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春藤泰之

接遇向上に取り組む歯科治療のプロ

春藤泰之(しゅんどうやすゆき) / 歯科医

医療法人社団春藤歯科医院

コラム

治療途中の虫歯を放置したために起こる恐ろしいトラブル

2015年9月4日

テーマ:虫歯のトラブルと治療方法

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 虫歯 予防虫歯 治療

面倒ですが歯の治療は何回も通わなければなりません


歯科治療は、1回ですむことはほとんどなく、スケジュールの都合をつけながら何回も通う必要があります。
単なる歯石クリーニングでも、上の歯、下の歯と分けて行う歯科医院もあります。
1回の治療は10~30分ほどで終わるので、患者さんにとっては「1回の治療でまとめて一気にやってもらいたい」と思われるかもしれませんが、何回にも分けて治療をする理由は大きく分けて2つあります。

1つ目は、日数を必要とする治療が行われた時です。
歯根の治療で薬を使わなければならない時や、型をとって人口歯を作るといった治療は日数が必要になります。

2つ目は、時間を短く区切ることで1日に何人もの患者さんを診ることができるようになります。
これにより、急に歯が痛み出した患者さんを、すぐに診察できるような体制も作れます。
また急病でない時でも、それほど待たずに予約が取れるようになります。

数回通う必要がある歯科治療を途中でやめるとどうなるか


途中で歯科医院に通うのをやめてしまったらどうなるでしょうか。
放置すると 治療が完了しない中途半端な状態のままになります。

例えば虫歯治療を途中でやめてしまうと、さまざまなトラブルが起こり、結果、時間も費用も余計にかかることになります。

虫歯治療を止めると、次のような事態になるリスクがあります。
・虫歯が悪化し、神経まで侵されて、神経を抜かなければならなくなる。
・神経も死んでしまうと、顎の骨まで膿が溜まって歯茎が腫れて痛む。
・虫歯菌が副鼻腔へ溜まって、副鼻腔炎や頭痛を引き起こす。
・虫歯菌が顎の中に広がると、骨髄に感染して顎の骨が腐る骨髄炎になり、発熱、嘔吐の原因となる。
・虫歯菌が歯根の先に溜まることで、アレルギーを発症し、手足に嚢胞(のうほう)症状が現れる、掌蹠嚢胞症(しょうせきのうほうしょう)を発症する。
・虫歯菌が血液に入り込むと、脳梗塞や心筋梗塞といった全身疾患を起こすことがある。
・虫歯菌が全身に感染してしまうと死に至ることもある。
・型取りした詰め物や被せものが合わなくなり、作り直す必要が出てくる。
・噛みあわせがずれてくる

放置したために起こるトラブルは、どんな治療をどこまで行っているかによって変わってきます。
仮詰や仮歯のままだと、虫歯が悪化し、歯が動くのでかみ合わせも変わり型がはまらなくなります。
根の治療中だと、虫歯菌が顎の骨にまで感染して痛みや腫れがひどくなります。
抜歯後に放置すれば、残った歯が伸びて噛み合わせが崩れるため修復に時間も費用もかかります。

虫歯治療を途中でやめてしまうと、治療中の部位から虫歯菌が再び入り込み、虫歯の悪化だけでなく、生命の危険にもなる全身疾患を引き起こすこともあります。
治療の途中で、予約をキャンセルすることがあっても、1~2週間ぐらいなら、虫歯が悪化することはありません。
予約を取り直して、虫歯治療は必ず最後まで受けるようにしましょう。

治療を最後まで受けられる通いやすい歯科医院を選びましょう


このように治療が途中で中断してしまうことで、単なる虫歯が命取りになるような病気に悪化することがあります。

これを防ぐには、歯科医院選びが大変重要なポイントになります。
職場か家に近い、通いやすい歯科医院を選ぶと通いやすくなります。
口コミや評判などはインターネットで検索もできるので、自分のライフスタイルに合う歯科医院を見つけることが大切です。

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