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神田紀久男

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神田紀久男(かんだきくお) / 終活カウンセラー

株式会社 イフケア北九州

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コラム

コロナ禍で亡くなっている人たち

2022年2月24日

テーマ:遺体搬送 

コラムカテゴリ:冠婚葬祭

コラムキーワード: エンディングノート斎場遺品整理


オミクロン株の流行でコロナ感染者も漸く減少傾向に転じ始めました。感染拡大もこのまま終息してもらいたいと願っています。
オミクロン株は、感染力が強く感染者は、第5派の感染者数の約4~5倍に達しています。ただ、重症化する割合が低いとも言われている通りで、重症化数は、第5派のピークであった2000人強よりも少なく、約1500人で推移しているようです。
ここまで見ていくと、コロナ感染で亡くなる人は、少なくなるだろうと考えておりましたが、実際は、2月中旬に1日あたりのコロナ感染による死亡者は過去最多250人超ということになっており、現在の200人を超える方が亡くなっているようです。
少し統計的な傾向を考えると奇妙に感じる部分です。
私の仕事でも、今月に入り、コロナ感染でお亡くなりになったというご依頼を受ける件数が、増加しています。先月までは、平均月1-2件であったものが、今月は13件と大幅増。その他にも「危篤状態」というご遺族・病院関係者からの問い合わせが十数件いただいております。
お亡くなりなった方もご冥福をお祈りいたします。
その上で、重症化数推移とこの死亡者数の増加の関連性には、違和感を持ちます。
今月、私どもで扱った事例でも、自宅死亡であった方も2割ほど含まれています。感染・重症化・死亡というある程度時間がかかる流れでなく、瞬く間に感染・死亡というケースがあることも考えられますが、コロナ感染の疑いや陽性反応のある方が別の事情でお亡くなりになっている数も含まれていると考えると納得できるかなと感じています。実際のところは、わかりません。また現在の特殊感染症の法律上の分類において、亡くなった方の遺体措置(速やかに火葬する)ということになっているので、コロナ感染が原因でない理由で亡くなった方も、コロナ感染陽性者である以上、このような遺体措置を求められるのであろうと推測します。
保健所や医療関係者の方々は、感染者数が多い現在は、それを検証する時間も術もないのであろうとは考えらえます。
そもそも、亡くなる方も多くが、最後は「肺炎にかかって亡くなっている」と言われています。その事からしても、コロナ感染が理由なのか、その他の病気が理由で肺炎になったのかは、遺体を事細かに調べないとわからないのではないかと思います。
しかし、法的にまた、慣習的に、調べることもせずに、火葬している。
国は、感染症対策を科学的知見に基づいて行っていると言いますが、亡くなっている場面だけを考えると、本当だろうかと感じます。また科学というモノの限界を感じます。

先日には、コロナ感染で亡くなったという遺族の方からのご依頼を受けました。亡くなった方は、コロナ感染陽性者ではあったのですが、死亡した事情は、脳梗塞でした。
入院し、コロナ感染の治療も同時に行い、陰性反応となったとのことでしたが、遺族は、コロナ感染対応の業務の要望されておりました。遺族・病院関係者とも話し合いをした結果、通常のお葬式を執り行うことになりましたが、我々もコロナ感染だからという話だけなく、状況などもよくお聞きした上で、業務対応を行っていかねばならないと感じます。
他方、「弔う」という事を考えると、「速やかに火葬」ということが、それで良いのかと疑問も出てきます。
「人の死を悲しみいたんで、お悔やみをいう」「死者の霊を慰めるために供養を営む」という死者に対しても葬儀を行うという意味と同時に、遺族の心の整理をつけるという意味合いも葬儀を行うことには、あると思います。このことからしても、今の世の中に騒ぎに流されず、しっかりと遺族やご遺体と向き合い、出来る限り「弔う」気持ちを大切にしていくことが必要なのだろうと感じるものです。

この記事を書いたプロ

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神田紀久男(株式会社 イフケア北九州)

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