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コラム

永く愛されない理由、魅力・愛着の欠乏

2018年3月1日

コラムカテゴリ:住宅・建物

今や、日本人の平均寿命は80年以上なのに、何故、家の寿命は30年の短命なのか?
人間の場合、身体が弱いということは長生きできない大きな要因です。
家の場合も骨格となる基本構造だけは十分な強度と耐久性が必要です。
が、多少の機能不全は、部分的な取り換えでカバーできるので人間とは違います。
手直しや改装をすれば幾らでも寿命は延びます。
ところが、その逆現象が現実ですので、それ以前の問題です。
要するに「今の家に魅力や愛着を感じなくなった」のです。
良く考えてみると最初から魅力が無かったのかもしれません。
間取り変更や耐震改修に膨大な費用を要するお粗末な構造。
不自然で異質な新建材。
その場しのぎの独善的な設計。
奇をてらったお化粧デザイン。
時の経過と伴に化けの皮がはがれて、我慢も限界に達し愛想がつきた。
魅力の元は、主観的な問題なので一概に断定はできませんが、誰もが認める普遍的な魅力はある筈です。
ただ、周りの空気の弱い日本人の特性も考えられます。
新しいものが良くて、古いものは悪いという短絡思考です。
その空気に抵抗することは、かなりの勇気がいることかもしれません。
なればこそ、世代を超えて誇りを持って、永く愛され、魅力のある家づくりが求められます。

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この家は空き家ですが、次の出番を待っています。移築再生に関心のある方お電話を下さい。
☎:0250-68-3212 ㈱研創

○詳しくはホームページ「あがの家・創生プロジェクト」をご覧ください。

この記事を書いたプロ

武石明

木のことを知り尽くした木造住宅設計のプロ

武石明(株式会社研創)

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