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鴇田誠治

遺言書作成と相続手続きのプロ

鴇田誠治(ときたせいじ) / 行政書士

社会保険労務士・行政書士 ときた事務所

コラム

遺言書の検認に同行いたしました

2019年10月29日 公開 / 2020年6月30日更新

テーマ:その他のお仕事

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 遺言書 作成遺言書 書き方

遺言書の検認手続き

お父様が残された「自筆証書遺言」の検認のお手続きのため、仙台家庭裁判所にお客様と同行支援をさせていただきました。

検認の申立て手続きの後に家庭裁判所から送付されてくる通知書には、出頭する時間と場所、持ち物が記載されています。

この通知書に記載された指示に従い、通知書と印鑑をもって、指定の時間までに建物5階の家事書記官室へ。

その後、別な部屋に案内されて、実際の検認手続きが行われます。

今回の遺言書は、リングノートの、とある1ページに書かれたものでしたので、遺言書が記載されたページに「検認済証明書」をホチキス止めして、各用紙の間に裁判所書記官の印を契印するというおもしろい形になりました。

相続人の全員が参加したわけではありませんが、遺言書により遺産を受取れない方も出頭され、検認の申立てをした相続人の方(遺言書で財産を受け取る方)に、「遺留分の請求をします」と告げてお帰りになりました。

民法改正により遺留分の制度が変わりました

遺留分の制度は、一定の割合の相続財産を確保できるように、兄弟姉妹以外の相続人に保証された最低限の相続分です。

法改正前の制度では、遺留分減殺請求(いりゅうぶんげんさいせいきゅう)をすることで、遺留分を侵害した範囲内で遺贈や贈与の効力が失効し、これにより遺贈・贈与された目的物の所有権などが遺留分権利者に戻ることとなっていました。

所有権などが遺留分権利者に戻った結果、遺留分権利者と遺贈・贈与を受けた人との間で、遺贈・贈与された目的物が共有状態になっていたのです。

相続財産が共有状態になるといろいろと不都合が生じます。

まず、共有になると、不動産などの場合は売却はかなり難しくなります。売却金額で合意できるか分かりませんし、そもそも「売らない」ということになってしまうかも知れません。

また、事業承継を考えた場合、事業用資産が共有状態になることで、事業の継続が困難になることも考えられます。

このように、遺留分の関係で共有状態になってしまうのは問題だということで、「遺留分減殺請求権」を「遺留分侵害額請求権」に改め、「侵害された遺留分を金銭換算し、その金額の支払い請求できる権利」へと変わりました。
 


なお、遺留分侵害額請求は、相続開始と遺留分を侵害された事実を知ってから一年以内に行わなければなりません。また、遺留分侵害額請求をする手続きは、遺留分侵害額の請求書を、必ず、内容証明郵便(配達証明付)で送付しておこないます。

この記事を書いたプロ

鴇田誠治

遺言書作成と相続手続きのプロ

鴇田誠治(社会保険労務士・行政書士 ときた事務所)

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