加齢によるカラダの変化と40代からの転倒予防

転倒は、高齢者だけでなく40～50代から目立ち始めるといいます。頭部外傷や大腿部骨折などにいたると、その後の生活に大きな支障がでる場合もあります。

東京都で起きた救急車で搬送された人の受傷原因によると、ケガが発生した原因の80％は「転倒」となっています。つまり、救急車で運ばれた人10人中8人は、転倒によるケガによるものであると言えます。

年齢別では65歳以上が目立ちますが、40～50代から増えていきますので、将来の転倒を予防するうえでは、40代、50代の内から気を付けた方が良さそうです。この年代では体の変化や生活スタイルの変化が影響し、転倒が引き起こされます。

転倒の原因

筋力の低下
年齢とともに筋力は減少します。足や背中の筋肉の弱化はバランスを損ね、転倒のリスクを高めます。
視力の変化
目の健康も重要です。視力の変化によって周囲の障害物や段差を見逃し、転倒の原因となることがあります。
疾患や薬の副作用
慢性的な疾患や薬の副作用によって、めまいやふらつきが生じることがあります。
運動不足
日常的な運動が少ないと、筋力やバランスが低下し、転倒のリスクが増加します。

特に高齢者がつまずきやすいのは、「足が充分に上がっていない」または「つま先が下がりすり足になってしまう」のが主な原因です。加齢と共に筋力が低下したり姿勢が悪くなったりすることで、本人も気づかぬうちに歩き方が変わってしまっていることがあります。
筋力や柔軟性があり、関節の可動範囲も広いうちは転びそうになっても踏みとどまれるが、加齢とともにこうした力が弱まっていきます。

転倒予防のための対策

運動と筋力トレーニング
適度な運動と筋力トレーニングを取り入れることで、筋肉を強化し、バランスを改善します。
バランスを意識する
日常生活の中で、歩行や立ち上がりなどの動作を意識的に行うことで、バランス感覚を養います。
環境の整備
家庭や職場の環境を安全に整え、障害物や段差を除去します。
適切な靴
足元の安定性を保つための靴を選びましょう。

転倒予防に運動を1つだけやるとしたらスプリットスクワットがおススメ

筋力とバランス力を同時に高めます。
大腿四頭筋、大殿筋が使われます。通常のスクワットより中殿筋、腸腰筋がより動作に関与するので転倒予防はもちろんのこと、ヒップアップや下腹引きしめにも効果があります。初めは何かにつかまってやると良いでしょう。運動不足の方にとっては結構難しいですよ。

転ばない体づくり

日頃から筋力維持のために適度な運動と、筋肉のもとになるたんぱく質を含む食品をしっかり食べることが重要です。運動しているのに筋肉が付かないと言う方は、食事の栄養バランスを見直してみるとよいでしょう。

転倒予防の食べ物といえば「鶏肉」です。

「鶏は力士にとって縁起がいい」と言われているのはご存じでしょうか？
その理由は、鶏は二本足で立っているからです。
同じ動物でも牛や豚は4足歩行なので、手を地面につくことは負けを意味する相撲にとって縁起はよくありません。
今でも相撲部屋では鶏肉ちゃんこ、鶏のから揚げなど鶏肉が好まれます。
江戸の粋なシャレですね。

鶏肉はカラダづくりに最適です。

• 低脂肪・高タンパク質
• 比較的低カロリー
• 比較的消化しやすい
• 鶏肉にはビタミンB群やミネラル、特に亜鉛が豊富に含まれています。これらの栄養素はエネルギー代謝や免疫機能の維持に貢献し、健康を支えます。
• 鶏肉は赤身の部位であれば、他の肉よりも比較的少ない飽和脂肪酸を含むため、その点でも好まれる食材となります。

40代と50代の皆さんは加齢に伴い、生理的に身体が変化していく時期です。適切な対策と運動を取り入れて、健康で活力ある生活を送りましょう。身体の健康は、より豊かな人生を実現するための第一歩です。