今日は『いい風呂の日』毎日湯船に入っていますか?【温泉入浴指導員 早川コータ】
サム〜い冬、こんな時期はやっぱり温かいお風呂が良いですよね。
何度かお風呂と健康の話はしておりますが、寒い時期は健康にもなるし、実はお風呂の事故もとっても多いのです。
僕のお店がある山梨県笛吹市石和町には石和温泉という温泉があります。
そんな温泉街にすむ僕は温泉好きがこうじて『温泉入浴指導員』という安全で健康的な入浴を指導する資格を数年前に取得しました。
今日はそんな温泉入浴指導員・早川コータがおすすめする安全な入浴法をご紹介します。
僕は幼い頃より温泉が身近にありましたので、とても恵まれていました。
また、笛吹市内には数多くの公共の温泉があり、市民を中心に多くの人で賑わっています。
さて、暖かいお風呂に入ることは冬のひとつの楽しみですが、そんな冬だからこそ注意したいことがたくさんあります。
☆寒暖差でおこる「ヒートショック」
まず最初に『ヒートショック』という症状をお話したいと思います。
ヒートショックとは急激な温度変化がカラダに負担を与えるというものです。急激な温度変化で体に負担を与える状態をさします。
近年このヒートショックが非常に注目をされております。
ヒートショックは心筋梗塞や脳卒中の原因になると考えられます。
高齢者はもちろんですが、寒さをあまり我慢せずに室内でも寒暖差をなくす工夫をするべきです。
平成18年度の人口動態統計によると・・・・
・浴槽内での溺死及び溺水による死亡数・・・約3700人
(うち65歳以上が87%・3234人)
それほど多い数には思わないかもしれませんが、これにお風呂を出たあとを含めると・・・
1万4千人ぐらいになるのでは?という話もあります。
それぐらい身近なことですが注意が必要なんですね。
実はめちゃくちゃ多いお風呂での事故
ちなみに身近な事故とも言える交通事故ですが、これは年々減少しており、平成22年の交通局のデータによると平成21年の交通事故での死者数は約4000人。
入浴に関連しての事故の多さが実感できると思います。
話を戻しまして、「ヒートショック」です。
ヒートショックは入浴の時だけ起こるわけではなく、急激な気温差によりおこる事故です。しかし、入浴時に多く起こることが知られております。
暖かい部屋から寒い脱衣場、寒い浴室に移動するとカラダはどんな変化を起こすでしょうか?
寒さにより血管が急激に収縮して血圧が上昇し負担がかかります。
また、急激な血流の変化で血管を塞いでしまい、これが心臓だと・・・・
心筋梗塞
脳内の血管なら・・・・
脳卒中
このようなトラブルが起きやすくなります。
このようなトラブルは血流が悪い方や、血管がもろくなっている方に非常に多く出やすいトラブルです。
病気や薬の服用のしすぎで血管がボロボロの方。
内臓疲労により血流が悪い方(肩こり・頭痛・高血圧・低血圧の方は言うまでもありませんが)
このような方は特に注意が必要です。
予防のポイントは日頃の健康管理はもちろんですが、日頃のちょっとした工夫です。
代表的な方法は脱衣場に暖房をつける、入浴する前からシャワーを出すなどして暖かい蒸気をだして浴室を温めておくなどの工夫が必要です。とくに脱衣場はリビングとの温度差は5℃ぐらいまでが負担が少ないと言われているのでご注意くださいね。
お年寄りの方は一番風呂よりは浴室が温まった2番目、3番目の入浴のほうがおすすめですね。
そして入浴の時の一番の注意点。
冬の入浴の注意点
それは「サブ~ン」と入らないこと・・・・
急激にお湯の中に入ることは非常に危険。
温度が急激に変わることで、ヒートショックに近い症状がでたり、
それほど感じませんが、お風呂ぐらいの水位でも立派な水圧があり、それにより心臓などが圧迫されます。
急激な入浴は静水圧により圧迫されてカラダに負担がかかります。
十分ご注意ください。
☆空腹で入浴しない
意外と知られていませんが空腹時の入浴は避けましょう。入浴により急激に血糖値が下がることがあり、低血糖発作などを起こしやすくなります。
温泉旅館につくと、お茶とお茶菓子がおいてありますよね?_
あれは到着したらすぐに温泉に入るのではなく、一休みして、お菓子で糖分をとり、体調を壊さないようにする工夫のひとつなのです。
空腹のときはお腹に少し物を入れてから入浴しましょう。
☆激しい運動のあとは休息をとってから
マラソンや登山のあとなど、汗をかいたあとのお風呂、からの生ビールなどは本当に最高ですよね!
しかし激しい運動をしたあとに急いで入浴するのはご注意ください。
入浴は発汗をともなうので、肉体的には疲労となります。
激しい運動をしてすぐに入浴すると脱水をおこしたり、思わぬ体調不良につながるので注意しましょう。できれば1時間ほど休息をとってから温めのお風呂にゆっくり浸かるのがオススメです。
☆健康入浴6か条
お風呂は最高のリラックスタイムであり、身近な健康法です。それだけにしつこいですが安全に入りましょう。
最後にご紹介するのがコータ流「健康入浴6か条」です。
寒い冬場はもちろん、一年通して安全に入浴するためにもぜひやってみてくださいね!
温泉街の温泉入浴指導員コータおすすめの健康入浴法
①まずは下半身からゆっくりかけ湯
②足からゆっくりと湯船に入り
③腰、そして胸とゆっくりとつかる
④全身浴は控えめに、半身浴でも浴室全体が暖かければ十分カラダは温まります
⑤入り過ぎにも要注意!個人差はありますが、うっすら汗をかくぐらいで
⑥高温は交感神経を優位にさせて結果として血流を悪くします。40℃前後の微温浴で副交感神経を優位にしてカラダをいやしましょう
※入浴方法は体調により注意することが異なります。体調不良や病気をお持ちの方は必ず医師や専門家まで確認をしてください。医師に入浴を制限されている方は医師の指示を必ず守ってください。
(この原稿は2018年公開の原稿を改定、加筆したものです)
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