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身近なボランティア【献血】を健康的に続けるための漢方的養生法〜前編〜【山梨 漢方 さわたや】

早川弘太

早川弘太

テーマ:血流改善

【身近なボランティア・献血】

今回はコロナ禍の影響で献血への協力者が減っている、ということが話題になっています。今回はもっとも身近にできるボランティアでもある献血を健康的に、継続的に協力するための漢方的養生についてお届けしたいと思います。

実は僕もここ数年、献血への協力をしておらず、以前は地域に献血車が来る時はできるだけ協力をしていたのですが、ここ数年はタイミングが合わず協力できていませんでした。

僕みたいに血の気が多い人はちょっと血を抜くぐらいがちょうどいい、というわけではありませんが、僕の亡くなった父親も以前病気の時に輸血のお陰で生命を救われたことがあったので、できる限りの協力はしたいなぁと常に思っていました。

そんなわけで今回はちょっと変わったテーマとなりますが、献血がしっかりできる体作りに必要なことなどをお伝えしたいと思います。

【献血は健康な人なら誰でもできる?】

ところで、献血って言うと「健康な人であれば誰でもできるんじゃないの?」と思われがちですが、意外と献血会場まで行って

「今日は残念ながらちょっと献血ができませんね。」

と言われる方って少なくありません。

献血をするためにあるいくつかのチェック項目をすべてクリアしていてもできない場合があるんです。

その原因の一つが

献血者の当日の健康状態です。

当日の血圧やヘモグロビン値を測定し、体調がよくないと献血できないことがあります。

また、過去に心臓疾患、悪性腫瘍、ぜんそく、血液疾患、脳卒中などにかかったことがあれば、できないことになっています。

このあたりは日赤のHPなどに詳しく掲載されているので、一度ご覧いただきたいのですが、

https://www.jrc.or.jp/donation/

基本的なチェック項目が大丈夫でも献血が行えない最大の理由は先程もちょっと触れた当事者の体調と血液の状態です。

日頃の体調管理はもちろんですが、何と言っても大切なことがいつでも献血できる良い【血液の状態】にしておくことです。

【いつでも献血できる良い血液の状態とは?】

事前の体調チェックで一定の水準の血液の状態でないと献血ができません。

詳しくはこれも何が何g/dl(グラムパーデシリットル)ということをここでズラズラ言われてもピンとこないと思いますので、もっと身近な日頃からの体調で質の良い血液がたっぷり巡っている状態か?を確認してみましょう。

また、ここで、血液の質や量の話になると

『私は健康診断でも貧血って言われたことないから大丈夫』

と思っている方も多いと思いますが、病院の検査で貧血となってしまったら完全アウト、ですが、

実は健診では大丈夫でも血液が十分足りてない、隠れ貧血と呼ばれる方が女性の方中心にかなりいるんです。

【改めてお伝えした『貧血』】

この隠れ貧血の方は直前になって献血ができないことが多く見られますので、献血を安全に、そして定期的にできるようにするために大切な良い血液の状態にしておく話をここからしていきたいと思います。

さて、献血を継続的に続けていくためにはたっぷりの良質の血液がなければいけません。それが満ち足りていない状態が貧血なのですが、貧血というと

「血が少ないんでしょ?」

というイメージを持っているかもしれませんが、正確には血液の量がすくないというよりも血液中の大切な成分が少ない、という風に認識してもらったほうが良いと思います。

僕らもわかりやすくお伝えするため『血液が不足している状態』とお伝えすることが多いのですが、正確にいうと血液中の成分の不足です。

何が不足しているかと言うと血液中の赤血球の数や、酸素を運搬する役割を担うヘモグロビンというタンパク質の量が不足している状態です。

これらが不足すると血液が僕らの体中にある様々な細胞・組織に十分な酸素を届けられなくなってしまい様々な不調の原因となります。

原因を知ることで対策も立てられます。

貧血対策の養生はそのまま

「元気に献血できる体作り」

に繋がりますので、ここからは貧血になってしまう原因を

西洋医学的、生理学的に見てみましょう。

【貧血の原因とは?】

貧血の原因は代表的なもので4つに分けられます。

1)過度の出血・・・月経、出産、授乳などにより大量に血液を消耗した場合や、ケガなどの外傷、各種潰瘍も過度の出血の原因となります。

2)赤血球の材料不足・・・主に食事のアンバランス、近年では若い女性を中心に無理なダイエットなどによるヘモグロビンの原料である鉄分不足が代表的な原因です。いわゆる『鉄欠乏性貧血』と言われる状態です。妊娠、授乳中はとくに鉄分が必要なので意識的にとることが必要です。

3)病気などによる造血機能の障害・・・造血機能の障害をおこす病気は様々ですが、おもに骨髄の病気です。再生不良性貧血、骨髄異形成症候群などが主の病気です。それ以外にも、重症の腎臓病(腎不全)になると赤血球を作るのに必要な、腎臓で作られるエリスロポエチンという男性ホルモンが不足してしまいます。関節リウマチでも造血機能障害が見られます。

4)赤血球を破壊する病気・・・これは『溶血性貧血』と言われる病気で、赤血球やヘモグロビンの構造の異常や免疫系の異常により、赤血球が通常より早く壊されてしまいます。これ以外の病気もありますが代表的なものだけご紹介します。

代表的なものだけでもこの4つが挙げられますが、一般的には1番と2番、過度の出血と赤血球の材料不足の方が多く見られます。

【女性に貧血が多い理由は?】

そんな貧血ですが、やはり男性よりも女性の方のほうが多いお悩み、というイメージがやっぱり強いと思います。

もちろん男性の貧血もありますが、実際の患者数でも圧倒的に女性の方が多く見られます。

原因としては女性の方が月経などカラダの仕組みとして血液をたくさん消耗するようにできていること

男性に比べると食事量が少なかったり(ダイエットなど含めて)、食べ物の嗜好として血液の材料となるタンパク質が少なめになりやすいなどがあげられています。

また、先程、腎不全で造血機能が低下する、というところでも登場しましたが、赤血球を体内で作るにはエリスロポエチンという男性ホルモンが必要なので、このあたりも男性ホルモンが豊富な男性(当たり前ですが)に比べると貧血を起こしやすい原因と言えるとおもます。

※後編に続く

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早川弘太
専門家

早川弘太(販売職)

株式会社 沢田屋薬局

医療機関などでは、忙しくてなかなか話を聞いてもらえなかったご経験ありませんか?まずお客様のお話をゆっくりとお聞きさせていただき、一緒に不調の原因を考えていきます。漢方相談と健康相談を行っています。

早川弘太プロは山梨日日新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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