マイベストプロ愛知
加藤武範

医療と介護の架け橋になる、リハビリと介護支援の専門家

加藤武範(かとうたけのり) / ケアマネジャー

合同会社福寿想

コラム

脊髄損傷 在宅 施設

2024年3月16日

テーマ:高齢者 介護 問題

コラムカテゴリ:医療・病院

入院中のご家族(奥様と二人暮らしの80代男性・子供なし)からの相談です。

3ヶ月前に奥さんが階段から落下し、脊髄損傷で下半身不随となり入院中です。要介護4の認定をもらい在宅生活を考えて、自宅のバリアフリー化を考えているとの事で、ケアマネジャーとして今後の段取りについて話し合いに出向きました。
自宅に伺ったところ、もともと自営で店舗していたらしく自宅内は段差だらけです。また、ご主人も肺気腫を患っており、とても一人で介護できる状況ではないと判断しました。また、入院中の病院はコロナ感染リスクを管理しており、面会もできません。2週間前に車椅子に移乗する介助の指導があったそうです。ご主人は、本人にも会えないし、どうして良いか?分からないと泣き出してしまいました。

CM:お母さんの身体状況の詳細が分からない中で、はっきりとは申し上げにくいですが、ケアマネジャーとして僕の考えを申し上げます。自宅でお父さんが一人で介護するのは難しいと思います。介護保険で訪問介護(ヘルパー)利用するにしても、お父さんの負担が大きく軽減する訳ではありません。また、病院からいきなり自宅に戻って、いろいろな介護サービスを整えたとしても、こんなはずではなかった!とお父さんは絶対に感じると思います。
であれば、多少お金はかかりますが、面会や外出が自由な有料老人ホームが近所(徒歩圏内)にあります。そこに一旦、入居して、お母さんに毎日面会して、自分一人で介護できるか?どうか?見定めてはどうですか?ただ、月に20万円程度の費用は必要です。どうしても金銭的な不安が強い場合は、半年の間、その施設でお世話になり、自宅に帰るか?費用の安価な特別養護老人ホームや老人保健施設などの入所を検討する方法もあると思います。但し、特別養護老人ホームや老人保健施設は面会や外出は自由ではありません。

ご主人:いったい、どれくらい生きるんだ?私も生活をしていかなければいけない。国民年金では毎月20万円はきつい…預貯金も妻が管理しているので、いくらあるのか?分からない。でも、毎日会いたい。ただ、最初に良いところに入って、次に悪いところに移るのは可哀そうだ…

CM:施設入居を目指す場合、ここからは、ご本人・ご家族の価値観の問題になります。月額20万円のお金を使って、毎日面会できる施設にするか?月額13~14万円のランニングコストで、面会や外出に制限がある施設にするか?そういう話です。

私たちも初めてお会いする方に「貯金いくらありますか?」とは、なかなか聞けません。
また、こういう場合、本人さんに「どうしたい?」と聞くと、多くの方は、「私の為に、そんなお金を使わなくて良い…申し訳ない」と言われます。
ケアマネジャーとしては、ご主人がどうしたいか?決める様に促す…そういうケースであると私は考えています。
階段
夜中に階段から落下して、まったく身動きが取れない状態だったそうです。胸椎の脊髄損傷の為、胸から下は感覚がありません。2時間おきに体の向きを変える必要あります。排泄もオムツです。ただし、認知症は無く、頭はしっかりしています。
頭がしっかりしている方がいきなり特別養護老人ホームに入所するのは、個人的には気の毒だと私は感じます。

この記事を書いたプロ

加藤武範

医療と介護の架け橋になる、リハビリと介護支援の専門家

加藤武範(合同会社福寿想)

Share

関連するコラム

加藤武範プロへの
お問い合わせ

マイベストプロを見た
と言うとスムーズです

お電話での
お問い合わせ
052-400-2910

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

加藤武範

合同会社福寿想

担当加藤武範(かとうたけのり)

地図・アクセス

加藤武範プロのコンテンツ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ愛知
  3. 愛知の医療・病院
  4. 愛知の介護・福祉
  5. 加藤武範
  6. コラム一覧
  7. 脊髄損傷 在宅 施設

© My Best Pro