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神田紀久男

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神田紀久男(かんだきくお) / 終活カウンセラー

株式会社 イフケア北九州

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コラム

献体について

2022年5月19日

テーマ:終活 

コラムカテゴリ:冠婚葬祭

コラムキーワード: エンディングノート葬儀マナーお墓


2022年4月から、私どもの地元である北九州市にある大学から献体を行う遺体搬送業務の請負を行うこととなりました。以前には、請負を行っておりましたが、毎年入札により、翌年の業者が決定されるためものですから、ここ数年は、失注状態だったのですが、久しぶりの業務を行っています。また、終活相談でも、献体を検討しているという声も時々聞かれます。
死後、自分の体が役に立てばと、献体を検討されている人もいるのでしょうし、どのようにすれば、献体が出来るのかという疑問も出てくるでしょう。そこで、今日は、献体について説明し、どのような注意点があるのかをお話していきます。詳しい事柄や、献体を希望される方の手続きのお手伝い希望の方は、お問い合わせいただけると幸いです。
献体とは、医歯学発展のため、ご遺体を解剖学の教材として提供することです。つまり、献体として提供されたご遺体は、医歯学の発展や優秀な医師、歯科医師の育成に役立てられます。献体の登録者数は、1970年代半ばまで1万人程度と不足していましたが、1980年代以降急増し、現在は約28万人ほどの登録があるとされています。
亡くなった後に、献体を申込しても受け入れてもらえるものでは、ありません。前述したように、献体登録を行い、実際に亡くなった時に、遺族の方などから、大学に連絡を入れ、大学側が受け入れる条件(後述します)が満たされているかを確認した後に、遺体を引き渡しを行うこととなります。
登録の申込み時と、実際にご遺体を引き渡しをする際には、本人の意思とともに家族全員の同意も必要です。本人が献体を希望しても、最終的にご遺体を引き渡すかどうかを決めるのは家族だからです。  
大学側としても、家族の反対があるご遺体を引き取るわけにはいきません。一人でも反対の人がいると献体されない場合があります。生前に故人の遺志を確認して十分話し合い、家族全員が納得することが大切です。
献体を行うには、生前から大学や関係する団体に登録しておかなければなりません。各都道府県の大学や関連団体に問い合わせて申込書を入手し、記入して提出しましょう。
申し込みが受理されると、会員証(献体登録証)が発行されます。会員証は紛失しないよう気を付けるのはもちろんのこと、不慮の事故に備えて旅行先などにも持参しましょう。

献体登録をするにあたって、基本的に登録料は不要です。献体や火葬にかかる費用も大学側が負担するのが一般的です。ただし、負担される費用はあくまで献体するために必要な費用と火葬費用のみです。葬儀費用や戒名代、納骨費用は自己負担となります。
従って、大学側が負担する費用の主なモノは、次の通りです。遺体搬送費用・保存費用・火葬費用・腐敗防止費用となります。それ以外の費用は、自己負担となります。
現実には、登録した後の一般的な献体の流れでは、臨終後、ご遺体を献体に引き渡してもいいかを親族内で最終確認した上で、献体登録をしている大学等に引き渡しの日時や場所について連絡をします。
 遺体の引き渡しは、亡くなった直ぐでなくても、構いませんので、お葬式を行った後でも構いません。ただ最近は、臨終直後に、お葬式をせずに、引き渡しを行うケースが多いようです。
献体を行った後、大学での遺体は解剖の教材として使われた後に、大学側が火葬を行い、遺骨は、遺族に返されることとなります。その期間は、大体2-3年ぐらいだと考えておくと良いと思います。
 献体を行った後に、お葬式を行うことになると、亡くなってからかなり時間が経過した後に、行うことになりますので、注意が必要な点です。
 また、献体後の遺骨の返却を望まない場合も、献体申込をされる際に、遺骨の廃棄を行ってもらえるかどうかを確認しておくと良いと思います。
献体の申し込みを行い、死後の始末は万全だと考えがちですが、注意が必要なこともあります。
先ほど、まずは登録が必要で、臨終を迎えた後に、大学に連絡を入れて、受け入れる条件の確認を行うということが記しました。ここで言う条件とは、「遺体が、大学が解剖学の教材に使えるものかどうか」ということです。解剖に使える遺体(つまりは損傷していないとか、腐敗していないとか)であることが必要だからです。折角に登録はしたとしても、亡くなり方や場所・また生前に手術をして一部臓器が欠損しているなどの場合は、受け入れ不可となる可能性もあります。具体的にはどんな場合は、登録申し込みをする際に確認しておくことが必要です。そして、受け入れ不可となった場合の死後の始末をどのように行うかも考えておくことが必要です。
また、献体後の遺骨の引き取るを行う遺族や親族の存在が、登録条件となる場合もあるとの話も聞きます。つまりは、「おひとりさま」は、登録不可となる場合もあるということなので、この点も申込の前に、確認が必要となります。
大まかな説明を行いました。質問・疑問がある場合は、神田までお問い合わせください。

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