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神田紀久男

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神田紀久男(かんだきくお) / 終活カウンセラー

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コラム

将来の財産管理②(家族信託の利用する場合)

2021年12月3日

テーマ:終活 

コラムカテゴリ:くらし

コラムキーワード: 認知症予防エンディングノート遺品整理


前回の「将来の財産管理」として、後見制度の活用についてお話をしました。財産管理が必要となるのは、認知症などを発症し、事理弁識能力が衰えてくることにより、自己管理が難しくなるからです。
では、自己管理が難しくなった時に、頼れる人は誰なのでしょうか。一人ひとり置かれている状況は、違いがあるでしょうから、答えは一つではありません。ただ、普通に考えると、「家族」となのだろうと思います。そして、「家族」がいないのであれば、「親族(兄弟姉妹など)」。「親族」がいないのであれば、「姻族=配偶者の家族」が、思い浮かびます。そして、家族・親族・姻族がいないとなると、信頼できる第三者から探すしかありません。第三者となり得る地位は、別に人に限らず、事業者や団体でも構わないと思います。第三者と想定される人は、法律職やその周辺の士業と称される人であったり、身元保証(引受)などを営む会社や公的団体(福祉法人等)が考えられます。
つまり、財産管理を必要とする本人から見て、「家族」>「親族」>「姻族」>「第三者」の順になります。この順に従って、それぞれの置かれている状況で、誰に頼むかを考えていけば良いでしょう。
ここで、一つだけ考えておかねばならないことは、「相続」に関する事柄です。相続をするのは、「家族」「親族」です。その他の人は、本人の意思で、遺産を遺贈するために、遺言を残すしかありません。
この相続の視点からすると、仮に、本人が、遺言をせずに亡くなった時には、家族・親族は、遺産をどう分配するかを話し合って決めることができます。少し語弊があるかもしれませんが、家族や親族は、本人の財産を将来どう分配していくかの意見を言うことが出来ると言い換えることも出来ます。
相続をしてもめ事を起こさないために、どんな相続が良いのか。まさしく「相続対策」の話です。相続対策として、生前に今ある資産を固定資産から流動資産に変えておくとか、相続がスムーズに行くように手を打つことも考えられます。財産を自己管理ができる内は、自分で様々な手を施しことができますが、事理弁識能力が衰えてくると、自分で出来ない場合には、誰かに頼らないといけません。
自己管理が出来ない時に、相続対策をやろうとすれば、それを必要とする家族や親族となります。
そこで、後見制度を活用が考えていくと、家族・親族の立場からすると、この制度は、使い勝手が悪いものに感じられるかもしれません。何故かというと、後見制度は、本人の財産管理や保護を行うために、裁判所が関与して、本人の不利益にならないようにするための制度です。そのため、相続対策として、家族・親族が何某かの案を考えたとしても、それを裁判所が許すかどうかはわからないからです。そのため、後見制度を活用すると、相続対策はなかなか進まないということも起こり得ます。



そこで、考えられるのが家族信託です。
家族信託とは、簡単に言うと、「家族の意思判断で、契約した内容に基づいて自由に相続対策を行うことが出来る」というものです。例えば、自宅の売却を行い、現金化して、本人の介護費用に回し、一部を相続資産として、預貯金としておくなどが、家族・親族で出来るようになります。契約に基づいて事柄ですから、裁判所の関与は必要ありませんし、自由に行うことが出来るのはメリットです。
但し、全てが自由にできるわけではありません。あくまでも契約を基づいた事柄だけですので、本人の財産全てを自由に扱うことは出来ません。当然と言えば当然のことです。



詳しい家族信託のことは、ネットで調べれば出てくると思います。
ここで、お伝えしたいことは、財産管理を誰かに託す場合に、後見制度を使うのか、それとも家族信託を使うのか、どっちが良いのであろうかと考える視点です。
後見制度は、本人に意向が重視すべき場合であるし、家族信託の場合は、家族・親族が意見も尊重すべきだという場合であろうと思います。
本人から見て、財産管理を担ってくれる人が、「第三者」>「姻族」>「親族」>「家族」で考える場合は、後見制度を優先的に。
家族信託の場合は、「家族」>「親族」の順で財産管理を検討される方に、向いていると思います。

この記事を書いたプロ

神田紀久男

終活や死後事務委任契約に関わるコーディネートのプロ

神田紀久男(株式会社 イフケア北九州)

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