雨の日は体調が悪い?天候で体調が変わる理由とは?お天気病【山梨 漢方 さわたや薬局】
今回は台風も接近中、そしてこれから台風シーズン本番ということで
台風で体調が崩れる原因について
漢方的な考え方も交えてお届けしたいと思います。台風含めた天候変化で体調が崩れてしまうことは決して珍しいことでもおかしなことでもありません。ある意味動物として
『当たり前のこと』
と言えると思います。
【台風で体調が崩れるのは「あたりまえ」?】
ではなぜ悪天候となる台風が近づいたり、日本列島を通過するだけでも僕らの体調は崩れてしまうのでしょうか?台風は普通の低気圧と違い、巨大な勢力をもって様々な自然環境を急激に変化させます。気圧、天候、気温、湿度、すべてカラダに影響を与えるものばかりです。また、台風という災害は昔から多くの方の命や財産を奪ってきました。『台風が来る』ということは肉体的な変化だけでなく、不安や恐怖などを通じて精神的なストレスにもなるのです。自然環境の激しい変化と精神的ストレス、この2つが僕らのカラダの何を乱すかと言うと皆さんご存知の『自律神経』です。
【台風接近で自律神経が乱れる理由は?】
もう少し詳しく台風で自律神経が乱れる原因を見ていきましょう。もちろん先程お伝えしたように台風という災害が来ることは僕らにとって恐怖や不安を強まらせるため、自律神経の乱れに繋がります。『身を守ろう』とする交感神経が過度に優位な状態が続きます。そして自律神経は気圧変化とも大きなつながりがあります。スカッとした青空になりやすい、高気圧の時は交感神経が優位になりやすく心とカラダは『やる気モード』で頑張ったり、緊張したり、カラダに力が入りやすくなります。動物が『晴れていたら餌を取る』という習慣を持っているためです。逆に雨などを降らせる低気圧の時は『雨が降るから休もう』と副交感神経が優位になり『のんびりモード』となります。これが通常の気象変化のように徐々に切り替わればよいのですが、台風のように急激に変化してしまうと激しい変化の影響で自律神経に負荷がかかりバランスが乱れてしまいます。自律神経の乱れは血管の拡張収縮気管の拡張収縮胃腸の拡張収縮腸の蠕動運動心拍の促進精神が不安定になるなど心とカラダに大きな影響を及ぼし台風による体調不良の大きな原因となります。
【台風接近でプチ酸欠に??】
また、大型の台風は強烈な低気圧です。低気圧は上昇気流で空気を上に吸い上げるので地上の酸素濃度が低下すると言われております。台風が来て一番体調を崩しやすい方はもともと呼吸器のトラブルがある方だと言われており、特に『ぜんそく』の症状を持っている方は非常に体調を崩しやすいので注意が必要です。喘息など呼吸器系の持病がない方でも台風などの低気圧の時は酸素濃度が低下するので『プチ酸欠』というような状態になりやすく、脳をはじめとする酸素が必要なカラダ中の細胞がプチ酸欠となるので、頭がボーッとしたり、眠くなったり、疲れやすくなったりして肉体的パフォーマンスが低下しやすくなります。『台風が来る』ということだけでも大きなストレス大型の台風であればあるほど先程お伝えした災害に対する不安や恐怖を感じるので、ストレス疲労が強くなります。ストレスは当然ですが自律神経を乱す大きな原因です。また、自分としては別にストレスと感じてなくても『台風が来る前にあらやらなくちゃ!』『これしなくちゃ!』『仕事仕上げておかなくちゃ!』など気持ちが忙しくなってしまうなど様々な予想外のストレスに見舞われて心身を疲労させてしまいます。
【漢方的に台風で体調が崩れる原因を考えてみる】
台風で体調が崩れる原因を『体の仕組み』と『台風というものがどんなものか?』という視点から解説しました。ここからはちょっと見方を変えて僕の専門である漢方理論的に『なぜ台風で体調が崩れるのか?』ということを考えて見たいと思います。まず台風で起こる自然現象は様々ですが『風』強風は台風の大きな特徴ですよね。風は五行説では『風邪(ふうじゃ)』と言って『肝』に当てはまる邪気と言われています。肝は血液を血を蔵して、疏泄をつかさどると中医学では言われています。血液貯蔵庫としての働きと、疏泄というのは気血をカラダに巡らせたり、情緒をコントロールするものと考えられているので、まさに今で言うところの自律神経系統を指していると感じます。血液の巡りで筋肉などのカラダの機能をコントロールしたり、自律神経でカラダをコントロールするという非常に重要な場所なのです。また、肝はストレスとも繋がり深いので台風というストレスで弱りやすい五臓の一つと言えると思います。また、台風は湿った空気と豪雨によって極度の湿気を生み出します。過度の湿気『湿邪』と言って五行説では『脾』という消化する場所を弱らせる邪気と言われています。脾が弱ると体に必要な元気や血液が作れないため、カラダがエネルギー不足となり気虚や血虚と言われるカラダに必要なものが足りなくて病気になりやすい状態になります。さらに台風が来る秋という季節は五行説では『肺』が弱ると考えます。中医学の『肺』は酸素をカラダに取り込む働きはもちろんですが、それ以外にも鼻の働き、皮膚や粘膜など感染症や呼吸器系の弱りと深いつながりがあるので、喘息などが台風でひどくなると言うのは漢方的にはこの『肺』の弱りとつながっていると考えるのです。肝、脾、肺、五臓のうちの3つの話をしましたが、これだけでも漢方理論とカラダの仕組みから見た台風で起こる不調がつながっていることがわかると思います。このあたりを知っておくと次回ご紹介する台風の時期の養生法を行う時に『なるほど納得度』が違うと思います。今回はなぜ?台風が接近すると体調が崩れてしまうのか?ということをお伝えいたしました。最初にお伝えしたように、まず原因を知ることでその対策も立てられると思います。次回は台風接近時に体調を崩さないための養生法についてお伝えしていきたいと思います。
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