抗アレルギー剤で大丈夫? 漢方で花粉対策 【山梨 漢方 沢田屋薬局】
寒い冬が終わると温かい春がやってきますが、それと同時にみなさんが『今年はどうかな・・・・?』と心配しているのが『花粉』でしょう。
花粉の飛散量は毎年変化しますが行える予防は限りがあります。
特に今年は新型コロナウイルスの発症でマスクが品薄となっており物理的な予防対策が例年より厳しくなることが予想されます。
今回のコラムではマスクなどの予防グッズがなくても自分自身で行える花粉症対策をお届けしたいと思います。
☆ポイントは食養生
花粉症対策でもっとも重要なのはなんと言っても『食養生』です。食物アレルギーなどもあるように食べ物とアレルギーは切っても来れない縁です。
中医学では食べるものすべてに作用や副作用があると考えていますから食養生の知恵を上手に使うと予防はもちろん、悪化を未然に防ぐことも可能です。
☆中医学では『衛気(えき)』という体のバリア機能低下が原因の一つ
中医学では体の中の『気』の一つ『衛気』という気が不足すると体のバリアのような機能が低下して体を防御するシステム『免疫バランス』が崩れると考えます。
低下する原因は体力低下、睡眠不足、ストレス、老化や子供ならではの弱りなど様々です。
衛気が不足しやすい生活習慣があるのでこんな生活の方は要注意です。まずは衛気が不足しているか?生活習慣からチェックして見ましょう。たくさん当てはまる方はこのあとのご紹介する食養生や生活養生を実践してみてくださいね。
・コンビニ食、冷凍食品、インスタント食品、外食が多い(食事の乱れ・ミネラルバランスの乱れ・味の濃い物や水分の過剰摂取等)
・午前0時以降の就寝、慢性的な睡眠不足
・仕事や家事のしすぎで疲れが溜まっている
・職場や家庭でのストレスが多い
・運動をほとんどしない
・風邪をひきやすい、治りにくい
・体温が低い(36℃以下)
・冷え性がある
などです。衛気の不足は先ほどもお伝えしたとおり、体力低下や疲れ、ストレスなどで低下しますのでまずはしっかりと休息と睡眠をとり、できるだけリラックスした時間を取りましょう。
ストレス過多の方は深呼吸やゆっくり歩くウォーキング、考え事から一時的にもでも気をそらすことができる楽しい時間(趣味など)、目標を設定するなどやりがいのある日常を過ごすようにしましょう。
☆衛気不足の食養生
まずはシンプルに火を入れた野菜を中心に気を補う食材を積極的に取りましょう。
☆気を補う食材〜お米、山芋、じゃがいも、卵、豆類、人参、きのこ類、鶏肉など
☆実は注意したい食品も
薬膳的は花粉症などのようなアレルギー症状が起きている時に注意したい食品もあります。それが『もち米』です。
もち米自体は熱を高めて気を補うのですが、鼻炎やアレルギー性の皮膚炎などのような『炎症』を伴う症状があるときは温める体の熱を高めてしまい炎症を悪化させます。鼻炎の時期は注意をしましょう。
☆果物や野菜にも注意
そして最近知られてきた花粉症の時期に気をつけたい食養生に『花粉・食物アレルギー症候群』と言われる症状があります。
これは食べ物に含まれているアレルギーを引き起こす物質が、花粉症の原因となる花粉に含まれる原因物質と構造が似ていて、体の免疫がこの食べ物にも反応してしまって花粉症が悪化する、というものです。
果物や野菜などは『体に良いから積極的に』と思って食べていた方も種類によって注意が必要です。
ヒノキ科のスギ花粉は実はみなさんもたくさん食べている『トマト』に注意が必要です。トマトはとっても体に良い素晴らしい野菜なのですがスギ花粉症のある方は花粉の飛散時期である2月から5月のあいだは注意をしましょう。
シラカバやハンノキ、などのカバノキ科の花粉の方はリンゴ、さくらんぼ、ももなどのバラ科の果物。それ以外にも野菜で、セロリ、人参、じゃがいも、大豆(豆乳)、ヘーゼルナッツなどにも注意が必要とのことです。
(食物アレルギー診療ガイドライン2016・毎日新聞を参考)
☆生で食べる物、冷えるものにはご注意を
果物や野菜などで注意が必要な物をお伝えしましたが、花粉症がある方はぜひ症状がある場合は『生で食べる物』には注意しましょう。
果物や野菜のアレルギーの方も火を通して食べると大丈夫という方がかなりいます。
また、魚などもお刺身のような生のほうが基本的にアレルギーが出やすくなります。
花粉症の時期は体のアレルギースイッチがオンになっているのでわざわざその時期にアレルギーを起こしやすい生の物を食べる必要はありません。
できるだけ症状を楽にするためにもできるだけ火を通した状態で野菜なども食べるようにしましょう。
冷たいものにも気をつけましょう。体が急激に冷えると血管収縮性鼻炎のような寒暖差のアレルギーが起こりやすくなります。
生のもの同様、冷蔵庫から出してそのまま食べるような冷たいものは花粉症の時期にはできるだけ避けましょうね。
アレルギーは個人により症状に差があります。アナフィラキシーショックのように命に関わるような場合もありますので、食べ物等が気になる方は主治医や相談されている医療機関、薬局等できちんと相談されるようにしてください。
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