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松原昌洙

共有名義不動産の売買、仲介に強い不動産会社社長

松原昌洙(まつばらまさあき)

株式会社中央プロパティー

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コラム

土地と建物の権利を交換したい!「持分の交換で問題解決」

2018年10月30日 公開 / 2018年11月6日更新

共有不動産で共有関係を解消したいとき、土地や建物といった資産の、持分の権利を交換する方法があります。不動産の等価交換とも呼ばれています。

共有者の間で、多額のお金を受け渡しする必要もなく節税面でもメリットが高い方法です。

しかし、資産を交換した後、その後の維持管理が難しいこともあるので、不動産関係の専門家にアドバイスを受けて対策を講じるようにしましょう。

持分の交換

土地と建物の権利を交換した事例

親が残した賃貸アパート2棟を兄と弟の2人が共有名義で相続しました。持分は2分の1ずつです。

その後、兄がこのアパート2棟を売却したいと弟に相談しましたが、弟は賃料収入を引き続き得たいと考えており売却には反対しています。

この場合、アパート2棟はそれぞれ不動産評価額が同じだったことから、共有不動産の持ち分の権利の交換をして、兄と弟がそれぞれアパート1棟ずつを所有することにして、共有名義を解消しました。

土地と建物の権利を交換した事例

その後、兄は自分の所有しているアパート1棟を売却し、弟は自分の単独名義の賃貸アパート1棟の賃貸経営を続けることができました。

不動産の等価交換

この事例では、もともと賃貸アパート1棟における権利を2分の1ずつ所有し、さらに権利を共有する賃貸アパートが2つあったわけですが、お互いに自分の持分の権利を交換して、1棟ずつ所有する権利に変えたということです。

共有不動産が単独名義になれば、持ち主の意志のみで不動産の売却や変更をすることができるようになります。

事例では持分の交換を行いましたが、土地や建物も条件を満たせば交換をすることができます。これを不動産の等価交換と呼んでいます。

不動産の等価交換は、法律で定められた「固定資産の交換の特例」に基づいて行われます。

固定資産の交換の特例

「固定資産の交換の特例」とは、土地や建物などの固定資産を同じ種類の固定資産と交換した時、譲渡がなかったものとする特例を言います。

その内容は次のようになります。
(注:国税庁ホームページ No.3502 土地建物の交換をしたときの特例 より抜粋)
 
(1) 交換する資産は、いずれも固定資産であること

(2) 土地と土地、建物と建物というように、同じ種類の資産を交換すること

(3) 交換により譲渡する資産は1年以上所有していたものであること

(4) 交換により取得する資産は、交換の相手が1年以上所有していたものであり、かつ交換のために取得したものでないこと

(5) 交換で取得する資産は、譲渡する資産の交換直前の用途と同じ用途で使用すること

(6) 交換で譲渡する資産と取得する資産の時価に差額があれば、高い方の資産価格の20%以内とすること

資産価格の20%以内

交換をする資産は、以上の条件を満たさなければなりません。

もし、特例を受けていても、相手から交換で生じた差額分のお金を受け取っているときは、その金額が譲渡所得として所得税の課税対象になります。

この特例を受けるためには、確定申告書にてその明細を記載し、必要書類を添付して提出しなければなりません。

共有不動産の権利を交換するメリットとは

共有不動産を長く持ち続けていると、共有者の間でトラブルが起こりやすくそのたびに時間をかけて問題を解決しなければならなくなります。

共有不動産は、できる限り共有関係を解消する方向で不動産を整理するのが理想的ですが、共有者間の協議がうまくいかずに、状況を変えることができないで年月が経ってしまうこともあります。

共有不動産の持分の交換や、不動産の等価交換などの方法は、権利の交換をするだけなので、売買が発生しません。
多額の資金を用意する必要がなく、共有関係を解消できるメリットがあります。協議がうまくいけば、共有者全員の希望に近いゴールにたどり着ける可能性もあります。

そして「固定資産の交換の特例」を受けると節税効果も高くなります。

等価交換をするデメリットとは

事例では、共有不動産だった2棟の賃貸アパートの資産価値が同じだったことから、持分の交換がスムーズに行えましたが、実際、交換する資産の形や価値は一致しないことが多く、資産価値に差があるものを交換すれば、贈与とみなされて贈与税が課税されることがあります。

互いに協議を行い、過不足があるときは、双方に不利益にならないよう調整しなければなりません。

実際には、この事例のように全く同じ価値のものを交換できることはほとんどありません。そのため、自分がイメージしていた交換が実現できなくて、損をしたと感じてしまうこともあります。

また、交換で得た資産のその後の運用において思わぬ税金がかかることもあります。

等価交換をして共有関係が解消できても、その後の不動産管理や税金の支払いで負担が大きくなり頭を抱えてしまうこともあります。

等価交換を行うときは、目先の利益だけでなく、長い目でその後の経費なども十分に考慮して新しく取得する不動産の管理を行っていかなければなりません。

このような大切な資産を維持、管理していくには、不動産の専門家や税理士などからアドバイスを受けながら自分の負担にならないようにしていきたいものです。

この記事を書いたプロ

松原昌洙

共有名義不動産の売買、仲介に強い不動産会社社長

松原昌洙(株式会社中央プロパティー)

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