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谷光高

ゴルフの楽しさを多くの人に伝えるゴルフ場経営者

谷光高(たにみつたか) / ゴルフ場経営者

新有馬開発株式会社(有馬カンツリー倶楽部)

コラム

ゴルフ場の「詰め込み過ぎ」とスロープレー

2015年11月23日 公開 / 2019年1月2日更新

テーマ:プレー時間を守るゴルフマナー

コラムカテゴリ:趣味

春や秋のゴルフシーズンの週末ともなると、ゴルフ場は混み合ってきます。
真夏や真冬のオフシーズンは閑散としているのに・・・

せっかくのゴルフを楽しみたい!満喫したい!と来たのに・・・
コース内は各駅停車でハーフ3時間、休憩は1時間30分や2時間。。。

楽しみにしていた分、ガッカリ度はMAX!

「なんでこんな混んでんねん!?」
「ちゃんと巡回しているのか?」
怒るお客様
「ゴルフ場が詰め込むのが悪い!」
「休憩が長すぎる!」

「一組でも多く入れて儲けたいから詰め込んでる!!」
これについては、私もゴルフ場を運営する経営者として、もちろんそういう意思が全くないと言えば嘘になります。
商売ですから・・・

でも各駅停車はゴルフ場の「詰め込み過ぎ」だけが原因なのでしょうか?

何組以上なら「詰め込み過ぎ」?

「詰め込み過ぎ」もプレーペースが遅れる原因の一つであることは間違いありません。
何組を超えると「詰め込み過ぎ」と言えるのでしょうか?

「今日多いなあ。何組入ってんの?」とキャディーさんに聞いて
「50組です」と応えられると「ほんま多いなあ。入れ過ぎちゃうの」と思ってしまいます。

でも18ホール50組ならば、ある程度スムーズにラウンドができるはずなのです。
計算してみましょう。

スタート時間は7分、8分間隔が多いので、間をとって7.5分とします。
50組ですのでアウト・イン各25組がスタートします。
7.5分×25組=187.5分

トップスタートが7時30分であれば、最終スタートは約3時間10分後の10時40分となります。
トップが2時間10分でハーフラウンドした場合、9時40分にハーフプレーを終了するので、後半スタートは10時48分となり、1時間8分の休憩です。
列車のような数珠つなぎ
同じペースが保たれるのであれば、コース内には17~18組がプレーしていることになり、9ホールで割ると単純に各ホール2組なので、全く停滞することはありません。
ハーフコース内、20組ぐらいまでは停滞しているようにはならないはずです。

このように18ホール50組ぐらいならば、十分に気持ちよく適切なペースでラウンドできるはずです。
この組数より少なくて各駅停車になるようであれば、スロープレーが原因の可能性が大きいのです。どこか1組でも遅れると全体に影響を及ぼすのです。

各駅停車の状況をつくる一番の原因はスロープレー

前半から各駅停車となると、スローペースの組が早いスタート時間のどこかに必ずいるということです。
もしも、それがトップスタートの組、いわば先導者がスローペースとなると全てが遅れていきます。
カート数珠つなぎ
それをどこで調整するのかとなると休憩時間で調整するしかありません。休憩を短くするとコースの中がギュウギュウ詰めの状態になってしまいます。高速道路の渋滞と同じで、これを解消するには、コース内の交通量を一旦減らすしかありません。

現代の適切なプレーペースは「時間管理」

このように適切なプレーペースは前半で決まります。前半の9ホールが大事なのです。
適切なプレーペースとは何でしょうか?
トップスタートは2時間から2時間10分でのラウンドペースを守り、後続の組はとにかく前の組から遅れないということです。

しかし、このような適切なプレーペースを継続することはなかなか難しい現実があります。
それは、以前のような4人プレーばかりではないということと、セルフプレーが多くなったということ。
2人プレー、3人プレー、4人プレーの組が入り乱れています。人数が代わると当然ペースは変わります。2人プレーのあとに4人プレーでは、ついて行くのはとてもたいへん!
どうしても前の組と間が空いてしまいます。また逆の場合は、各駅停車となってしまいます。
スローペース
適切なプレーペースを守るためには、各組がしっかり時間の管理をすることが大切になっているということです。
キャディー付きのプレーであれば、キャディーさんが時間管理をしてくれます。
しかし、セルフプレーであればプレーヤー自身がプレー時間の管理をしなくてはなりません。

「○時○○分にスタートして、5ホール終了時点で□時□□分だから、残りホールを考えて、上がり予定は△時△△分だな」というように。

2時間10分のプレーペースは不可能?

よく「2時間や2時間10分でのハーフラウンドペースは無理!」と言われます。
本当に無理なのでしょうか?

例えばパー4ホールが5、パー3ホールが2、パー5コースが2というオーソドックスなハーフコースがあるとします。

スタート間隔を8分として、それぞれのホールに掛かる時間をパー3ホールは8分、パー4ホールは12分、パー5ホールは16分としてみると、合計が1時間48分となります。

ここに各ホールの移動時間として2分、計18分を足すと、ラウンド時間は2時間6分となります。十分に2時間10分を切ることができます。あくまで計算上ですが・・・

スロープレーの要因

それでは、何がスロープレーにつながるのでしょうか?

「5分以上の球探し」 「ゴルフカートとボールを何度も往復」 「暫定球を打たない」「パットラインを読む時間が長い」 「ホールアウトしてもグリーン上でスコア記入などして、なかなかグリーンから離れない」などなど。これらはゴルフのルールやマナーにも密接につながっています。これらの事象を解消していくことによってプレーペースはぐんと早くなります。

「お金を払っているのだから、自分のペースでゆっくりプレーして、なぜ悪い!」
「ゴルフ場がもっと考慮すればいい。組数をもっと少なく制限すればいい!」
「こんな細かいことを言うからゴルフは嫌われるんだ!」

そうかもしれませんが、「コース内に詰め込む」というゴルフの特性上、他の人への配慮が欠かせません。
「自分のしたいようにする」だけでは通用しないのです。それはゴルフ規則の第1章に全て記載されています。

準備は段取りよく、万が一のことも考慮にいれて、無駄を省く。
この動きができて、上記の事象を解消できれば、初級者でも適切なプレーペースは絶対に可能です。

ゴルフを心から楽しむために、適切なプレーペースを守るように心掛けましょう。

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