッシュは片足を上げて両手を水平に広げバランスを取っていた」と書かれていました。

授賞式の最後で、開催者のスティーブンスは参加者たちに挨拶をしました。

「これだけ見事にクラブを飛ばすからには、さぞかし日頃から鍛錬なさっていることでしょう。しかし、この大会を機に「ゲーム中にクラブを放り投げる」という愚行が消滅することを願います」と言って締めくくりました。
タイガー投げ
この後、この“愚行”が消滅したという話はありません。
そればかりか、2014年の全英OP・全米プロの覇者もこの“愚行”をしたばかり。
マキロイ投げ
いっそもう一度、そして世界規模で『World Club-Throwing Tournament(世界クラブ投げトーナメント)』を開催してもいいかもしれませんね。
もちろんエチケットマナー啓蒙の主旨を明確にした上で。

■参考文献
「生きがいはゴルフだけ」ブルース・ナッシュ&アラン・ズーロ著 山崎雄介訳:二見書房
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