読書日記「百年の孤独」
法律相談に来て、依頼することになると思いますというので、そのままにしていたら、依頼もなくそのままになっている顧客が結構いる。ファイルを作ったものについてはファイルが片付かないので聞いてみることもあるが、「もう解決しました」といったり、「もう結構ですわ」という回答がままある。
普通であれば「解決しましたので相談料を支払います」とあちらから電話があるものなのだが、のど元過ぎればなんとやらで、連絡して来なかったことを恥じたりもしている様子もない。
私は一応、紹介者がある事件では相談に来られるようになったことと、依頼者の同意があれば結果を紹介者にも知らせるようにしている。私が他の弁護士に紹介した事件も、私自身どうなったかな…と気にしていたりするが、こちらからは聞きにくい。こういう結果になったと報告があれば、こちらとしても安心する。もちろん依頼者の同意はいるが、これは一つの礼儀であると思っていたりする。
このごろ司法修習生が「就職先はないか」というので他の地域の弁護士から依頼されて、事務所に訪問してきて、いろいろと情勢を教えてあげることがたまにある。その後はまあせっかく来たのだからと食事くらいにはいく。他にも知り合いのところに就職を紹介することもある。
今はメールがあるので、事務所訪問に来た後にはメールでだいたいは御礼を言って来る人が多く、礼がないと、なんとなくそれだけでマイナスイメージである。
また、そのメールの文書を見るとその修習生の力量もだいたいは分かる。
その後、運良く就職できた場合、だいたいの修習生は、私のおかげではなくとも「先生のおかげでここに就職できました」ということでメールで報告をしてくれる。
これはひとつの礼儀であろう。
こうした報告も全くしてこない修習生もたまにいるが、そうした修習生は実務家になってもたいした実務家にはなれないことは間違いがない。
よい実務家というのは、周囲に対する気配りが必要だからであるし、「あいつは挨拶も出来ないヤツや」ということで弁護士の中での評判を落とすからである。