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リフォームが主流になる未来(2024年2月新築住宅価格事情)

2024年2月11日

テーマ:リフォーム

コラムカテゴリ:住宅・建物

新築住宅の各部材の値上がり、工賃の値上がりが止まりません。

ほんの数年前に坪単価65万円が目安と言われていた木造住宅が、今は
どこの工務店でも、坪単価85万円以上に設定しないとやっていけない、という話を聞きます。
(ただしあくまでも福井県内の情報収集です。全国的に同じ状況と思いますが・・・)

ここで言う坪単価は、いわゆる建物本体価格などではなく、
工事を全部終えて全部の工事費、経費トータルの金額を、建物の施工面積で割った金額です。
最低限の外構工事や消費税も入れる前提です。
ですので単純に計算して施工面積40坪の建物は、税込み3,400万円というイメージです。

アパートと変わらないような性能、内装のローコスト住宅や、間取りを変えることができない
規格住宅であれば、もっと安い金額でできますが、長期優良が保証され、自由に希望を言えるような注文住宅は坪単価85万円の世界にたどり着いてしまっている感じです。

それだけ高くなると「新築住宅は諦める」という選択肢を取るご家族も出てきますので、
必然的に住宅着工棟数はこの先どんどん減っていくと思います。
補助金や住宅ローン控除で新築促進対策もありますが、部材や工賃の値上がりをカバーしきれない
状況です。

加えて2024年4月の運送業者さんの問題で、運賃が値上がりするのがほぼ間違いない状況で、
運賃が値上がりすると必然的にすべての建築材料も同時に値上がりするのは、火を見るより明らか。

昔は(と言ってもほんの数年前)大手ハウスメーカーさんの単価と言われていた「坪単価100万円」が普通の工務店でも当たり前になっていくのではないでしょうか。必然的に大手ハウスメーカーさんの価格は坪単価120万円が最低で、150から200に届いて全然おかしくない状況もあり得ます。

そのような状況になると、今後活性化してくるのはリフォーム市場になるでしょう。
リフォームは、日本の市場では「大がかりなリフォームをすると安い新築と変わらないほどお金がかかる」と言われて、「それなら新築に」とシフトすることが多い市場でした。

しかし今後は「新築住宅」がどんどん高嶺の花になっていく可能性が高いのです。

坪単価100万円の世界は、例えば40坪の住宅が4,000万円する世界です。
ふくかぜの家は福井県越前市の工務店で、越前市の土地相場は現在時点で60坪で700-900万円くらいです。

となると土地を購入して40坪の家を建てるためには、融資手数料や保険のお金などを入れると約5,000万円が必要です。

5000万円を35年返済で金利0.5%借入するとしたら、毎月の返済額が約13万円となります。

東京の都心部ならありかと思いますが(ただ東京でこんな価格で土地が買えるわけがないのでそもそも比較対象ではないのですが・・)
福井県の丹南地区で毎月13万返済していく方はあまりいないでしょう。

もちろん収入的にそれくらいは問題ないという方はたくさんいらっしゃるでしょうが、家賃相場が6-8万円程度の越前市近辺で、いわゆる一般住宅に対して13万円の住宅ローンを毎月払おういう家族は少ないのではないかという想定です。

新築住宅がこのように「高嶺の花」になっていくと、「リフォーム」の選択肢が現実味を帯びるということです。

新築が高くなっているのなら、リフォームでも結局工事費が高くなるのでないの?
と思われる方はかなり頭の回転の速い方です。

確かにこれまでのリフォームと比べるとリフォーム工事の場合も同時に工事費は上がります。
しかし、現状 一番値上がりが激しいのが基礎と屋根、外壁なので、その一番高いところをそのまま使えれば、新築に比べると値ごろ感は必ず出ます。
材木もウッドショックの時に比べれば下がっていますが、それでも全体を通じて以前よりは高価なものになっているのはあるので、新築ですべての材料をゼロから仕入れるよりは、使える部分は使ってコスト削減が図れるリフォームは価格の調整はしやすいと考えます。

ごく近い将来、日本の社会はリフォーム需要拡大の方向に向かう気がします。

この記事を書いたプロ

谷山善幸

「本音の対話で信頼を築く」住宅と不動産のプロ

谷山善幸(有限会社サンウッド)

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