コラム
在宅勤務に係る事業者の費用負担と給与課税
2021年5月13日
新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、働き方改革の一環として、在宅勤務が推進されてきました。すでに在宅勤務を経験された方も多いのではないでしょうか。この在宅勤務については、従業員の自宅の環境整備に伴い生じる費用や、在宅勤務中に発生する諸費用があります。これらの費用を事業者が負担する場合、給与課税となるのでしょうか。
◇原則的な取扱い
在宅勤務をするために通常要する費用について、その費用を負担した従業員に対して事業者が実費相当額を精算する場合には、給与として課税する必要はありません。
〇在宅勤務手当
実費の発生如何に関わらず、一律に支給されるものであれば、「給与として課税」します。
(例)在宅勤務手当として一律1か月あたり5,000円を従業員へ支給する
〇通信費・電気料金
在宅勤務を行うにあたり発生した通信費や電気料金については、業務に係る部分を合理的に計算して精算を行った場合には、給与として課税する必要はありません。
〇パソコンの支給
(1)所有権が会社にある場合
会社に所有権があるままパソコンを従業員へ支給するということは、“貸与”しているにすぎないため、この場合は給与として課税する必要はありません。
(2)所有権が従業員にある場合
従業員に所有権があるということは“現物給与”と考えられるため、「給与として課税」します。
〇レンタルオフィスの立替精算
従業員が、勤務時間内に自宅近くのレンタルオフィス等を利用して在宅勤務を行った場合、
①従業員が在宅勤務に通常必要な費用としてレンタルオフィス代等を立替払いした
②業務のために利用したものとして領収書等を企業に提出してその代金が精算されているもの
上記2つの要件を満たすものについては、給与として課税する必要はありません。
通信費・電気料金に係る業務使用部分の計算方法については、下記URLに詳細がありますので、そちらもぜひご参考にしてみてください。
◎参考:国税庁HP「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)」 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0020012-080.pdf
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