孤篷庵(こほうあん)を訪ねて3~忘筌-西向きの茶席
聴竹居には、②と③までに書いた室内の空気の流れとは別に室内には入らない空気の流れがあります。それは12カ所の床下の換気口から調理室の壁の中に設けた通気筒を通り、天井裏に抜ける空気の流れです。この空気の流れは、床下の空気を動かし、結露やシロアリの被害を押さえる役目をします。
結露は空気が動いていれば起きません。同じように風通しがいいとシロアリも生息しにくくなります。
通常の家では、床下の換気口だけで空気は水平にしか動きません。それでは、風のない日には床下の空気は留まったままになり、結露やシロアリの発生につながります。聴竹居では、上下の流れを作り、風のない日でも空気が動くようにしているのです。
空気は二つの方法で動きます。一つは風の力を利用する、もう一つは温度差で動きます。
聴竹居では、室内の空気は縁側の窓から風を入れますが、風がない日も③に書いた導気口からの空気で温度差ができます。また床下の空気も前述のように筒を通じて床下と天井裏に高さで温度差ができ、風のない日でも空気が常に動くようにして、構造体である木材を傷まないように考えられているのです。
次回は、「続 聴竹居を訪ねて⑤~照明のデザイン」です。
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