マイコプラズマ肺炎??~山梨 漢方 さわたや薬局~
最も有名で、そして最も間違って使われている漢方薬
3回にわたりもっとも日本では有名な葛根湯についてお届けしております。
葛根湯ほど
日本では最も有名で
そして
最も間違った使われ方をしている漢方薬は他にないと思います。
あるとしたら本来は便を出すことでカラダの熱を取る
防風通聖散という漢方薬が『飲めば痩せるダイエット漢方』というふうに販売されたり、一部のクリニックでそのような処方のされ方をして問題になっているぐらいで(保険適用というのも問題ですよね)
葛根湯は有名ではありますが、本来の使い方でない使われ方をしてしまっている残念な漢方薬でもあるんです。
間違って使われやすい理由の一つが、葛根湯は
『自分の体力を使ってカラダを温めて、寒気を追い出す薬』
ということです。
要するにカラダが持っているエネルギーを使って温めて、汗をかくことでカラダに入り込んだ寒気を追い出すという薬なので、
ある意味
『自分のカラダの力、体力を消耗に非常に消耗する薬』
とも言えます。
寒気がするような風邪で節々が痛かったけど葛根湯を飲んだら汗がどっと出てきて
汗をかいたら節々の熱が取れて、スッとカラダが楽になった
そのかわりたくさんの汗をかいたので、カラダには疲労感を感じる、そんな経験をしたことある方も多い思います。
発汗を促す、体力を消耗する薬なのでこれを漫然と長期で服用したらどうでしょうか?
長期で服用しなくても風邪を引いた方が
もともと体力があまり無い方や激しい肉体疲労時
病気などでカラダが弱っている方
お年寄り
妊婦さんなどにはこのような理由から実はあまりおすすめできる処方ではありません。
僕らは基本的にそういう方には葛根湯は使わずにマイルドにカラダを温めるような漢方薬を選んで使います。
※自分は体力がないから、と葛根湯を敬遠する必要はありません。かなり衰弱している状態、疲労困憊の状態、前述の妊娠中、授乳中のときなどを除けば症状や体調に合っていれば一般的には使用してもらって構いません。購入時に必ず相談してから購入したり、常備薬として購入した場合は「自分が今服用して大丈夫な状態なのか?」わからない場合は購入したお店で確認しましょう。
そんなわけで
冷え性に良いから、とか
肩こり良いから、とか
びっくりするような理由で病院で葛根湯1日3回30日、なんて処方箋を見ると漢方を知っている薬剤師さんがビックリしたりするのはそのためです。
ちなみに医療用のツムラの葛根湯の効能効果の最初には『自然発汗がなく、頭痛、発熱、悪寒、肩こりなどを伴う、比較的体力があるもののの次の症状』と言う風にちゃんと書かれており
ちゃんと汗がでなくて、体力がある人に使いなさい、と指示されていますが実際は病名で選んでしまうことが多いようです。
カラダが弱っている人以外で葛根湯を使わないほうが良い場合とは?
そんな葛根湯の使い方のポイントはその時の体調、疲労具合だけでなく、症状でも向いてないときがあります。
それは風邪をひいているが全然寒気がしない
すでに発熱して高熱がでている
喉などが腫れて炎症が起こっている
そんなときです。
寒気もなし、炎症も起きて、熱が高い時に
カラダを温める葛根湯を使ったらどうなるでしょうか?
当然熱が高まりますので、炎症が悪化してひどくなることもあります。
簡単に言えば冷えピタや氷枕、氷嚢で冷やすと気持ちい風邪か?温かいものを飲んで、布団をかぶって暖かくしたいような時の風邪か?
で見極めると良いと思います。
ちなみにすでに発熱していて、喉などが炎症を起こしているとき、寒気もしない時は銀翹散のような清熱作用と言って、炎症を鎮める、熱を冷ますような働きがある漢方薬を使って炎症や熱を沈めます。
間違ってこんな時に葛根湯を使わないように気をつけましょう。
普通の風邪薬では解熱鎮痛、鎮咳去痰薬、抗ヒスタミン剤で熱、喉、鼻、咳などを抑える物が入っていますが、葛根湯のようにカラダを温めて寒気を追い出す、というものはありません。
使い分けも先程のポイントを抑えると簡単に活用できますし、風邪というのは本来発熱によって風邪のウイルスを退治することで治る病気です。
最近では解熱剤も38.5℃を超えないと出さないお医者さんも増えましたが、早く熱を下げすると治癒が遅れることもあり、発熱は自然治癒力の賜物と言えますので、それを活用して治す漢方というのはある意味カラダにとってはとても優しいものと言えると思います。
ぜひこれからの風邪シーズン、漢方の知恵を活用して元気に乗り切っていただけたらと思います。
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