マイベストプロ神戸
坂部智子

介護サービスのプロ

坂部智子(さかべともこ)

神戸・長田の宅配ショップ ともべぇ

コラム

後悔は

2011年1月17日

テーマ:母の介護

コラムカテゴリ:医療・病院

ケアマネをしている友達から 相談があった。
「知り合いの知り合い?(要は関係性がほとんどない相手)で、
親を一人で介護していて 傍目にはいっぱいいっぱいに見える・・らしい
 かなり 内にこもっているよう・・・
直接話が聴けたらいいけれど・・・無理ならせめて何か
役に立つような本でもあれば・・・知らせたいので・・・」とのことだった。

かなり悩んだ。
いろいろ考えた。

そして、伝えたのは、
介護体験的な話、特に看取った後に書かれた話は、今は読まない方がいい・・・ということ。

こういう仕事をしていて、まして、いろいろコラムなど書いてる者が
何を言ってるのか・・・という感じ。
だけど、今は本当にそう思っている。
(介護技術などノウハウ的な物の中には 何かヒントになることもあるので
サラッと読むのはよいと思う)

言いたいのは、人と比べたらあかんということ。
特に、看取った後、時間が経つほどに どんな人でも絶対に“後悔”が起こる。
介護の渦中に ほんとにイヤで もう勘弁してくれ~と思った気持ちよりも
もっとできたんじゃないか・・・もっとこうすればよかった・・・
という気持ちの方がより濃くなる。

そんな話を 渦中の人が読んだら、
自分とのギャップに ますます追いつめられる・・・と思われる。

本でなく、生の声で 体験としてのいいことも悪いことも聞くのなら
また違うと思われるけど・・・
言葉はよくないけど ある意味“美化”されたものは 役に立たない。

今、私が自分に言い聞かせているのは、「後悔はする」ということ。
介護のプロではあっても、
“後悔したくない介護”をすることなんか 私にはできない。

トイレで 母が下着の交換をさせてくれず、罵られ暴れられた時
ほんとに“クソババァ”と思う。
“お尻出したままでおったらいいやん、寒くなっても知らん 勝手にしろ~~”と思う。

そんな風に思う薄情な自分を、後悔する時がくると知っているけれど
その時、その感情を止めることはできない。

人間が出来ている人は、出来るんやろうな~ と思うし、
出来ない自分がもちろん情けないし落ち込む。

昨日のTV「冬のサクラ」の“たすくさん”を見て 泣いた。
そして、落ち込んだ。
(江口洋介さんの学校モノと どっちを見るか迷ったけど
 案内にあった“母親の介護をしている主人公~”が気になってこっちにした・・・あほや・・・)

仕事として、いろんな人と出会っている。
日々、貴重な生の介護の現場をたくさん見せていただいている。
たくさん学ばせて頂いている。
そして、冷静に判断、分析する目を磨く。

母の介護をする時に仕事モードの自分が バランスとして、
40%ぐらい入っていると ちょうどよいように思う。
なかなか難しいけど・・・

長くなった。
今の私。
“いつかいっぱい後悔することをすでに覚悟している”と言ったら開き直りのようで
全く可愛げもないけれど
“後悔”も受け入れて、日々格闘することがなんとか“救い”になっている。

100の悪夢に 一つの笑顔があった時
悪夢は悪夢としてそのままあるけど
笑顔は 笑顔として 100%で受け取る。
その時は一緒に笑う。
どんなに 直前まで 憤っていても 泣いていても
数少ない貴重な機会やから 味わって めいっぱい一緒に笑う。
自分を二重人格かと思うこともあるけど、その時は 笑える。
笑っている。

娘として そうして母のそばに 居る。

母がどう思っているかは わからない。
ドラマみたいに わかる時がくるとも思わない。

後悔と、自己満足の織り交ぜ。
それしか できない。
それでいい と思っている 図太くなった私。

この記事を書いたプロ

坂部智子

介護サービスのプロ

坂部智子(神戸・長田の宅配ショップ ともべぇ)

Share

関連するコラム

坂部智子プロへの
お問い合わせ

マイベストプロを見た
と言うとスムーズです

お電話での
お問い合わせ
078-647-3152

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

坂部智子

神戸・長田の宅配ショップ ともべぇ

担当坂部智子(さかべともこ)

地図・アクセス

坂部智子プロのコンテンツ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ神戸
  3. 兵庫の医療・病院
  4. 兵庫の介護・福祉
  5. 坂部智子
  6. コラム一覧
  7. 後悔は

© My Best Pro