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コラム
熊本地震で分かったこと⑧~引っ掛け金物を使用した外壁材とは
2017年4月7日
前回のコラムに書いた引掛け金物を使用した窯業系サイディングの引っ掛け金物とは外壁材の固定用金物の事です。以前は(2000年頃まで)、窯業系サイディングは釘で構造体に固定していました。
私は市の耐震診断もしています。1981年以前に建てられた家が耐震診断の対象で外壁が窯業系サイディングの場合、釘で構造体に固定されているため、耐力の一部として計算しています。サイディングは、外壁全部に張っていますから、かなりの強度になります。
昔は無塗装のサイディングを釘で止め、張り終わったら現場で塗装して仕上げていました。ところが、2000年頃から塗装済みの窯業系サイディングが発売され、当初は釘で止め、釘の部分をタッチアップ(釘の部分だけ刷毛などで塗る)していましたが、少し時間が経つとどうしてもその部分だけが点のようになり目立ってしまいます。同じ塗料を使用しても釘は外壁材と違い金属ですし、工場で塗ってきた条件とは異なりますから、数年で釘のあとが分かってしまうのです。
そこで、金物でサイディングを引っ掛けて固定する、釘は見えないので後から塗装しなくていい方法が考えられ、今ではほとんどこの工法で張られています。
しかし、木造は軽いため引っ掛け金物を使用した窯業系サイディングは、地震に対してはぶら下がっているだけですから負担にしかなりません。地震の時には不利になるのです。
無塗装サイディングを張り、後で塗装すると、工期も掛かり敬遠されているのかもしれませんが、10年程したら、塗装しないといけないのが窯業系サイディングです。建てる時に少し手間と時間が掛かっても地震に強い方が良いとは思いますが、今は新築時に早く完成することが優先されているようです。
次回は、熊本地震で分かったこと⑨~直下率 です。
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