やっつけ仕事

中隆志

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あまりに忙しすぎると、やっつけ仕事になりがちである。
 きちんとしようと思えば、仕事の量はある程度セーブしながらやらないといけない。
 やっつけ仕事でなくきちんと仕事をしてこなしていくと、一定のラインを越えると病気になる。

 弁護士も若いうちは、仕事に慣れていないので、ベテラン弁護士が1かければいい労力に対して5も6もかけないといけないことになるので、大変ではある。要領ばかりで仕事をするようになってもまたいけない。この時期に手を抜くと、後々様々なところで穴があることになり、ひびいてくる。

 ある合同系の若手弁護士が、「弁護士の仕事とは、いかに自分が仕事をしないで事務員に仕事をふれるかで決まると分かってきました」といっていたと聞いたが、根本的に間違っている。その事務所は破産事件などはほとんどが事務員さんがしてしまうので、ベテランでも破産事件のことが分かっていない場合があるのであるが、宜なるかなという感じである。

 ある一定ラインを越えればそれなりの労力でそれなりの仕事が出来るようになるが、一定ラインを越えるまでは一見無駄な打ち合わせや調査に労を惜しんではならないのである。
 若手弁護士も少し事件を経験するとそれなりに出来るようになった気がして要領や手を抜くことが覚えたりするが、それが失敗の本となる。それが事件結果にあらわれることになり、反省していくことになる。

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