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コラム
FSMS規格における内部監査のポイント(3)
2023年8月24日
責任•権限
ISO22000:2018 5.3.1には、“トップマネジメン卜は、関連する役割に対して、責任および権限が割り当てられ、組織内に伝達され、理解されることを確実にしなければならない”と規定している。
内部監査は、経営層に代わり、多くの場合、食品安全チームリーダーが内部監査責任者を務め、内部監査チームにより実施される。各々に責任があり、理解され、適用されることが 肝要である。また、経営層にも責任・権限があり、内部監査にも参画することで、本格的な内部監査につながる。
また、内部監査は、概括的に準備40%、実施40%、後処理20%の時間配分となる。監査時間が2時間であれば、監査準備も2時間が目安となる。内部監査員の知識と経験により、監査準備時間は無論前後するが、監査員教育、監査プログラム作成を含め、監査準備が肝要となる。監査の成功のカギは、80%準備で決まると言っても過言ではない。準備力を高めることが、内部監査の質が高めることを熟知しなければならない。
修正および是正処置
内部監査にて確認された不具合は、修正および是正処置を講じる。しかし、同様の不具合の再発は少なくない。修正および是正処置の用語および定義は割愛するが、修正とは不具合そのものの除去であり、是正処置とは不具合の原因の除去であり、除去するものが異なる。是正処置は、不具合の原因を除去することにより、同様の不具合を再発させないことである。内部監査員には、業務改善となるよう、適切な 修正および是正処置に誘導する責務がある。内部 監査にて、不具合を提起する際、適切な修正およ び是正処置を内部監査員自らが想像できないようであれば、相応の知識を有する要員に評価を委託 することが有益である。
また、不具合だけではなく、優れた事項も業務改善に繋がる。修正および是正処置同様に、水平展開し、組織全体でシステム化すべきである。
最後に
ビジネス上の取引条件として求められることが頓に多くなっているISO22000等の食品安全関連規格の認証取得であるが、認証取得はゴールではなく、まだスタートに過ぎず、食品安全を達成し続けるためには、継続的なシステム改善が必要である。
また、食品安全関連規格は、あくまでもHACCP等食品安全のための仕組み、取組みの構築・運用のためのツールに過ぎない。よって、ともすれば陥りやすい認証取得そのものを目的とするような、業務プロセスを規格に合わせ込むような考え方をとるのではなく、事業拡大のために規格を使う、すなわち業務プロセスに規格を統合させ、連動させることが肝要である。
そして、認証機関は、その主体的、自律的な活動に対して第三者の目で客観的な視座からコメントし、改善するための気づきを提供することがその責務であると考えている。認証機関は、組織の目標達成に向け、組織と共に歩むパートナーであると自任している。そして、本稿が、組織のシステムの向上につながれば何よりである。
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