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深堀賢(ふかほりさとし) / 行政書士

行政書士 深堀法務事務所

コラム

産業廃棄物収集運搬業許可につきまして 長崎の行政書士事務所 深堀事務所

2018年9月6日

テーマ:産業廃棄物関係 

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 行政書士 相談

長崎で行政書士をしております行政書士の深堀です。今日は産業廃棄物収集運搬業許可につきまして書いていきたいと思います。産業廃棄物を収集・運搬する事業をするには、廃棄物の積み降ろしを行う都道府県の知事許可を受けなければなりません。この許可は産業廃棄物を積む県と下ろす県が異なる場合にはそれぞれの県で取得しなければなりません。そのため複数の自治体で許可を取らねばならない場合も出ます。


産業廃棄物収集運搬業許可要件につきまして


産業廃棄物収集運搬業許可を取得するためには(イ)から(ハ)に挙げる要件を満たす必要があります。
(イ)収集運搬のために必要な施設を有すること
①飛散、流失、悪臭を防止できる運搬車、運搬船、運搬容器
➁飛散、流失、悪臭、地下浸透を防止する施設(積替え施設)

(ロ)申請者の能力に係る基準
①収集運搬を的確に行うに足りる知識・技能がある
財団法人日本産業廃棄物処理振興センターの講習を受講し修了試験に合格している
こと
〇注意点
•個人なら申請者本人。法人なら社長又は役員が受講しなければならない
•講習会は2日間。最終日には試験あり。合格して終了証の発行に約3週間程かかる。終了証のコピーは産業廃棄物収集運搬業許可申請時に必要。
•講習会の日程や開催地がバラバラで受講しようと思った時に近県で講習会が実施されるとは  限らず、定員も少ない。

➁収集運搬を的確・継続して行うに足りる経理的基礎がある
事業を継続的に行なっていく財務的基盤を有しているかということです。
a利益が計上できていること b債務超過の状態でないことで判断されますが
ケースバイケースで下記の書類を基に判断が行われます。
直近3年分の決算書(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表)と納税証明書(法人の場合は法人税、個人の場合は所得税に関するもの)が必要です。自治体によりその他資料が必要となる場合もあります。また直近の決算で債務超過の状態だと追加書類の提出が必要な場合があります。

(ハ) 欠格事由に該当しない
申請者(個人事業主、法人の役員、株主または出資者、政令で定める使用人)が下記の欠格事由に1つでも該当する場合は許可を受けることができません。
①法7条5項4号イからトに該当する者
成年被後見人、被保佐人又は破産者で復権を得ない者
禁固以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者 、許可取り消しの日から5年未満(法人の役員等は通知前60日以内の者)、処分前の廃業届等から5年未満(法人の役員等は通知前60日以内の者)
業務に関し不正不誠実と認められた者

➁暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者、

③未成年の法定代理人が前①➁に該当する者
*なお、許可後においても該当すると許可の取り消し処分を受けることとなります。

必要書類につきまして


産業廃棄物収集運搬業許可に際し必要な書類は以下の通りです(規9条の2)
申請者が法人か個人かによって違いがあります。
必要書類は下記の通りです。地域で差異もあります。詳細は各自治体にご確認下さい。

・許可申請書

・事業計画の概要を記載した書類

・事業の用に供する施設(積替え又は保管の場所を含む。)の構造を明らかにする平面図、立 面図、断面図、構造図及び設計計算書並びに当該施設の付近の見取図

・ 申請者が前号に掲げる施設の所有権を有すること(申請者が所有権を有しない場合には、  使用する権原を有すること)を証する書類

・ 当該事業を行うに足りる技術的能力を説明する書類

・ 当該事業の開始に要する資金の総額及びその資金の調達方法を記載した書類

・ 申請者が法人である場合には、直前三年の各事業年度における貸借対照表、損益計算書、  株主資本等変動計算書、個別注記表並びに法人税の納付すべき額及び納付済額を証する書  類

・ 申請者が個人である場合には、資産に関する調書並びに直前三年の所得税の納付すべき額  及び納付済額を証する書類

・ 申請者が法人である場合には、定款又は寄附行為及び登記事項証明書

・ 申請者が個人である場合には、住民票の写し並びに成年被後見人及び被保佐人に該当しな  い旨の登記事項証明書

・ 申請者が法第十四条第五項第二号イからヘまでに該当しない者であることを誓約する書面  (誓約書)

・ 申請者が法第十四条第五項第二号ハに規定する未成年者である場合には、その法定代理人  の住民票の写し並びに成年被後見人及び被保佐人に該当しない旨の登記事項証明書

・ 申請者が法人である場合には、役員の住民票の写し並びに成年被後見人及び被保佐人に該  当しない旨の登記事項証明書

・ 申請者が法人である場合において、発行済株式総数の百分の五以上の株式を有する株主又  は出資の額の百分の五以上の額に相当する出資をしている者があるときは、これらの者の  住民票の写し並びに成年被後見人及び被保佐人に該当しない旨の登記事項証明書(これら  の者が法人である場合には、登記事項証明書)

・ 申請者に令第六条の十に規定する使用人がある場合には、その者の住民票の写し並びに成  年被後見人及び被保佐人に該当しない旨の登記事項証明書

・ 申請者が令第六条の九第二号に掲げる者に該当するものとして法第十四条第二項の許可の  更新を受けようとする者である場合には、次条第一号に掲げる基準に適合することを誓約  する書面並びに同条第二号から第四号まで及び第七号に掲げる基準に適合することを証す  る書類

〇注意点(法人の場合)
定款や寄付行為は写しで構いませんが、原本証明が必要です
登記事項証明書 役員と5%以上出資の株主のもの
貸借対照表・損益計算書 直近3年分 法人税の納税証明書 直近3年分
講習会修了証原本 講習を修了したことの証明
施設に関する確認書類としての運搬車輌の写真は使用する車輌全部について必要
です。また自動車検査証の写し必要。借りる場合には賃貸借契約書の写しが必要。
運搬容器等の写真運搬するものにより必要なケースあり

〇注意点(個人の場合)
事業主の住民票 本籍記載のものを発行してもらいます
事務所の案内図 事務所付近の地図
事業主の登記事項証明書 成年被後見人・被保佐人でないことの証明
所得税の確定申告書の写し 直近3年分
貸借対照表・損益計算書 直近3年分(青色申告の場合)
収支内訳書 直近3年分(白色申告の場合)
金融機関発行の残高証明書 預金・借入金(白色申告の場合)
固定資産税評価額等証明書 土地・建物(白色申告の場合)
所得税の納税証明書 3年分
講習会修了証原本 講習を修了したことの証明
運搬車輌の写真  使用する車輌全部について必要
自動車検査証の写し   車輌を借りる場合には契約書の写しが必要
運搬容器等の写真運搬するものにより必要なケースあり

許可の有効期間につきまして


収集運搬業の許可の有効期限は許可取得から5年です(平成22年改正法により創設された優良産廃処理業者認定制度において、優良基準に適合していると認められるときは、7年になります。)。但し、許可の満了日前に更新の申請があった場合で、その申請に対する処分がなされない時は、その有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有します。
有効期限までに更新許可の申請手続きをしなければ、許可の効力は切れてしまいますので早めの申請の準備が必要です。

収集運搬業者の義務につきまして



産業廃棄物収集運搬事業者は、以下のことを遵守しなければなりません。

①処理基準を遵守すること
 収集・運搬・施設において、廃棄物が飛散・流出しないようにすること
 収集・運搬に伴う悪臭や騒音など、他人に迷惑がかかるようなことがないようにする
 こと等

➁ 再委託は不可
 収集運搬業務は、原則として委託を受けた仕事を、別の収集運搬業者に任せることはできません。但し、特別な事情がある場合には許されます。

③台帳を記載し、5年間保存すること
 
④ 委託契約は書面で行うこと
産業廃棄物の収集運搬・処分を委託するときは、以下の条項が含まれた委託契約書を作成し、契約終了の日から5年間保存しなければなりません。

1. 産業廃棄物の種類・量
2. 運搬の最終目的地
3. 処分場所の所在地・処分方法・施設の処理能力
4. 最終処分場の所在地・最終処分の方法・施設の処理能力
5. 委託契約の有効期間
6. 料金
7. 事業の範囲
8. 積み替え・保管を行う場合、その場所・保管上限など
9. 安定型産業廃棄物であるときは、他の廃棄物と混合することの可否
10. 産業廃棄物の適正な処理のために必要な事項
11. 業務終了時の報告に関する事項
12. 委託解除の際に処理されない産業廃棄物の取り扱いに関する事項


⑤マニフェストを使用すること
マニフェスト(管理票)制度は、排出事業者が、収集運搬業者・処分業者に委託した産業廃棄物の処理状況を把握し、不法投棄の防止など、適正な処理を確保することを目的としています。紙マニフェスト又は電子マニフェストのどちらかを選択し、使用しなければなりません。マニフェストを5年間保存義務があります。

更新許可・変更許可・変更届につきまして


更新許可
すでに取得している許可を、許可の期限に際して、許可を更新する手続き
許可の有効期限は5年となっています(優良事業者認定された場合は7年)

変更許可
産業廃棄物収集運搬業の許可を取得する際には、「事業の範囲」を記載して許可を受けています。 この「事業の範囲」を変更しようとする際には、変更許可申請をしなければなりません。「事業の範囲」の変更は、具体的には以下のような場合になります
Ⅰ 取り扱う産業廃棄物の種類を追加・解除する場合
Ⅱ 既に「収集運搬業(積替え保管を除く)」の許可を取得されている者が、
 新たに積替え保管施設を設置する場合。変更許可を受けずに、事業範囲以外のことを行った場合には罰則の対象となります

変更届
産業廃棄物収集運搬業の許可を取得後、以下の事項に変更があった場合は、変更があった日から10日以内に変更届を提出しなければなりません。
 ・氏名または名称の変更  ・住所及び事業所、事業所の所在地を変更した場合
 ・役員の変更があった場合 ・法定代理人・政令使用人の変更があった場合
 ・発行済株式総数の5%以上の株式を有する株主の変更があった場合
・収集運搬に使用する車両や車庫の変更があった場合・取扱品目の縮小・車輌の変更 
・廃業 ・欠格要件への該当 ・連絡先の変更 等
*変更届は、許可を取得している全ての自治体に提出する必要があります。

当事務所報酬額につきまして


許可(届出)の区分料金(税抜き)    備考
産業廃棄物収集運搬業
(積替・保管なし)
新規許可    100,000~    別途申請手数料 \81,000(長崎県)
更新許可    60,000~    別途申請手数料 \73,000(長崎県)
変更許可    60,000~    別途申請手数料 \71,000(長崎県)
変更届      30,000~
廃止届      15,000~

※上記は1自治体あたりの料金です。一度に複数の自治体へ許可申請または届出をご依頼いただける場合は、以下の割引率を適用させていただきます。
許可申請(届出)する自治体の数
2~3自治体10%割引
4自治体以上15%割引
※その他、実費別途請求

最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました。長崎市だけではなく時津・長与・諫早・大村・島原・西海・佐世保など県内(離島は除かせていただきます)や長崎県外対応致しますのでお気軽にお問い合わせください。

長崎の行政書士 深堀事務所
http://www.fukahorijimusho.com/

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