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高額療養費制度の落とし穴

2022年1月20日 公開 / 2022年2月16日更新

テーマ:ちょっと気になる保険の話

コラムカテゴリ:お金・保険

みなさまこんにちは。

今回のテーマは『高額療養費制度』です。

□高額療養費制度

高額療養費制度とは
 1ヵ月に支払った医療費が、所得などに応じて設定された自己負担上限額を超えた場合、
窓口で支払う必要がなかったり、その超えた分が払い戻される制度です。

例えば、分かりやすく一か月間の自己負担上限額が10万円だとしましょう。
医療費が12万円かかってしまった場合には、
10万円だけ請求されるか、あとから2万円が戻ってくるといったものですね。


ちなみに、日本は国民皆保険なので、ほぼすべての方がこの制度を利用できます。

近年、高額療養費制度の認知が広がってきたこともあり

ご相談者様の中には、
「高額療養費制度があるから、個人の医療保険は必要ないでしょ」といった方もいらっしゃいます。

確かに高額療養費制度は頼もしい存在です。

しかし、必ずしも「万能」というわけではなく、
「高額療養費制度があるから医療保険は不要」と考える極端な発想には、少し注意が必要です。




高額療養費制度の落とし穴

高額療養費制度の見落としがちな落とし穴として、
「一か月間の負担額が適用される」というものが該当するでしょう。

仮に本制度の上限が一か月10万円だとして
月をまたぐような入院となり、
一か月目の医療費が8万円、二か月目の医療費が7万円発生したとすると

それぞれ上限に達していないため、戻ってくるお金はありません。

つまり、月をまたぐような入院では、あまり効果を発揮しづらいのです。

入院などは緊急性を伴うものも多く、
ご自身で入院の日程をコントロールすることも難しい側面がありますので、
その点は十分に理解しておく必要があるといえます。

それともう一つ、
高額療養費制度には、
部屋差額のベッド代や食事代の一部など、高額療養費制度の計算から除外され自己負担となる費用も発生します。

これらの点を考慮すると
必ずしも『それだけで安心』な
『万能な制度ではない』といったことがご理解頂けると思います。

しかし、だからといって、あれもこれもと様々な保険に加入しすぎるのも、
毎月の負担額の増加に繋がるため、お勧めできるものでもありません。


結局のところ
大切なのはバランスなんだと思います。


お得な制度をしっかりと理解した上で、ムダにかけ過ぎないこと。

リスクに対して適切な備えをしておけるよう、しっかり対策をして、未来に備えていきましょう。

本村

この記事を書いたプロ

本村惠

豊かな将来へと導く資産設計・相続対策のプロ

本村惠(FPはーとさぽーと株式会社)

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