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コラム

事件のない修習生

2011年3月11日

コラムカテゴリ:法律関連


 少し前に修習生と話をしていたら、修習生の数が多くなった一方で事件数はあまりないので、事件が来たらジャンケンをして事件の取り合いになっているということである。
 法廷でも、席数が限られているため中に入ることの出来ない修習生を見かける。皆傍聴席で聞いているのである。

 私が修習生の頃は、事件がないということはなく、修習生も戦力として見られていたところがある。起案の原案を修習生が作って裁判官がそれを見てということもあったし、検察修習などでは強姦事件などの重い事件もチームを組んでやっていた。民事修習では、裁判官とともに壇上に上っていた。実務修習が1年半あり、事件も相当手がけていたのである。それでも実務家になったら「ひえ~」という感じで自分の無知を知ったのである(後で私が1年目ということを知って驚かれたことは何回もあったが…。はったりだけは当時から効いたのである)。

 ロースクールでの授業は不十分なものであろうことは様々なところで見聞きするし、修習は前期修習がなくなって1年間になるし、事件は足りないわでは、実務家になった途端に1人前とは中々いかないであろう。

この記事を書いたプロ

中隆志

被害者救済に取り組む法律のプロ

中隆志(中隆志法律事務所)

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