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コラム
熊本地震の記事から③~新耐震でも崩れた
2016年5月31日
5月14日の朝日新聞に被害の多かった益城町の惣領南部地区の626棟について、県の建築士会の協力を得て調査し、約2割の139棟が倒壊もしくは建て替えの必要なほど壊れていたという記事がありました。139棟の内訳は、旧耐震は90棟、新耐震は26棟、不明が23棟となっています。
前回のコラムよりも調査した棟数は少ないですが、一つの地域を全て調査しています。この地域は秋津川と県道の間の河川や扇状地を埋め立てて宅地にしたということなので、地盤はほぼ同じだと考えられます。
住宅地図が掲載されていて、各家が色分けされています。1981年以降(新耐震)で壊れた家と危険な家、1981年以前(旧耐震)で壊れた家と危険な家、被害なしの家の5つに分けられています。この色分けした住宅地図を見ると、旧耐震も新耐震も関係なく被害のでた家が分散しています。地盤による被害の差は少ないないように思われます。
記事の中に倒壊の恐れがない家の集計が出ていて、新基準で倒壊の恐れのない家は265棟、旧基準で倒壊の恐れのない家は207棟、年代不明で倒壊の恐れのない家が56棟と書いてあります。年代が不明な家は旧基準の方が多いと思われますから、合計すれば263棟(207棟+56棟)で旧基準でも倒壊の恐れがないことになります(下の表参照)。
旧基準の家は壁量が少ないことに加え、老朽化している、傷んでいることなどを考えると被害が少ないと思うのは私だけでしょうか。
次回は「熊本地震の記事から④~基準見直し 国は慎重」です
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