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コラム
新たな化学物質規制の食品事業者への影響
2023年6月8日
労働安全衛生法では、化学物質の管理に関する新たな規制が令和4年6月1日から施行されました。この規制では、事業者は以下のことを行わなければなりません。
- 化学物質管理者を選任し、化学物質の管理体制を強化する
- 化学物質の危険性や有害性に関する情報をラベルやSDS(安全データシート)で伝達する
- リスクアセスメントを実施し、ばく露防止のための措置を適切に実施する
- 衛生委員会で化学物質の管理状況を調査審議する
- 労働者に化学物質の管理に関する教育を行う
これらの措置は、食品事業者が化学物質を製造・取扱う場合にも適用されます。したがって、食品事業者は、自ら取り扱う化学物質の危険性・有害性を把握し、適切な管理を行う必要があります。
ラベル・SDS通知、リスクアセスメント対象物質は、改正前の674物質から改正後には約2900物質に増えます。これは危険性・有害性が確認されたすべての物質が順次追加していきます。
例えば、ph調整剤は、水素イオン濃度を調整するために食品や化粧品などに添加される化学物質ですが、厚生労働省が公表した「新たな化学物質管理」によると、ph調整剤は、職場における化学物質管理の対象となる可能性があります。具体的には、以下のような場合です。
- ph調整剤が、国際的に認められた毒性試験方法で試験された結果、発がん性や生殖毒性などの有害性があることが判明した場合
- ph調整剤が、職場で使用される際に、皮膚や目に刺激を与えたり、吸入したりする可能性がある場合
- ph調整剤が、職場で使用される際に、他の化学物質と反応して有害な物質を生成する可能性がある場合
これらの場合には、新たな化学物質規制で定められた対応を取らなければなりません。職場で扱っている化学物質について、新たな規制対象となるかを確認する必要がありますが、今後の拡大対象には、エタノールや日持ち向上剤も取り上げられています。洗剤や殺虫剤にも化学物質は使われています。厳密にいえば、人体への影響があるものであるため、管理対象となり得ます。今後の追加によって、ほぼすべての食品事業者が対象になるものと思われますので、今から対応を進めていくべきでしょう。
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