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コラム

借金苦による自殺・無理心中

2010年10月21日

コラムカテゴリ:法律関連


24時間営業のマンガ喫茶やマグドナルドを寝床にし、家がない人が増えているようである。病気や失職などで住むところを追い出されて、その後は日々のアルバイトなどで日を暮らすのに精一杯で自宅を借りるというところまでお金が残らないのだという。なんともやりきれない話であり、最近報道でも取り上げられている。

 一方、借金を苦にした自殺や無理心中も時々新聞などで報道されている。また、借金があるがために凶悪な犯行に及んだという事件も聞かれるところである。

 我々弁護士からすると、破産や個人再生、債務整理などの法的な手続があり、たいていの債務者はこれらの手続で借金を整理出来ているという現状の中で、どうしてこのような自殺や事件が起こるのだろうかと思う。弁護士費用は分割でも応じているし、司法支援センターによる弁護士費用の立替払制度もある。こうした多重債務事件の解決に慣れている弁護士のところにだとりついていれば、こうした自殺や事件は発生しなかったのではないかと思うとやりきれない。

 今はたいてい最寄りの弁護士会で多重債務の専門相談をしている。また、多重債務相談は紹介なしでも聞いてくれる弁護士も多くなってきていると思う。私も特段紹介がなくとも聞いている。相談料が払えないという人のためには、相談料が無料になる司法支援センターの法律相談援助制度を各法律事務所で利用すればよい。

 とにかく相談をして欲しい。弁護士のところに行く前に、今どこからどれだけ借りていて、いつから最初借り始めたかという程度のメモがあると、ぐっと相談はやりやすくなる。

 司法書士もこうした事件をやっているが、認定を受けた司法書士は簡易裁判所でしか代理権がないが、弁護士は何らの制限もなく、全ての事件で代理権がある。また、費用についても、司法書士と弁護士とで格差はあまりなく、時に私が聞く話では、司法書士の方が多く取っていたりするのであるから、何よりも弁護士のところに行って欲しい。

この記事を書いたプロ

中隆志

被害者救済に取り組む法律のプロ

中隆志(中隆志法律事務所)

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