コラム
「交通系ICカードのチャージ=交通費」は間違い?
2017年8月1日 公開 / 2021年2月10日更新
私たちが電車やバスに乗るときに使っている交通系ICカード。
事業者の方でもICカードを使っている方が多いかと思います。みなさんはそのチャージの料金は、どのように会計処理すればよいかご存知でしょうか? 電車の運賃に使うのだから交通費だと単純に考えるのは、実は間違いです。
なぜならば、交通系ICカードにお金をチャージした際には、その支払いに対して何もサービスを受けておらず、ただ、カードにお金を預け入れているだけだからです。
(原則的な方法)
① 5,000円チャージした時
○月×日 貯蔵品 5,000円 / 現金 5,000円
② 実際に使用した時(運賃1,200円)
○月××日 旅費交通費 1,200円 / 貯蔵品 1,200円
あくまで経費を計上するタイミングはサービス(役務の提供)を受けたときです。
交通費以外に使った場合も、その内容に応じて仕訳を行います。券売機等で利用明細を発券する、インターネット経由でダウンロードする等のサービスを利用して「いつどのように使用したか」ということが分かるようにしておきましょう。
そうは言っても、いちいち使った時に経理処理するのは面倒ですよね。
ICカードの使用目的を統一すれば、次のように簡便化することもできます。
(簡便化した方法)
例えば、交通系ICカードの使用を乗車券の購入や交通費に限定した場合
① チャージした時
○月×日 旅費交通費 5,000円 / 現金 5,000円
② 実際に使用した時(運賃1,200円)
経理処理なし
③ 決算の時
決算の時点で、ICカードに残った未使用の残高をチェックします。
3,800円の残高が残っていたとすれば、この残高を貯蔵品に振り替えます。
決算日(△月×日) 貯蔵品 3,800円 / 旅費交通費 3,800円
この処理をすることによって、実際に使用した経費は「5,000円-3,800円=1,200円」ということが計算できます。
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