春本番〜二十四節気「啓蟄」の過ごし方【山梨 漢方 薬膳 さわたや】
今回はポッドキャスト番組「コータの漢方RADIO」あてにいただいたご質問にお答えしていきたいと思います。
養生ネーム「ゆりかもめ」さんからのご質問です。
「こんにちは。いつも楽しく聞かせてもらっています。一つ質問させてください。私はかなりの冷え性なのですが、気温そのものより“風”が苦手です。五行説では春は風邪(ふうじゃ)とありますが、まさにこの時期の強風はすごく疲れる感じがします。夏のエアコンや扇風機の風にも直接当たるのが苦手です。風の強い日にできる対策や、おすすめの食材などがあれば教えてください。」
ということでご質問をいただきました。
ゆりかもめさん、ありがとうございます。
とてもいいテーマをいただきましたので、今日はこの「春の邪気・風」についてお話していきたいと思います。
漢方では、自然界には体に影響を与える「邪気」があると考えます。
そして基本的には五つあります。
・春 → 風邪(ふうじゃ)・夏 → 暑邪(しょじゃ)・土用(長夏) → 湿邪(しつじゃ)・秋 → 燥邪(そうじゃ)・冬 → 寒邪(かんじゃ)
という五つです。
暑さや湿気、乾燥や寒さは、なんとなく体に悪そうな感じがしますよね。
でも、この中で一番イメージしにくいのが風だと思います。
「風が体に悪いの?」と思う方もいるかもしれません。
実は春という季節は、自然界が冬の眠りから目覚めて活動を始める季節です。
植物が芽吹き、つくしが顔を出し、花が一斉に咲き始める。動物も活動を始めます。
つまり、自然界が動き出す季節なんですね。
そして空気も温められて上昇気流が生まれやすくなるので、実際に春は風が強く吹きやすい季節でもあります。
いわゆる「春一番」なんかもありますよね。
漢方では、この「動く」「変化する」という性質を持つものを風と考えました。
そして実は、人間の体も同じように、冬の停滞から春になると一気に動き出します。
この急激な変化が、体に影響を与えると考えられているんですね。
本来、春の風は生命を目覚めさせるエネルギーでもあります。
ただし、この風が強すぎたり、体の抵抗力が弱っていると、これが邪気(風邪・かぜ、でなく「ふうじゃ」)として体に悪さをすると考えられます。
特に春は気温の変化が激しいですよね。
三寒四温と言われるように、寒い日と暖かい日が繰り返されます。
こうした環境の変化は、体温調節をしている自律神経を乱しやすくします。
暖かくなると毛穴が開きます。するとそこから「風の邪気」が体に入りやすくなると考えられているんですね。
春の風邪(ふうじゃ)の特徴としては
・花粉症・頭痛・めまい・目のかゆみ・鼻水・のぼせ・イライラ
などがあります。
漢方では、風の邪気は体の上部に症状を起こしやすいと言われています。
また風の特徴として、症状があちこち移動することもあります。
さて、ゆりかもめさんのように
「風に当たるのが苦手」
という感覚を持つ方もいらっしゃいますよね。
これは漢方的にも、現代医学的にも、いくつか理由が考えられます。
まず漢方では、体の表面に
衛気(えき)
というエネルギーが巡っていると考えます。
これは体を守るバリアのようなものです。
風に当たり続けるというのは、このバリアがずっと攻撃され続けている状態なんですね。
もともとこの衛気が弱い人、例えば
・疲れやすい・風邪をひきやすい・体力が落ちている
という方は、風に当たることでエネルギーを消耗し、不快感や不安感を感じやすくなります。
実際に漢方の診察では
「悪風(おふう)」
つまり
風を嫌うかどうか
ということを確認することがあります。
風を極端に嫌う人は、体が外からの刺激に敏感になっているサインとも考えられます。
また現代医学的に見ても、風は体に負担をかけることがあります。
例えば扇風機の風。
直接当たり続けると、汗が蒸発するときの気化熱によって体表面の温度が思った以上に下がります。
すると脳は
「体を冷やさないように血管を縮めなさい」
と命令を出します。
ところが周りの環境が暑いと
「熱を逃がすために血管を広げなさい」
という命令も同時に出ます。
つまり体は矛盾した命令を同時に処理することになります。
これが自律神経に負担をかけ、疲れやだるさにつながると考えられています。
さらに
・感覚過敏・乾燥肌・自律神経の乱れ
などがある方は、風を強い刺激として感じやすいこともあります。
皮膚にとって風は刺激になりますので
・チクチクした感じ・かゆみ・不快感
につながることもあります。
なので
「風が苦手」
という感覚は、単なる気のせいではなく
体を守ろうとする反応
でもあるんですね。
ということで今日は
春の邪気「風」
というものの性質についてお話ししました。
次回は
・風に負けない体づくり・風の強い日の養生法・風対策におすすめの食材
などについてお話ししていきたいと思いますので、ぜひ次回のnoteもご覧ください。
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