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多汗症対策②〜汗が出ると止まらない!多汗症の漢方的養生&対策法

早川弘太

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どうも!

小学生ぐらいの頃、寿司を食べながら汗をかいていてバカにされた記憶があります(兄弟にかな?)。

今考えると食べている側から代謝をしているというサイヤ人のようなものだったのでは?と感じています。

さわたや薬房の早川です。
さて、多汗症についてですが、多汗症が気になる多くの方が『多汗症 漢方』でしらべてでてくるのが

補中益気湯と防已黄耆湯でしょう。

今更ですが、この2つがすべての多汗症に適応するとは皆さんも思っていないと思いますが、繰り返しになりますが『病名』で漢方薬を選ばないようにしましょうね。

ちなみに補中益気湯は気を補って汗の出過ぎを整える、防已黄耆湯も気を補って汗のですぎを抑えながらカラダの余計な水を出してくれるものなので、前回ご紹介した元気不足タイプの方の一部で使えるものなので

気が不足していない方が服用しても水太りも多汗症にも効果があまりないのでご注意くださいね。

さて、改めてですが、前回は多汗症対策として、

食べ過ぎ、飲み過ぎで体のなかに余計な湿熱が溜まってしまい、ちょっとでも動くと体から汗が漏れ出てしまう、極端な例でお相撲さんを例えにご紹介した

『水分過剰摂取・湿熱タイプ』

と、先程もちょっとでてきた、体の元気が不足して汗がでると漏れ出す、止める力が不足して止まらない『元気不足の気虚タイプ』

この2つの多汗症の対策をお伝えしました。

今回は後半で2つの事例をご紹介したいと思います。

前回と今回で4つの事例をご紹介しますが、当然、これが全てではありません。

多汗症は低血糖のときなどもおこるので、体の異変が何かあるときは『汗ぐらいで』とは思わずに、随伴症状がある場合は医療機関をきちんと受診して診断をしてもらうことが大切です。

思わぬ病気が隠れていることもありますので、注意をしましょう。

大きな病気が原因ではなくて、体のバランスが崩れていて汗のコントロールが上手くいかない時こそ漢方がおすすめです。

漢方は心と体のバランスを整えることが大きな役割です。

自分の体がうまくコントロール出来ず、過度に汗が出てしまうのを整えるには漢方の知恵、中医学を活用することはとてもおすすめですので、前回と今回の多汗症対策が役に立てばとても嬉しいです。

それでは今回の2つの多汗症の原因と対策を見ていきましょう。

☆冷ます力不足で汗が出すぎてしまう・『陰虚』タイプ

まず最初は体の熱をうまく冷ますことが出来なくて汗が出すぎてしまうタイプです。

中医学的には『陰虚タイプ』などと言われます。

陰とは中医学では体の潤いなどとも考えれており、この潤いが不足すると体の中に余計な熱が発生してしまい汗が出すぎてしまうと考えます。

4つの事例の中では一番わかりにくいかもしれません。

このタイプの代表は更年期による多汗症です。

色々なパターンがありますが、

汗かきのようにみえない女性でもホットフラッシュと言われるようなほてりやのぼせのような症状を伴って汗がとまらないというタイプの多汗症がその一つ。

顔や手足のなどは暑くて汗が出るのですが、体の内側やお腹、お尻、太ももなどが冷えている場合が多いのです。

例えるなら

『かき混ぜていないお風呂』

のような状態で、体の下半分は冷えているのですが、巡りが悪いため、熱が上に全部集まってしまって上半身だけ暑くなり、顔など中心にその熱から大量の発汗をしてしまう、という中医学の考えです。

また、汗をかくというと体に大量の熱があるとき、暑い時、と思うかもしれませんが、この陰虚タイプの方は陰という体を潤す物が少ないので、体の中の熱を抑えることがうまく出来ません。

砂漠のように乾燥したところは熱が発生しやすいですよね。

加齢により、体の中の潤いをコントロールする『腎』という場所が弱ってきてしまうと、しっかりと体を潤すことができなくなってしまい、少しの熱でも過剰に感じてしまうのです。

腎の働きについては更年期対策のコラムにて詳しくご紹介しているので、よかったらそちらをぜひ御覧ください。

女性は『7の倍数』で体が変わるという中医学の考えを聞いたことがある方もいると思います。

7の倍数で何が変わるかというと、体を潤す『腎』の働きなのです、潤いが不足したら汗が出なそうですが、熱を冷ますことができなくなるので、ちょっとした暑さでも過度に汗が出てしまうのです。

・漢方的養生法

このようなタイプの多汗症には体の潤いを養う『補腎』ということが大切です。

腎は冷えに非常に弱いので『体を冷やさない』ことが大切です。

汗をかくなら冷やす、というのが定石ですが、夏場は必要以上に温める必要な無いのですが、かき混ぜていないお風呂の話をしたように、このタイプは全身が暑いわけではありません。

冷やしすぎてしまうと、夏冷えなども起こり、カラダの機能を低下させてしまうので、冷たいものを取りすぎたりして過度にカラダを冷やさないようにしましょう。

飲み物は普段口にするものは基本的に常温にしておきましょう。
冷たいものは外食や暑い時間帯の口の潤し程度にしておきましょうね。

カラダの潤いを養う

『補腎の食養生』

その基本は『海の物』です。

ワカメ、昆布、ひじき、海苔などの海藻類、魚介類などのようにミネラルが豊富な物をしっかりと食べておきましょう。

『黒い食べ物は腎を助ける』

と言われているので、こちらもミネラルが豊富な黒糖、黒ごま、黒きくらげ、などもおすすめです。

辛いものを食べすぎて発汗を促したりして潤いを余計に減らさないように注意しましょう。

☆ストレスで体温調節が乱れて汗が出すぎる・気滞タイプ

最後はストレス等で自律神経の乱れが発生して、体温調節がうまくいかなくなり、過度に汗がでてしまうタイプ。

中医学的には『気の巡り』が上手くいかなくて、カラダのコントロールが上手くいかなタイプと言えると思います。

発汗自体はもともと、主に体温を下げるためにカラダの体温調節中枢が指示を出して出させます。

この体温調節中枢は当然、カラダのコントローラーであり、運転手とも言える自律神経とのつながりが深く、ストレスはもちろん、先程もでてきた更年期、ホルモンバランスの乱れから自律神経が乱れてしまい、体温調節がうまくいかなくて大量の発汗をしてしまうとう状況も起こってしまいます。

そしてストレスと発汗も非常に関係深いことは皆さんも御存知でしょう。

緊張したときに冷や汗が出たり、顔がカッと暑くなり汗が出たり、手や足に緊張から大量の汗をかく方もたくさんいらっしゃいます。

中医学の場合、多汗症と一緒に

日頃からイライラする

クヨクヨしやすい

心配症や不安症などがある方や

不眠症のように

明らかな気分的な症状がある場合は気の乱れと考えて気の巡りを整える漢方などを使って整えます。

この気の巡りが悪くなる状態を『気滞』と言って、気が滞る、といいますが、この気滞は気分的な症状だけではありません。

多汗症に加えて、気分症状以外にも、胃腸の調子が悪い、お通じが悪い、月経前になると胸や脇が張るような痛みがある、肩こりや頭痛、生理痛などの症状がある場合は気の巡りを整えておくと良いでしょう。

・漢方的養生法

ストレス過多の気滞タイプの方はとにかくリラックスが大切です。

特に怒りはカラダの中で熱を生み(頭に血がのぼる、頭を冷やせ、などといいますよね)余計な発汗を生み出すのでイライラしやすい方は要注意です。

生活の中で気の巡りを整える養生はなんと言っても『深呼吸』です。

怒りのピークは6秒程度と言われています。

『カッとしたら深呼吸』
『汗が吹き出したら深呼吸』

深呼吸は副交感神経を優位にして心とカラダの状態を落ち着かせてくれます。

忙しくなったり、テンパってしまうと汗がいつも以上に吹き出る方はしっかりと心とカラダを落ち着かせるために深呼吸をしっかりしましょう。

コツは1吸って、2吐く。これが基本です。例えば4秒鼻から吸って、口から口からゆっくりと8秒ぐらいかけて吐く感じです。

運動は『ゆっくり』がおすすめ。ゆっくりウォーキングやヨガ、ストレッチなど『ゆっくり』をテーマにしてカラダを整えましょう。

早口の方はゆっくりしゃべるように意識したり、早足の方は少しゆっくり歩くようにすることも気分を落ち着かせて、体温調節機能にもプラスの効果が期待できます。

食養生は『香りの良い食べ物』がおすすめ。

香味野菜、ハーブ、薬味など好きな香りの物があれば食卓で積極的に活用したり、ハーブティーなどもどんどん取り入れましょう。

このコラムでも何回も出てきたので、ストレス系のコラムをまとめてある僕のnoteのマガジンをぜひご覧ください。

https://note.com/sawataya/m/m018e86e5f666


☆多汗症も原因が大事・カラダの状態をよく見てみよう

前回と今回の2回にわたり多汗症についてお届けしました。


汗がたくさん出すぎてしまうのには必ず何か理由があります。その原因をカラダ全体の調子や今の生活環境、それまでの生活環境をよく見つめて考えて見ましょう。

きっと多汗症の症状も楽になるとおもいます。

多汗症は前回もお伝えしましたが、もともとの汗をかきやすい体質などもあり、諦めてしまう方も少なくありません。

体質で出やすい汗はある意味仕方ないのですが、カラダの弱りで出過ぎる汗は体調を整えることで楽にすることは可能だと思います。

汗は僕たち人間が体温を調節するために備えているとっても大切な機能です。

その機能をしっかりと活用して、元気に美しく生活できるように、ぜひカラダの調子を整えて行きましょう。


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7月のテーマは『温泉&入浴を活用した養生法』

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僕の漢方相談・健康相談ご希望の方はお気軽にご連絡ください。
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早川コータの漢方専科・さわたや薬房HP

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心やカラダの調子で気になること、将来的な病気の予防のために今から自分でできる養生の方法などを相談したいという『健康コンサルティング』を行っております。

また、体調のことや治療中の病気のことなどお薬不要で相談だけしたい、セカンドオピニオン的な健康相談などをしたいという方はこちらから
(相談は有料となります。専用HPより事前申し込みをお願いいたします)

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◆早川コータがお伝えする各種養生情報

☆『コータの漢方的養生チャンネル』毎日10分・心とカラダの健康サポート情報をお届けするネットラジオ番組です。

You Tube版 

https://www.youtube.com/channel/UCe0GXMenFOWsk5CJnZCpEGw

☆インターネットラジオ・ポッドキャストでも配信中

音楽配信サイト・Spotify版「コータの養生チャンネル」

https://open.spotify.com/show/3lnveQxLCKF5U8jvULFnD1?si=Ntz-CqvXTKKJpupkZHwLiQ

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