食養生で大切な事は・・・
薬食同源ということで5つの味、「五味」についてご紹介して参りました。
料理のプロの方などがたくさんいる中で「味」について語るのも恐縮ですが、いわゆる料理の味付けの考え方とはことなる見方でご覧いただければと思います。
前回もご紹介しましたが、食養生に関しては3つの点が大切だと思います。
①料理学的考察(栄養学的考察)
②現代医学的考察
③漢方学的(薬膳的)考察
この3つの知識を上手く合わせて考えていくことが大切と考えます。
たとえば「アサリ」という食材。
料理学的、栄養学的にみると「アサリ」はビタミンB12、鉄分、カルシウム、などのミネラルも豊富です。
このアサリの栄養素をしっかりと取る食べ方は皆さんおなじみの「酒蒸し」や「吸い物・味噌汁」などです。この2つの調理法、昔から伝わっていますよね。とても理にかなっているのです。
大切な栄養素であるミネラルなどはアサリの殻に含まれているので殻ごと使用する料理はしっかりと栄養素が取れるのおすすめです。
古くから伝わる料理の知恵は本当に理にかなっています。
いわゆる「おばあちゃんの知恵袋」的な食養生方法は現代科学により非常に科学的にも根拠があるというものが数多く発見されています。凄いですね~!!
次に現代医学的にみると、どうでしょう?
最近のTVなどのマスコミなどはこの「現代医学的」見方をとくにクローズアップしすぎる傾向が高いため少々問題が起きることも少なくありません。
アサリはビタミンB12豊富でタウリンと一緖に血中のコレステロールの増加を抑制し、肝臓の働きを助けます。
この一文だけを誇張して取り上げると、「アサリを食べるとコレステロールが下がる」
というまったくもって誤った情報になってしまうのです。
アサリを沢山食べても決してコレステロールは下がりません(笑)
コハク酸という糖の代謝に関与する成分もアサリには豊富に含まれていますが、アサリをたくさん食べると糖尿病にならないということは決してありませんのでご注意くださいね。
現代医学的な見方も非常に良いのですが、伝わり方に問題があることが非常に残念です。
次回のコラムでは3つの視点の最後、漢方的考察についてお届けします。