コラム
カラダに熱がこもる『熱邪』タイプの漢方的夏バテ対策とは?
2021年7月20日
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どうも!
山梨県には無尽という友人関係や地域の先輩後輩、仕事関係の人たちで集まって飲み会を定期的にする集まりがあります。
(もともとは互助会的な意味合いもあり、お金の融通なども昔はしていましたが、金融リテラシーの向上などにより今では定期的に集まって食事会・飲み会をするようなグループという意味合いが強いです)
その無尽ですが、大体『〇〇会』というような名前がついているのですが、友人と作っているグループの名前を『東京卍リベンジャーズ』を見ている最中に
『この会の名前を「石和卍会」に改名しよう!』
と宣言してドン引きされた
さわたや薬房の早川です。
#この名前だと飲食店の予約がたぶんできません
さて、今回はいままで夏バテ対策についていくつかのタイプ別でお伝えしてきましたが、多分今回で一区切り、最後のタイプになると思います。
胃腸の弱いタイプ、潤い不足タイプと紹介してきたので、最後は『カラダに熱がこもりやすい』熱邪、などと中医学では言われるタイプの夏バテ対策です。
今回は
カラダに熱がこもる『熱邪』タイプの漢方的夏バテ対策とは?
というテーマでお届け致します。以前の夏バテ対策はこちらから御覧ください〜
☆潤い不足タイプの夏バテ対策
https://note.com/sawataya/n/n0ca90161a4fe
☆胃腸が弱いタイプの夏バテ対策その1
https://note.com/sawataya/n/n528006391b8a
その2
https://note.com/sawataya/n/n814fd402a3d9
原因別夏バテ対策・『熱がこもるタイプ』
今回ご紹介する熱のこもるタイプの夏バテはある意味もっともわかりやすい夏バテと言えるでしょう。
このタイプの方の原因としては暑い夏に長時間外で仕事をしたり、運動をしたりする方はもちろん、暑い室内で1日過ごすなどして過度の暑さにより体のバランスが崩れてしまっている状態などが原因として揚げられます。
屋外での仕事の方はもちろん、室内にいても暑さに対する感覚が鈍ってきてしまっている高齢者の方など、室温調節、体温調節がうまく出来ない方にも多くみられます。
ひどい場合は夏バテを通り越して熱中症のような症状になってしまうことも多く注意が必要です。
また小さなお子様など、まだ暑さに対する抵抗力が少ないことも原因の一つとなります。
体に熱がこもったときの主な症状
では体の中に熱がこもってしまうとどのような症状が起きるのでしょうか?ひどい場合は先程もお伝えしたように熱中症のようになってしまうこともありますが、そこまでいかないレベルの症状は他の夏バテの症状とも似ているものが多々ありますがいくつか念の為ご紹介したいと思います。
・熱っぽさや発熱
・顔や皮膚の赤み
・口の渇き
・不眠
・舌が赤い
・舌の苔が黄色い
・冷たいものばかり飲みたくなる
・胸が苦しい
このようなものが主な症状です。
長時間暑いところにいたりすることにより体の中に熱が蓄積されてしまい不調が起こりやすくなります。
前にご紹介した『潤い不足タイプ』の方が、夏バテするのは潤す力の不足で、ちょっとした暑さでもバテてしまうのに対して、熱邪は潤す力がある程度あっても追いつかないほど暑さの影響を受けている状態と言えます。
このような強烈な熱によるカラダへの影響を中医学では『熱邪』という風に呼びます。この熱邪がカラダにたまると様々な不調を起こすと考えられています。
特に熱とつながりの深い五臓である『心』は熱邪によって不調が起きやすい場所のひとつです。
心は『こころ』なので、メンタル的な不調が起こることもありますし、見た目も赤ら顔になったり、カラダのほてりや熱感が強くなったりすることがあります。
体に熱がこもると、本来、体温が下がってくることで眠気が起きてきますので暑さによって体の熱を冷ますことができず不眠になったりすることがあります。
熱が過度になると、以前にご紹介したカラダの潤い不足にもなってしまうので、舌が煮詰まったように真っ赤になったり、舌の苔も熱により黄色く煮詰まったようになります。
カラダに熱がこもっている方の養生法
このような体の中に熱がこもってる方の多くは物理的な暑さで身体にダメージを受けてることが多いです。
なのでシンプルに体を冷やしてあげることももちろん効果的です。
首筋や額などを冷たいタオルで冷やしたりすることは暑い場所で仕事をしたりする時には効果的だと思います。熱中症対策にもなるでしょう。
体に熱がこもっているので他のタイプの夏バテの方に比べると冷たいものをとることによる身体のダメージは比較的少ないでしょう。
ですが、冷え冷えの物を沢山取る必要はもちろんありません。
上手に活用するのであれば、氷を口の中に入れて少し冷やしてあげたり
冷たい飲み物をガブガブ飲むのではなく『口腔内を冷やす』というイメージで冷たさを口の中で楽しんでから飲み込むという形で飲むと良いでしょう。
このような方が「スッキリしたいから」と熱いお風呂に入ったり、サウナに入ったり、暑い中ジョギングなどをして過度の発汗をしてしまうことは、確かに気分はスッキリするかもしれませんが体には逆効果です。
サウナは控えて、入浴も高温浴などに過度に入りすぎないように注意しましょう。運動もせめて水泳や涼しい時間帯のウォーキングにするなどセーブするのがおすすめです。なんでもやればよい、というものではありません。
熱がこもったときにオススメの食養生
熱がこもってしまう方には 体の熱を取る良性で苦味のある食材がおすすめです。
また、暑さで水分を過剰にとってしまう方も多く、カラダの水はけを整える利水作用のある食材もおすすめです。
話がすこしそれますが、水分をガブ飲みしすぎてカラダの中に余計な水が貯まると、中医学では『湿邪』といって不調を起こす原因の一つと考えます。
この湿邪に今までお話した熱邪、熱が加わると『湿熱』と言って、うだるような暑さの熱帯雨林のように暑さと湿気でカラダが重ダルくなり、非常に体調が悪化します。
なので、暑い夏に利水作用がある物を食べることは湿熱の予防にも繋がります。
そんな都合の良い条件が揃った食べものがあるのでしょうか?
実はその全てを備えている食べ物があるのです。
それが夏こそ本領を発揮する『ウリ科』の野菜です。
最も身近なウリ科の野菜はやはり『キュウリ』でしょう。
きゅうりの働きは何度かnoteでもお伝えしているので皆さんご存知だと思いますが
体の中の余計な熱を冷ましてくれる清熱の働きや
喉の渇きを納めてくれたり、体の余計な水分を排泄してくれる働きがあります。
栄養学的にもカリウムが非常に豊富で塩分の排泄を助けることで体の水分バランスを整えてくれます。
そして沖縄料理の定番ゴーヤもこの時期に活用したい野菜の一つです。
ゴーヤにも体の熱を冷まし夏の暑気あたりを改善する働きがあると薬膳的には言われているのでゴーヤチャンプルなどにして、体に熱がこもりやすい方は積極的に食べるようにしましょう。
実は凄いぞ!ゴーヤチャンプル
ところでこのゴーヤチャンプル、実は非常に理にかなった料理なのです。
ゴーヤは今お伝えしたように体の中の熱を冷ます野菜です。
ゴーヤチャンプルに使う肉といえば豚肉ですが、豚肉はお肉の中では涼性や平性に分類されており、鶏肉や牛肉のように熱を生み出すことはありません。
そしてゴーヤチャンプルに入ってるものといえば豆腐と卵ですが、豆腐も実は熱を冷ます涼性の特徴をもち、体にこもった熱を収める働きがあると言われています。
卵は平性の食べものですが、黄身は温性、白身は涼性というバランスが取れた料理なのです。
暑い沖縄で体の中で熱をこもらせない料理という意味でこれ以上のものはないと思います。
暑さで食欲が低下し、 タンパク質不足なども心配されるので、肉、卵、豆腐でタンパク質の補給もできるゴーヤチャンプルは夏バテ対策最強の一皿と言えるでしょう。
夏のデザートの定番「スイカ」その恐るべき力とは?
そして、暑さに負けないための夏のデザートといえば定番のスイカがやはりおすすめです。
スイカは水分補給だけでなく、天然の白虎湯と言われるほど体の熱を冷ましてくれる、実はすごい力を持っているのです。
白虎湯とは熱症の症状を改善する漢方薬ですが、それぐらい暑さでこもった熱を収める働きがあると昔から言われてきました。
イライラも納める働きがあると言われているので、暑くてイライラしたのおやつやデザートにはスイカがオススメでしょう。
ただしウリ科の野菜は冷え性のある方は食べ過ぎには注意しましょう。
体の熱を冷ましてくれるので冷えている方はその冷えを強くしてしまう可能性もあるので、食べ過ぎには注意が必要です。
ハーブが好きな方はミントを活用するのがおすすめです。
ミントティーにしたり、水にミントを入れて香りをつけたりして飲むのがおすすめです。
ミント=薄荷は漢方の生薬としても活用されており、カラダの中の余計な熱を冷ます清熱作用があると言われているので、上手に活用しましょう。
一口に『夏バテ』と言っても症状も原因も様々です。
中医学では同じ病名でも原因によって治し方も使う漢方薬も異なると考えています。
症状や病名だけにとらわれず原因からしっかり考えて養生も選んでいきましょう。
特に夏バテや熱中症は急に症状が現れる場合もあります。未然に防ぐためにも自分の体質をしり、体調を理解して、夏の体調不良を未然に防ぎましょう。
今回はカラダに熱がこもってしまう『熱邪』タイプの夏バテ対策についてお届け致しました。
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