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松原昌洙

共有名義不動産の売買、仲介に強い不動産会社社長

松原昌洙(まつばらまさあき)

株式会社中央プロパティー

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コラム

相続にともなう共有不動産の相続登記の方法

2018年11月1日 公開 / 2018年11月7日更新

不動産の遺産相続は、法律では相続の権利を持つ親族にそれぞれ分けて相続するように定められています。

しかし、必ずしもその通りにする必要はなく、遺言で決まることもあれば、遺産分割協議を経て、相続人で共有不動産の持分の権利を決定して相続登記することも可能です。

ここでは、不動産の遺産相続において共有不動産名義で相続登記する手順を紹介します。
なお共有不動産は、その後共有者の間で不動産の扱いをめぐってトラブルが発生することが多いため、できれば共有不動産名義を避けて相続をするべきです。

相続にともなう共有不動産の相続登記の方法

不動産を相続する時に行う相続登記とは

遺産相続で不動産を相続することになった時、親の名前で登記していた不動産を相続人の名前に変更する必要があります。これを相続登記と言います。

相続登記は「被相続人の死後何日までに行う」といった決まりはなく、変更せずに放置しておいても法律違反にはなりませんが、時間の経過とともに相続人の数が増えるなどして、遺産分割協議がまとまりにくくなるリスクが出てきます。

不動産の遺産相続が発生すれば、弁護士などの専門家の力も借りながら、相続の権利を持つ親族間でできるだけ早急に遺産分割協議を行い、その分配方法について結論を出して速やかに相続の手続きを済ませておくべきといえます。

相続登記を行うまでの経緯

相続登記は、次のような経緯を経て行われます。
主に3つのパターンがあります。

(1)遺産分割協議を経て相続登記
相続人が2人以上で遺言状がない場合、話し合いで遺産を分け合い、遺産分割協議書を作成したのち共有不動産名義で相続登記を行います。

(2)遺言に従った相続登記
遺言に従い相続登記を進めます。
しかし、相続人全員が合意すれば、遺言通りに相続しなくてもよく、遺産分割協議を行い、共有不動産の持分割合を自由に決めることができます。

(3)法定相続分で相続登記
相続人の間で分割協議がまとまらないとき、相続人単独で法定相続分の持分の相続登記ができる方法です。
共有不動産名義で相続登記をします。

不動産の相続登記の手順

(1)登記手続きの場所
名義変更をする不動産を管轄する法務局

(2)誰が申請するか
遺言で指定された人、法定相続人、遺産分割協議で決定した法定相続人の代表者など

(3)必要書類
・ 登記申請書
・ 相続の対象となっている不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)
・ 被相続人の住民票の除票(本籍の記載が必要)
・ 被相続人の死亡から出生までの戸籍謄本一式
・ 相続人全員の現在の戸籍謄本(最終本籍地記載のみでOK)
・ 遺産分割協議書または遺言書
・ 相続人全員の印鑑証明書
・ 不動産を相続する相続人の住民票
・ 相続不動産の固定資産評価証明書
・ 申請書に押印した印鑑(書類訂正時に必要)

(4)登記申請書記入方法
不動産の所有者が1人の場合と、共有不動産として相続する場合を紹介します。

【単独名義の場合】
登記申請書

登記の目的:所有権移転
原因:平成○○年〇月〇日 相続
相続人: (被相続人 山本太郎) 山本 次郎

【共有不動産名義の場合】
登記申請書

登記の目的:山本太郎 持分全部移転
原因:平成○○年〇月〇日 相続
相続人: (被相続人 山本太郎) 持分3分の1 山本次郎

(5)登録免許税の納税
登記申請時に法務局に納付しますが、相続の場合の納付額は固定資産税評価額の1000分の4(0.4%)となります。

共有不動産名義で登録する時は、固定資産税評価額から持分割合をかけて持分の価格を出し、その値に1000分の4の税率を掛けます。

例)
固定資産税額3000万円で持分割合が3分の1の場合
3000万円 × 1/3 × 4/1000 =4万円

(6)登記完了予定日に法務局に再び出向いて登記完了書類を受け取る
・登記識別情報通知書(各不動産、申請人ごとに1通ずつ発行される12桁のアラビア数字やその他の符号を組み合わせたもの)
・登記完了証
・相続登記申請時に提出した原本(戸籍謄本など)

(7)諸費用の支払い
相続登記は自分ですることもできますが、親族間でさまざまなやりとりをすることもあり、専門知識が必要になります。
遺産分割協議から相続登記までの一連の手続きにおいて司法書士や弁護士、税理士などの専門家に相談や手続き代行を依頼した場合は、その費用も支払います。

相続登記申請は「郵送」や「オンライン」でより手続きが簡単に

相続登記は、法務局の窓口で申請する方法が一般的ですが、郵送やオンラインで手続きをすることもできます。

郵送で相続登記を申請する時は、書留郵便で発送します。
書類に不備があり訂正が必要になったときのために、申請書に押印したものと同じ印鑑を使って、申請者全員の捨印を押しておくようにします。

登記完了書類の受け取りは、予定日を法務局のホームページで予定日を確認するか、2週間後ぐらいを目途に法務局へ出向きます。

書類を返送してもらいたい場合、登記申請書類に登記完了書類を郵送で受け取る旨を表記して、返信用封筒と切手を同封して郵送します。

オンラインで手続きをする時は、法務局のホームページ記載の指示に従って行います。自宅で自分の都合の良い時間にできることや、書面を提出するよりも手数料が安くなるメリットがあります。

不動産の相続登記は共有名義を避けるべき

不動産は単独で所有する場合と、遺産相続などで複数の相続人で共有不動産として所有の権利を持つ場合があります。

法律では、遺産相続が発生した時、不動産は相続の権利を持つ親族にその権利を分割して相続するよう定めていますが、共有者が複数になり、共有不動産の売却や用途を変更することになれば、そのたびに全員の合意をとらなければなりません。

また、不動産の維持管理にかかわる費用や収益についても、持分に応じて正しく分配するなどの決まりがあります。

この共有不動産に二次相続が発生すれば、共有者の数はさらに増え、不動産の運用や管理はますます複雑になっていき、やがて利害が対立するトラブルに発展するリスクが高まります。

不動産を相続する事態になれば、可能な限り単独名義に変更して遺産を分割し相続できるよう相続の権利を持つ者の間で協議をするのがよいでしょう。

この記事を書いたプロ

松原昌洙

共有名義不動産の売買、仲介に強い不動産会社社長

松原昌洙(株式会社中央プロパティー)

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