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コラム
オープン工法とクローズド工法③~解体修理
2019年1月15日
新聞社の○○氏には、こんなことも話しました。
奈良の法隆寺は約1300年前に建てられた建築物ですが、現在でも解体修理できます。解体修理とは木造軸組工法ならではの修理方法で、一度部材を解体してから、もう一度同じ部材で組み立てることです。瓦をおろし、壁土を落とし、屋根、梁桁、柱と順にバラバラにして傷んだところを修理したり、壊れた部材を交換したりして、また元の建物に組み直すのです。現代でも修理できる理由は構造、作り方が分かっているからです。
法隆寺の建物は、70%は飛鳥時代の部材らしいので、法隆寺に使われている工法はリフォームに適した工法といえます(金堂は昭和25年に解体修理中に火事に遭っています。その時に焼けて取り替えた部材を含んで70%だとすると驚くべき数字です)。
新聞社の○○氏には、私が見ても法隆寺をどう組み立てているかは何となく分かると言いました。太く大きな部材を使用しているため「やれ」と言われても腰が引けますが同じ軸組工法だから作り方はなんとなく分かるのです。法隆寺の建物も柱と梁などで組み立てる軸組工法です。現代の在来工法と同じなのです。
大工という職業が飛鳥時代から延々と続いてきたから、現代の大工でも法隆寺の解体修理ができるのです。実際、亡くなられた西岡常一棟梁は、薬師寺を再建する時に全国から大工を集めています。その時に集まった大工の技量に差はあっても、同じ軸組工法を扱っていた大工だから薬師寺の復興に加わることができたのです。
次回は、『オープン工法とクローズド工法④~クローズド工法とは』です。
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